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横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室 心血管腎臓病を制御し健康寿命の向上に貢献

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室 心血管腎臓病を制御し健康寿命の向上に貢献

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室
田村 功一 主任教授(たむら・こういち)
1988年横浜市立大学医学部卒業。米ハーバード大学医学部、
藤沢市民病院、横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学准教授などを経て、
2016年から現職。同大学附属病院副病院長兼任。


 田村功一主任教授が率いる横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学教室では、「ともにめざそう!〝心血管腎臓病〟病態連関制御を通じたFrom molecules to the whole body, and to the Society 実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出」をテーマに、臨床や研究に取り組んでいる。

―教室を取り巻く背景について。

 日本は、世界の中で「長寿国」と言われていますが、実は平均寿命に比べて健康寿命が短い。いわゆる要支援、要介護の状態が長いという問題を抱えています。

 健康寿命を阻害する大きな要因の一つが、心疾患や脳血管疾患といった脳心血管病であり、それらに密接に関連しているのが高血圧、糖尿病、腎臓病です。これらの各疾患を克服することが健康寿命向上の鍵であると同時に、当教室の目標でもあります。

 脳心血管病と慢性腎臓病は、病態機序のレベルで互いに関連しており、併存することも多いのが特徴です。いずれも糖尿病や高血圧などの生活習慣病を起点として進行し、各ステージでは両者に似たような病態が見られます。
 当教室では、それぞれの疾患を単体で診るのではなく、一体的に「心血管腎臓病(病態連関病)」として捉え、生活習慣病対策を含めて包括的に対応しています。

―教室の理念について。

 「門戸開放」、「研究重視」、地域貢献重点の「患者第一」を掲げています。「門戸開放」は、1853年に黒船が神奈川に来航した歴史に由来します。当教室は北海道から沖縄まで、全国の大学から多くの人材を受け入れており、メンバー同士が刺激し合い、日々切磋琢磨(せっさたくま)しています。

 「研究重視」では、「サイエンス・アカデミアの高みを目指す」をテーマに、質の高い基礎研究・トランスレーショナル研究・臨床研究に取り組んでいます。他機関と連携した研究にも積極的で、日本腎臓学会、東京大学と共同で、情報通信技術・ICTを活用した糖尿病性腎症における重症化抑制の研究を進めています。学会の慢性腎臓病患者のデータベース解析にも参画しています。

 これらの理念を基に、到達目標として研究の創出、診療での実践、教育での思いやりを通じて、高価値の研究成果、最適な治療、優秀な人材を継続的に提供することを掲げています。神奈川県や東京都に広がる計27の協力病院、二つの附属病院、教室員が一体となって、地域に貢献しています。

―新型コロナの研究も注目されました。

 神奈川県では2020年2月のダイヤモンド・プリンセス号における新型コロナウイルス感染症の集団発生から始まり、これまであらゆる場面で対応を迫られてきました。

 当初、高血圧の患者さんが使う降圧薬・RA系阻害薬が、コロナにかかりやすくなったり、重症化に影響したりしているのではないかと言われていました。そこで協力施設などと共同で検証した結果、反対にRA系阻害薬を服用している患者さんに問題はなく、安心して服用できると同時に、サイトカインストームを抑え、軽症で済む患者さんも多く見られました。一方、コロナの患者さん全体では、高齢であることが重症化する最大のリスク要因であることも分かりました。

 同年8月に発表したこの研究結果は、新型コロナウイルスの重症度や予後などを検討した研究として、広く注目されました。

 今後の目標は、まず教室独自の遺伝子・分子・作用機序を起点としたシームレス治療の開発を進めること。次に、ICTなどのデジタルトランスフォーメーションを推進すること。そして、医療政策経済学や包括医療制度などを活用して、地域貢献を進めることです。この3本柱で心血管腎臓病を制御して、健康寿命の向上を目指します。

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室
横浜市金沢区福浦3―9
☎045―787―2800(代表)
https://yokohama-medicine.org/

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