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岡山大学学術研究院医歯薬学域 心臓血管外科 成人疾患への対応強化 患者に寄り添う医療を

岡山大学学術研究院医歯薬学域 心臓血管外科 成人疾患への対応強化  患者に寄り添う医療を

笠原 真悟 主任教授(かさはら・しんご)
1989年北里大学医学部卒業。
豪ウェストミード小児病院、ニュージーランド・グリーンレーン病院、
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科心臓血管外科准教授などを経て、2017年から現職。

 大学病院としての総合力を背景に、小児心臓血管外科分野に強みがある岡山大学の心臓血管外科。少子高齢化が進む中で、主任教授の笠原真悟氏が見据えるものとは―。地域の課題への対応も含めて、今後のビジョンを聞いた。

─現在、力を入れていることは。

 小児から成人まで、心臓血管外科領域の多くの疾患に対応していますが、特に小児の先天性心疾患分野で実績を積んできました。年間350~400件の手術件数のうち、約半数が小児を対象にしたものです。全国各地、海外からも患者さんを受け入れています。

 コロナ禍の2020年秋にも、当大学病院の国際診療支援センターを介して、香港から6歳の患者さんを迎えて手術を行いました。患者さんとご家族の成田空港での一時待機から岡山への受け入れ、PCR検査への対応など、さまざまな手順をクリアできたことは大きな自信になりました。

 一方、高齢化の進行に伴い、循環器疾患は増えています。今後は、全ての年齢層の患者さんに対応するため、成人疾患により力を入れていきたいと考え、人員を補充して体制を整えています。

 近年、小児の先天性心疾患の治療成績が向上した結果、成人の先天性心疾患が増えてきました。そこで、当大学病院では、2014年に「成人先天性心疾患センター」を設置しました。出産や就労といった課題に対し、心臓血管外科や循環器内科、精神科神経科など10以上の診療科が連携して、成人の患者さんをサポートしています。

 成人の先天性心疾患は、症状がなければ治療の必要がないと判断されることもあります。しかし、以前はできなかった手術ができるようになり、手術を経て結婚や妊娠、出産をしたケースもあります。センターへの紹介件数は増えていますが、さらに周知していく必要性があると感じています。


─地域との連携は。

 健康寿命の延伸を目指して、各都道府県が「脳卒中・」に基づく体制づくりを進めています。岡山県でも、本学の循環器内科の伊藤浩教授が中心となって、循環器に特化した救急体制を整えているところです。
 特に大動脈解離については、東京の先進事例を参考にしながら、県内の各病院と連携し、日ごとに手術が可能な病院や各病院の集中治療室の稼働状況などを情報共有しています。

 地域の先生方には、循環器疾患について困っていることがあれば、気軽に相談していただきたいと思っています。一方で、患者さん自身が自主的に受診してくださるようにすることも大切です。福祉分野にも協力を働きかけながら、「自分の体は自分で守る」ことの重要性を伝えていきます。


─講座の今後の方向性は。

 私は任期の12年を4年一区切りとして考えています。17年に主任教授に就任し、21年8月からは「第2期」に入りました。この4年で大学組織のことを改めて知り、県内の医療機関の特性や強みについても把握するようにしてきました。

 当講座には、心臓血管外科医を目指して、全国から若い先生たちが集まってきます。見学に来る他大学の学生も多く、これは4年間の私たちの活動がある程度実を結んだ成果ではないかと思っています。

 人員を増やし、成人の症例を増やすための一歩を踏み出す足掛かりはこの4年でできたので、今後は講座のスタッフや同門の先生方の力も借りながら、より医療体制を強化していきたいと考えています。

 小児分野では、本学と2カ所の子ども病院において、再生医療を小児に臨床応用する第3相試験を6月からスタートさせました。次の4年間で保険適用されることを目指して、力を注ぎます。


岡山大学学術研究院医歯薬学域 心臓血管外科
岡山市北区鹿田町2─5─1 ☎086─223─7151(代表) http://okayama-u-cvs.jp/

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