九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

役割、機能を再検討 地域の急性期医療を担う

社会福祉法人恩腸財団済生会支部 香川県済生会病院若林 久男 院長(わかばやし・ひさお)1983年愛媛大学医学部卒業。米バージニア医科大学、香川大学医学部附属病院病院准教授、香川県済生会病院副院長、同院長補佐などを経て、2014年から現職。  「厚労省が発表した再編・統合を検討すべき424病院の一つに挙げられたからこそ、見えてきたことがある」と若林久男院長。目標を再設定し、検証と議論を重ね、次に向けて進み出している。 ―病院が担うべき機能とは。  2019年9月に、厚生労働省が公表した公立・公的病院の再編統合について検討を求める対象病院のリストは、規模に関係なく9領域(がん、心筋梗塞、脳卒中、救急医療、小児医療、周産期医療、災害医療、へき地医療、研修医派遣機能)における診療実績に基づくものでした。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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黒字転換で新築移転 発信、協力する組織に変化

国家公務員共済組合連合会 斗南病院奥芝 俊一 病院長(おくしば・しゅんいち)1978年東京医科大学医学部卒業。癌研究会附属病院(現:がん研有明病院)、北海道大学医学部附属病院(現:北海道病院)、斗南病院副院長などを経て、2014年から現職。北海道大学大学院医学研究科連携分野教授兼任。  札幌駅から徒歩5分ほど、札幌市の中心地に位置する斗南病院。2016年に現在の地に新築移転。高度急性期病院として、患者からの信頼も厚い。これまでの歩み、そして今後の展望について、奥芝俊一病院長に話を聞いた。 ─これまでの歩みを。  1951年に札幌共済病院として現在のすすきのに開設されました。1972年の札幌オリンピックを機に発展し、350床を超える時期もあったのですが、その後、規模縮小や廃院の話が出るほどになっていました。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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四つの柱を据えて地域の女性をケア

岩手医科大学医学部 産婦人科学講座馬場 長 主任教授(ばば・つかさ)1998年京都大学医学部卒業。米デューク大学婦人科腫瘍学研究員、京都大学大学院医学研究科器官外科学婦人科学産科学准教授などを経て、2018年から現職。  岩手医科大学産婦人科学講座は1928年に開講して以降、県内の周産期医療・腫瘍治療などにおいて中心的な役割を担ってきた。2018年から主任教授を務める馬場長氏は地域との連携を強化しながら、従来の周産期と腫瘍に加え、生殖補助、ヘルスケアという四つの柱を据えている。 ―周産期医療での特徴は。  まずは岩手県総合周産期母子医療センターが挙げられます。ここでは県内にある地域の周産期母子医療センターや開業医の先生と連絡を取り合いながら、リスクの高い妊婦を受け入れ、高度医療を提供しています。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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障害がある人の未来に向け体と心を支え、共に歩む

神奈川リハビリテーション病院杉山 肇 病院長(すぎやま・はじめ)1982年東京慈恵会医科大学卒業。山梨大学大学院整形外科准教授、神奈川リハビリテーション病院副病院長などを経て、2016年から現職。東京慈恵会医科大学客員教授兼任。  神奈川県の中央部、丹沢山系近くの広大な敷地に建つ神奈川リハビリテーション病院。1973年の開設から半世紀近く、重度障害がある患者を多く受け入れ、「卒業」という名の社会復帰を支援している。 ─病院の特徴は。  当院は、幅広い診療科によるリハビリテーション医療、そして多職種によるリハビリテーション訓練を行ってきました。例えば、「リハビリテーション工学」部門があり、研究部が設置されています。その研究では、動作分析装置があり、スポーツ障害の方の運動解析や義足や装具の製作・評価、車椅子など福祉機器の開発・評価、そして企業と協働で製品の開発支援などを行っています。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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病院を中心に街づくり 地域の活性化に貢献

社会医療法人恵仁会黒澤 一也 理事長(くろさわ・かずや)1995年北里大学医学部卒業。同附属病院(現:北里大学病院)、中条中央病院などを経て、2000年医療法人恵仁会(現:社会医療法人恵仁会)入職、2007年から現職。同法人くろさわ病院院長兼任。  法人の中核であるくろさわ病院が新築移転したのが2017年4月。以来、黒澤一也理事長は、衰退の一途をたどっていた地元を活性化したいと、病院を中心とした街づくりを進めてきた。同時に、住民のニーズに合った医療の提供、地域包括ケアの取り組みも推進している。 ─公民館を併設した病院として話題です。  佐久市の中込地区にある商店街の一角に新築移転しました。この病院の土地は以前、大型の商業施設が建ってにぎわっていた所です。大型商業施設が撤退し、商店街も衰退していく中で、「病院を核にして街づくりはできないか」と考えるようになりました。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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介護医療院へ全床移行 安心できる場を提供したい

医療法人社団和恵会 介護医療院 湖東病院猿原 大和 理事長・院長(さるはら・ひろかず)2002年東京医科大学医学部卒業。東京都立老人医療センター(現:東京都健康長寿医療センター)循環器内科、医療法人社団和恵会湖東病院副院長、同院長などを経て、2018年から現職。  2018年に創設され、医療ケアを必要とする人の生活の場としての役割が期待されている「介護医療院」。介護療養病床309床を有していた医療法人社団和恵会湖東病院は、2020年4月に全床を介護医療院(Ⅰ型)へ移行、介護医療院湖東病院として、新たなスタートを切った。猿原大和理事長・院長が見据える、今後の可能性は。 ―2020年4月、介護医療院が始動しました。  もともと309床の介護療養病棟だった施設ですので、移行することに抵抗はありませんでした。むしろ、介護医療院は超高齢社会において、必ず必要になってくる施設。地域で必要とされ、利用していただけることを願い、全床を移行することにしました。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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自助グループとの連携で患者の社会復帰をサポート

医療法人十全会 聖明病院古川 愛造 病院長(ふるかわ・あいぞう)1994年香川医科大学医学部(現:香川大学医学部)卒業。東京都立松沢病院、国立病院機構久里浜医療センターを経て、2016年から現職。浜松医科大学臨床准教授兼任。  1988年に当時としては珍しい依存症治療専門病院として開院した聖明病院。2018年には静岡県の依存症治療拠点機関に指定され、県東部医療圏の中心的役割を担うこととなった。県内の依存症治療の現状と同院の取り組みや特徴について話を聞いた。 ─静岡県の依存症治療の現状は。  県内のアルコール依存症での精神科病床入院患者数は、2018年度で620人。過半数の328人を当院で受け入れました。静岡県の外来患者数は全国平均に比べて低く、同年、全国45位となっています。 (続きは紙面でお読みいただけます。ご入用の方は、info@k-ijishinpo.com へお問い合わせください)

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新型コロナ WHOパンデミック表明

 新型コロナウイルス(COVID−19)感染が拡大し、WHOは3月11日、パンデミック(世界的大流行)と表明した。中国では状況改善が報告されているが、同10日現在、感染者は8万人、死者は3000人を超えた。一方、それ以外の世界では109の国・地域で感染者3万3000人に迫る。日本では感染者513人、死者9人(他にクルーズ船は感染者696人、死者7人)となっている。医療現場に緊張が続き、影響は社会全体に及んでいる。世界、国を挙げての封じ込めができるのか。 最前線ドキュメント 医療法人社団以仁会 稲毛サティクリニック  全国の病院・診療所は厳しい診療を続けている。 千葉市稲毛区小仲台、医療法人社団以仁会「稲毛サティクリニック」も1月下旬から、連日100人を超える感染を心配する患者が殺到し、長期戦が続く。河内文雄理事長(呼吸器内科)は診療の傍ら、SNSで社会に状況を発信する。 要注意患者殺到 院内に緊張走る 〈1月31日〉JR駅前のビル4階にある院内に2回、緊張が走った。2週間以上せきが続く36歳の中国人、年末年始を中国湖南省で過ごし発熱後にひどいせきが続く中国人の5歳児が受診した。レントゲン撮影で肺炎像はなかったが「このまま感染が拡大すれば、一定の確率で陽性者が受診することになる」。 稲毛サティクリニックの待合室 〈2月2日〉院内では換気のために出入り口を開放し、点滴スペースは要注意患者の待機場所に指定。一般患者と重ならない動線を確保し、レントゲン室まで導くことで対応。防護服は一枚もなく、消毒用アルコールと同様、発注しても手に入らない。マスクも不足。外来の最中に、マスクを売ってくれと、食い下がる外国人たちで、診療が妨げられる。 保健所にPCR要請も拒否 〈2月3日〉成田空港電気工事従事者の男性が受診した。1月29日からの通常肺炎治療に反応せず、陰影は徐々に拡大し、対側にも影が出始めた。受診時の酸素飽和度は93%まで低下した。観光客と接触する機会はなく、中国人の知り合いもいない。「これが新型肺炎であれば、すれ違う程度で感染した可能性があり、急速に広がっていく恐れがある」と判断。保健所に連絡して、PCR確定診断の必要性を訴えたが、武漢からの中国人と接触していないからと拒まれた。ハイリスクな症例を調べない対応に不信が募る。 相談センター経由は1人 90人は直接来院 〈2月19日〉午前中だけで95人が受診した。ほとんどが持続する発熱と呼吸器症状で、感染を心配して来院した。帰国者・接触者相談センターに電話し受診した患者は1人だけで、症状経過とレントゲンの肺炎像から、保健所経由で入院した。ほかは不安に駆られて直接来院した。「こんな状況が続けば、最前線の医療機関はどこもパンクする」〈2月21日〉134人が受診した。タイ旅行から帰国後、高熱と激しいせきが続き相談センター経由で来院した28歳男性、2月4日~11日にシンガポールに滞在し3日前から続く発熱と呼吸器症状で受診した11歳男児、1月19日から続くたんの絡むせきと高熱で受診した48歳女性らには、PCR確定診断ができないので、厳重な自宅隔離と電話経過報告を指示して帰宅させた。肺炎チェックのため、19人をレントゲン撮影した。感染防御態勢はマスクも防護服も手袋もそれなりに揃い、かなり強固になった。 院内感染を防ぐ手立てなし 民間検査会社でPCRを 〈2月24日〉社会不安の嵐が脅威だ。同院にも不安感から大勢の非感染者が殺到している。「感染機会を増大させ、医療機関が同時多発的にホットスポットになる。当院ではすでに予兆が出始めている」「医療機関での院内感染を100%防ぐ手立てはない」 〈3月7日〉「この時期、外来で肺炎に遭遇すると緊張する。PCRで白黒つけてもらいたい」。肺炎患者を4人診た。

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