総合病院中津川市民病院 安藤秀男 院長

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山間地の医療を守る | 地域のニーズを的確に把握し在宅医療のサポートを充実

あんどう・ひでお▶名古屋市出身/愛知県立東郷高等学校卒業、鹿児島大学医学部卒業/愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院、名古屋大学、東濃病院(現・可児とうのう病院)、名古屋掖済会病院などを経て、1997 中津川市民病院小児科。2000 小児科部長、2010 副病院長、2013 病院長就任 / 趣味はスノーボード、カヤック、大道芸。ホスピタルクラウンを目指して、夜な夜な修業中

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東濃の基幹病院として

 岐阜県の山間部、東濃地方にある病院として、西端の県立多治見病院と東端の当院が基幹病院となって地域の健康を守っています。診療圏は非常に広く、香川県と同程度の面積ですが、人口は13万人ほどです。

 岐阜県は10万人あたりの医師数が全国でも少ない地域ですが、岐阜市に限ってみれば医師数は全国平均よりもかなり多いのです。すなわち、その他の地域については極端な医師不足状態にあるということで、この地域も現状は深刻です。

 当院は東濃地方の急性期病院として、さらには隣県の長野県南部、愛知県北部の住民に高次医療を提供し、周産期にも対応します。病床数は360の中規模病院ですが、基幹病院として多様な診療科をそろえなければなりませんので、常勤医師の19診療科、非常勤医師による外来のみの5診療科を持ち、26床の透析センターや健康管理センターも併設しています。

 当院がこれからどうあるべきかについては、地域の人口動態などをシミュレーションして予測していますが、12年後に病院のすぐそばにリニア中央新幹線の駅が建つ計画があり、読めない要素があります。車両の整備工場や車両工場も建ちますので、事業所や若い労働者が増える可能性がありますね。

地域包括ケア病棟

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(上写真)中津川市民病院では、2013 年に全国初となる、「病院前救急診療科」を設置した。ドクターカー「NEMAC」(ニーマック)による救急処置を専門に行う(Nakatsugawa Emergency Medical Assistance Car)。

 2014年11月に1病棟を「急性期病棟」から「地域包括ケア病棟」へ転換し、急性期後の受入れや自宅復帰へ向けた支援を行っています。これまでは、一般病棟入院基本料7対1をとっているため平均在院日数のしばりがあって、入院期間を延ばしてリハビリをしたいと希望する方などに対応できなかったのです。在院日数を60日まで延ばすことができる地域包括ケア病棟は、地域のニーズだといえるでしょう。また、地域医療構想においては急性期病床数を削減して回復期や慢性期、療養期を増やすという動きがあります。早い時期に対応して有利に移行したいという意図もありました。

在宅医療のサポート

 在宅医療に関しては、地域の開業医の方々が訪問医療を積極的にやっておられます。しかし、都会だと複数の医師がチームでエリアを担当して当番制をとることができますが、ここでは1人の医師が担当するエリアが広く、休みがとれません。当院は開業医の先生方を支援するため、在宅介護、在宅医療の後方支援病院として、在宅の患者さんが急変した際に入院治療を行うベッドを365日用意しています。

 また、当院の造語なのですが「生活支援入院」にも当院を使っていただいています。ご家族が在宅で患者さんを看ている場合、看護疲れなどがあったり、長期になると看護のやりかたが間違ってきたりすることがあります。生活支援入院では、ご家族の疲れをとったり、看護方法を改めて指導させていただいて、在宅の患者さんがより快適に生活できるようにしています。

 今後、この地域の健康を守るために何が必要なのか。個人の考えですが、地域の病院が結集して「東濃東部医療センター」のような大規模病院ができないかと考えています。まだ夢の段階ですが、リニア駅は構想実現に追い風です。山間部で高度医療を提供するために、ぜひ実現したいですね。

安藤院長の 寄り道、まわり道

●生家は、江戸時代から続く建築業者。20 歳まで薬学部に在籍するも、家庭の都合で中退。設備業などに従事したのちに医学部へ。

●出生時は重症仮死、幼児期にトラックにひかれたり、溺水で蘇生されるなどの経験から、病院は身近な存在だった。


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