関西医科大学 学長 友田 幸一
新年あけましておめでとうございます。穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年は、干支は丁、十二支は酉ということで、運気を取り込み商売繁盛、そして「果実が実り極限まで熟した状態」という意味から、物事が頂点を極める年のようです。
私は、２０１５年４月１日付けで第９代学長に就任いたしました。関西医科大学は、１９２８（昭和３）年に大阪女子高等医学専門学校として創設され、今年で創立89年を迎えます。２０１３年に新キャンパスを枚方市にオープンし、最新の教育、研究、医療施設（附属病院）が機能的に、効率よく配置され、超近代的な大学に生まれ変わりました。
慈しみ・めぐみ・愛を心の規範として生きる医人を育てること、「慈仁心鏡」を建学の精神とし、学問的探究心を備え、幅広い教養と国際的視野もつ人間性豊かな良医を育成することを教育の理念としています。
大学の経営状態も右肩上がりで、近年60億円超の収支差額を得、教職員の職場環境も改善され、さらに１年後の創立90周年に向けて、附属病院群整備事業の完遂、看護学部開校、武道館を備えた牧野講堂の建設等を進め、さらに国際交流センターとホスピタルインの機能を備えたタワー棟の建設、最先端医学研究所の設置を検討することなどの事業計画を立て、これらを実現することを目指しております。
これからの大学に求められる教育のグローバル化のために、本学では2014年からICTを応用した新しい学習システム（KMULAS）を導入し、ペーパーレス化を進めています。またこれを利用して出席管理や反転授業を目指し、さらにより授業の効率化を図ることで余った時間をクラブ活動、ラボローテーション、キャリアアップ、補講授業などのための時間に活用してもらおうと考えています。
人材育成のために、2014年からスタートした未来の科学者を育てるユニークな「研究医養成コース」も徐々に軌道に乗り始めています。一方、卒後10年前後の医師を対象に「スーパードクター制度」を立ち上げ、毎年国内外の一流施設でトップレベルの臨床経験を積むためのキャリア形成支援を行っています。
研究支援体制として、2015年に発足した臨床研究支援センター、大学院の医科学専攻のみに一本化した抜本的な改革、新倫理審査センターを設置し、全ての申請を電子化することで研究倫理の不正防止と審査作業の効率化を図っています。
昨年11月には、関西公立４医科大学（京都府立医大、奈良医大、和歌山医大、大阪市立大）と関西私立４医科大学（大阪医大、兵庫医大、近畿大、関西医大）との連合協定が結ばれ、「医科大学関西連合」が発足しました。８大学の協力・連携・支援体制の下、WHO健康開発総合研究センターとの共同研究を昨年９月から開始しました。
また内閣府地方創生加速化交付金を受けて、地元枚方市の協力を得て、「ITを活用した健康生涯活躍のまち及びヘルスケアービジネス創生事業」を始動し、特に健康無関心層の健康意識を促し、健康寿命延伸につなげる事業を開始しました。
このように本学は、近年大きく変革し、発展してきましたが、さらにランクアップを目指して、より質の高い医学・医療の提供、研究力の向上、グローバルリーダーの育成、国際認証の受審、海外医療支援活動の充実などを推進し、世界ランキングに入る"五つ星"の大学を目指してまいります。今後とも絶大なるご支援を宜しくお願い申し上げます。
