医療法人清和会 平成とうや病院 院長 森孝志
平成23年3月、熊本市中央区にあった斉藤病院が南区に移転した。同年4月、清和会と斎藤会は法人合併し、名称を平成とうや病院と改める。市街地から病院の多い郊外に移転したことで地の利を得て、高度急性期病院や療養型病院との連携がより高まった。県内各地の患者を受け入れているが、国道57号線沿いにあり、市外からの見舞い客にとっては、以前よりも交通の便が良くなっている。
リハビリ室で川野邦彦事務部長(左)と。川野事務部長は医事課出身でデータの分析が得意。
病院外観。110床の病院とは思えないほど建物が大きい。大型家電量販店だった建物を改装し、病院にした。耐震補強などが施されている
平成とうや病院と改称し、一般病棟40床、亜急性期病床10床、回復期リハビリテーション病棟55床の合計105床で運営を始めて2年4か月が経過しました。11月1日に一般病床を4床、回復期リハビリテーション病床を1床増やしましたので、現在は、総病床数110床となっております。今回の増床により、急性期医療機関を中心にしたこの地域での医療連携に更に貢献できるものと考えています。
当院の主な役割は、急性期病院からの転院の患者さんを受け入れることだと考えております。熊本市の急性期医療は有名ですが、急性期の病院がその機能を十分に発揮するためには、常に空床を確保出来るように我々が協力することが不可欠です。そのために、急性期医療を終えたあと、亜急性期の医療や回復期リハビリテーションが必要な患者さんを当院が受け入れているわけです。以前、公的な病院で急性期医療をやっていたころは、救急車を断ることなく受け入れて、さらに高次の医療が必要となっても転送先が遠方のため搬送出来ずに自院で診る。また、近隣に受け入れ先の病院が少なく、退院で滞るということもよくありました。やや急性期に近い患者さんを受け入れることもありますが、原疾患が増悪した場合などでも気軽に紹介元に相談が出来るということは心強いですね。ですから、私どもの病院で急性期後の医療(Post-acute care) が出来ているわけです。
転院して来られる患者さんの中には、急性期の医療に近い患者さんや人工呼吸器を装着した患者さんから、慢性期に医療に近い方、90を過ぎた方まで様々です。急性期の病院にとってみれば、どの状況の患者さんであれ転院して自院の空床が確保されれば、次の急性期の患者さんを受け入れられる訳です。当院では紹介があった症例について、恒に迅速に受け入れる方向で検討しています。当院が素早く受け入れることによって、急性期病院のベッドを空け、急性期の医療を必要とする患者さんを受け入れられる環境を作ること。これが当院の役割であり、パートナーシップだと考えています。勿論、現在ではリハビリテーションを中心にして、転院して来られた患者さんにも満足していただける施設になっていると思います。