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高知大学医学部 心臓血管外科講座 術後管理で他科と連携 若手には多くの経験を

高知大学医学部 心臓血管外科講座 術後管理で他科と連携  若手には多くの経験を

三浦 友二郎 教授(みうら・ゆうじろう)
2001年横浜市立大学医学部卒業。
三井記念病院、独ザールランド大学、
静岡市立静岡病院などを経て、2019年から現職。

 高知大学医学部心臓血管外科講座の三浦友二郎教授は、これまでの経験を生かしながら、先進的な外科的治療や後進の育成に注力している。また、医療従事者の使命は「」にあるという信念の下、地域医療の強化などにも取り組もうとしている。

―臨床面での特徴は。

 成人の後天性心疾患を中心に、腹部大動脈から末梢血管まで、幅広い外科的治療を展開しています。

 着任してから力を入れているのは、昨今増加している心臓弁膜症の治療です。内科でのカテーテル治療が普及しても、今なお外科的治療を必要とする患者さんは数多く、その方々に安全確実かつ耐久性のある手術を行っています。

 30代、40代の若年層に対しては、僧帽弁だけでなく大動脈弁においても自己弁を最大限に生かす形成術によって、術後も生活の質を変える必要がない治療を行っています。

 また、胸部大動脈瘤に関しては、ステントグラフト単独での治療が難しい弓部大動脈などに対する外科的治療を実践。冠動脈バイパス手術ではオフポンプ手術をメインにして、使用するグラフトなどにもこだわりながら、これまで手術を繰り返してきた患者さんでも、一度の手術で済むような治療を推進しています。

―他科との連携も特徴の一つです。

 現状、国内において心臓手術の術後管理を、他の診療科に任せることは一般的でないと思います。しかし、当院では集中治療部が中心となり、麻酔科、、心臓血管外科で強固な連携体制を構築しました。

 例えば、手術後の患者さんが一般病棟に転出した後は、状態が安定したところで、循環器内科に管理をお願いします。これにより、われわれは他の治療に専念できるので、とても助かっています。

 心臓血管外科は、時間外労働が非常に多い診療科の一つです。医師の働き方改革という側面から見ても、先駆け的な取り組みではないでしょうか。

―後進の育成について。

 私は、これまで数多くの優秀な医師、メンターの下で修練を重ねてきました。外科医としての技量だけでなく、治療戦略や患者への向き合い方など、ガイドラインには書かれていない治療の本質を学ぶことができたと感じています。

 若手には、私と同じような経験を積んでほしい。個人的には「症例のシャワー」を浴びることが大切だと思っています。海外では、若手でも連日数件の手術に携われる環境があり、短期間で飛躍的な手技の向上が期待できます。教室員に留学のチャンスがあった場合は、全面的にバックアップしています。

 国内も含め、まずは多くの指導医の下で勉強することで、いずれは世界にも通用するような医師になってほしいですね。

―今後の目標は。

3年ほどドイツへ留学した際に師事した先生は、世界中から患者さんが集まる「神」のような存在でした。私も唯一無二の外科医を目指した時期があったものの、今はその領域に届くことよりも、「標準以上の手術を確実にできる外科医を育てる」ことに、重きを置いています。今後も教育者かつ自分に課せられた使命として、人材育成に力を入れていくつもりです。

 地域医療への取り組みも重要です。当教室が高知県における循環器医療の中心となり、これまで以上に地域の医療機関との連携・ネットワークを強くしたいと思います。地域の方には、心臓血管領域の疾患への理解や予防といった啓発活動などを、積極的に行っていくつもりです。

 目の前の患者さんを治すことを大切にしながらも、「」という意識を常に持ち続けつつ、地域に役に立ち、地域全体から信頼されるような教室を目指したいと思います。

高知大学医学部 心臓血管外科講座
高知県南国市岡豊町小蓮185―1 ☎088―866―5811(代表) https://www.kochi-u.ac.jp/kms/cvs/

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