関西医科大学 友田 幸一 学長

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高度医療を支える人材育成

【ともだ・こういち】 上宮高校卒業 1977 関西医科大学医学部卒業 同附属病院研修医1980 米国テネシー大学医学部附属病院研究助手 同大学医学部内科免疫アレルギー部門客員研究員 1994 関西医科大学耳鼻咽喉科学講座助教授 1997 金沢医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座教授 2008 関西医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座教授 同附属枚方病院耳鼻咽喉科部長 ブレインメディカルリサーチセンター教授併任 2015 関西医科大学学長

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◎グローバルな人材育成

 本学は、1928(昭和3)年、大阪女子高等医学専門学校として創設。1954(同29)年、男女共学制に変更し、名称も関西医科大学に改めました。

 建学の精神は「慈仁心鏡」。"慈しみ・めぐみ・愛を心の規範として生きる医人を育成すること"です。自由・自律・自学の学風のもと、学問的探究心と教養を備え、幅広い教養と国際的視野を持つ、人間性豊かな医療人の育成に注力してきました。来年、90周年を迎えます。

 少し前までは大学内のシステムを整備することに精いっぱいでしたが、今は経営に少しゆとりが出てきたこともあり、社会貢献、国際貢献も視野に入れるようになりました。

 海外からの学生や研究者を積極的に受け入れて教育し、本国へお返しする。その国の発展に貢献できる人材を国際的レベルで育成することにも取り組んでいます。

 2008年からは「高度医療人養成制度」を実施しています。これは意欲のある優秀な人材の海外留学をサポートするものです。通常の留学とは違い、現地滞在中にかかる生活費などの費用はすべて大学が負担します。自己負担は一切なく、返還義務もありません。

 対象となるのは、卒後10年ほどのキャリアを持つ研究者です。年間1〜2人を選出し、海外で実施されている最先端の治療法、薬剤、技術、知識を学んでもらいます。すでに8人の医師がこの制度を利用してきました。国内では未認可のものもありますから、帰国後すぐにすべてを実践できるわけではありませんが、将来的には国内でも認可されるでしょう。それをいち早く学び、本学で研究を続けてキャリアアップしてほしいと願っています。

◎研究医養成コース

 近ごろは、卒業すると医師として診療に携わる人がほとんどで、研究者を志す人が少なくなりました。基礎研究室には理学部、工学部、薬学部出身者がたくさんいらっしゃいますが、医学部を卒業したMD(Doctor of Medicine)は少ない。この現状を打破するために、医学的知識を持った研究者を養成する「研究医養成コース」をつくりました。

 卒業してからではなく、入学したばかりの1年生のときから、研究の現場に触れることで興味を持ってもらい、研究マインドを

育てていこうとするものです。本コースの学生の中から、将来医学博士を志す3〜4人を選出し、奨学金を給付しています。

 最近は徐々に定着してきましたが、4年前にスタートした当初は苦労もありました。興味本位でこのコースに入った学生が多かったため、途中で気が変わってしまい、継続する人が少なかったのです。

 開始から4年しかたっていないので、学生たちが5年生、6年生になったとき、どの道を選ぶのかはまだわかりません。研究者になることが条件になっているとはいえ「やっぱり医者になります」と言うかもしれないですね。でも、一度は進む道を変えてしまったとしても、臨床を経て、また研究畑に戻ってきてほしいと期待しています。

 基礎研究をされている先生方の中には、臨床をしていた方もいらっしゃいます。日々の診療の中で、患者さんと接するうちに研究心が芽生えることもあるのです。

 医学研究の最終的な目的は患者さんを治すことですから、研究だけやっていては広い視野を持ちにくくなる。"医学"を学んでも"医療"を知らない研究者になってしまう。そういった意味では、臨床現場で経験を積むことも必要です。

◎ICTを応用した教育システム

 2014年にICTを応用した本学独自の学習支援システム「KMULAS」を導入しました。オンライン上で講義予定の確認、資料のダウンロード、課題提出などができる仕組みです。

 膨大な量の医学の知識を6年間という限られた期間で教えるには無理があります。本学の授業は一こま70分間。10分の休憩時間を挟んですぐに次の授業が始まります。授業でプリントを配れば復習はできますが、短い授業時間内にすべてを理解するためには予習が必要です。

 このシステムを使えば、好きな時間に好きな場所で勉強できるので、効率良く学ぶことができます。空いた時間を部活動やキャリアアップのための時間に活用してほしいですね。

◎創立90周年に向けて

 現在国内で進められている医学教育改革の一つに、「JACME(日本医学教育評価機構)」の国際認証受審があります。本学でも、2020年をめどに国際認証を受審することにしています。

 基準となる臨床実習時間数は約70週。本学の5〜6年生で実施している約52週の実習時間では足りません。実習時間を増やすには、4年生の後半に組み込まなければならず、それまで実施していた授業がどんどん前倒しになり、前へ前へ詰まっていってしまいます。

 そうなると、1年生の授業に無理に詰め込まなければならなくなる。これを回避するために、これまでの学年制だったカリキュラムを単位制に変更することを検討しています。

 1年生で取れなかった授業は2年生で、2年生で取れなかった授業は3年生で取る、といったように、縦でも横でもなく、ななめにつながる柔軟なカリキュラムにしたいと考えています。

 本学の山下敏夫理事長は、国内29の私立医科大学で構成された「私立医科大学協会」の副会長をしておられます。この新しいカリキュラムについても、協会に提案されているところです。

 この他にも、附属病院群整備事業の完遂、武道館を備えた牧野講堂の建設、発展途上国の高等教育支援を進め、2018年4月には4年制の看護学部・大学院を開講する予定です。

 もう一つ、グローバル・コア・センター構想があります。これは、インターネットを使って、離れた国や地域とつなぐプロジェクトです。大きな建物を造るわけではなく、各地の情報を収集し、発信する担当部署を設置するもので、現在準備中です。

 今後は世界に視野を広げ、世界ランキングに入るレベルの大学に成長させていきたいと考えています。

◎学生へのメッセージ

 私は、本学の学校案内パンフレットに「MedicalDoctor、Scientistを目指す若者を待っています」と書いたことがあります。「医者を目指す」なんて、一見当たり前のことのようですが、近ごろは、成績が優秀だからという理由だけで医学部を受験する学生が増えてきました。

 いざ入学してみると「ぼくには向いていない」「勉強がつまらない、ついていけない」と挫折するケースも多い。本人だけでなく周囲の大人たちも「将来何になりたいのか」を見極めた進路指導をする必要があるのです。

 医者の仕事はそんなに甘いものではありません。「患者さんの役に立ちたい、病気を治したい」という気持ちがなければ医学を学んでもつまらないし、医者の仕事も続けられない。本気で「医者になりたい」という志を持った若者にぜひ入学してほしいと思います。

関西医科大学
大阪府枚方市新町2-5-1
TEL:072-804-0101(代表)
http://www.kmu.ac.jp/


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