九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

いつでも誰でも安心できる 急性期医療を守り続ける

いつでも誰でも安心できる 急性期医療を守り続ける

沖縄医療生活協同組合
伊泊 広二 病院長(いどまり・こうじ)

1993年琉球大学医学部卒業、1996年信州大学大学院医学系研究科脳神経外科入局。
長野市民病院、沖縄協同病院脳神経外科部長、同副院長などを経て、2019年から現職。


 那覇市南部において、急性期医療を担う沖縄協同病院。伊泊広二病院長は、救急医療や地域医療連携、人材育成にも積極的に取り組む。病院の特徴や今後の展望も含めて話を聞いた。

─病院の特徴は。

 当院は1976年に現在の豊見城市で開院し、2009年に隣の那覇市へ新築移転しました。その際、旧病院(現:とよみ生協病院)は慢性期、新病院は急性期と各機能を分離。280床のコンパクトな総合病院として再スタートを切りました。

 母体である沖縄医療生活協同組合は計三つの病院と六つの診療所のほか、介護施設などを運営しており、当院はグループ内で中心的な役割を担っています。患者さんの約半数は組合員ですが、病院の理念である「いつでも、どこでも、だれもが安心してよい医療と福祉を」の下、一般の方も幅広く受け入れ。経済的に困窮している人のために、2010年からは無料・低額診療も行っています。

 救急医療にも力を入れています。那覇市に移転した初年度は、年間の救急車搬入件数は約3200件、19年度は約4800件にまで増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響により、20年度は若干減少したものの、基本的には増加傾向が続くと見込んでいます。この流れに対応するため、手術室や集中治療室の増設など、施設の充実化を図っていく予定です。

 人材育成では、1978年、民間病院としては県内で初めて研修医を受け入れ、2000年には県内初の臨床研修病院を取得しました。03年からは臨床研修病院群プロジェクト「群星(むりぶし)沖縄」に参画し、基幹病院の一つとして医師の育成に努めています。

 当院における教育の特徴は、単に病気を診断・治療するだけでなく、退院後の生活も考慮しながら診療すること。また、方針として、高齢者や障害のある患者さんに寄り添える医師を育成できるよう心掛けています。

─地域医療や連携について。

 沖縄県の人口は全国で最も高い出生率と県外からの移住により増加しています。そのため2040年あたりまでは、急性期を含めた医療需要が増え続けることが見込まれています。

 一方、現行の地域医療構想では、急性期病床を増やすことが難しくなっています。個人的には、那覇南部地域でもう少し急性期病床が必要と感じています。今後、急性期病院はより集約化されていくことが予想されますので、当院の機能を守り、発展させていくことが重要だと考えています。

 地域連携では、これまでグループ内の各施設とは連携体制が構築されていましたが、地域の医療機関とのネットワークは、若干弱かったかもしれません。

 最近は、新型コロナの対応を地域全体で進めるため、急性期病院の院長同士が密に連絡を取り合っています。20年8月に当院でクラスターが発生し、救急外来などを一時停止せざるを得ない状況になりました。その際、地域の院長先生方から応援の声が掛かり、救急患者の受け入れにも快く対応していただきました。今後は、この協力関係を現場サイドまで波及させ、地域との連携も強化していきたい。また、クリニックの先生方との連携を深め、当院の外来機能を見直し、いずれは地域医療支援病院の認定を取得したいと思っています。

─今後の展望は。

 地域の急性期病院の中で、独自性をより明確に打ち出すことが重要です。脳卒中を含めた循環器の領域、整形外科など救急疾患を伸ばし、高齢者の救急診療も大切だと考えています。さらには、がんの診療の質を向上させることも課題です。

 医療機関との連携では、これまで関係が弱かった琉球大学病院との関係を強化したいと思っています。特に、研修医のローテーションにとどまらず、医師の派遣などの人事交流ができればありがたいですね。


沖縄医療生活協同組合 沖縄協同病院
那覇市古波蔵4―10―55
☎098―853―1200(代表)
http://oki-kyo.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる