たえず変革し、常に擁護者として

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医療法人清和会 長田病院 院長 木下 正治

きのした まさはる 1983 久留米大学医学部医学科卒、1987 同大学院医学研究科修了、同医学部内科学第一講座専修医、1990 同第一講座助手、1994 同講師、1996 同医局長、1998 久留米大学病院呼吸器病センター外来医長、2002 医療法人清和会長田病院院長、2007 久留米大学医学部内科学准教授兼任

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医療法人清和会 長田病院 院長 木下 正治

 西鉄柳川駅前からバスに乗って柳川高校前で降り、そこから2キロほど歩いた。福祉巡回バスもあるが、初めての地でこれくらいの距離なら歩くのが手っ取り早い。柳川市は川下りが有名だ。長田病院への途中にそんな光景はなかったが、帰りに遠回りしてでも川下りの風景を見たいと思った。

―「創意と真心で日本一の内科病院になる」と表明していますね。

 小さいことでいいんです。ルーチンの仕事だけでなく、新しいことを見つけて改善する姿勢があればケアの内容も変わります。そこを先んじたいと思って、職員の心構え、病院のビジョンとして志を表明しているんです。

―敷地内に緩和ケア病棟があります。

 昨年建てました。高齢化に伴ってがんの患者さんが増えていますし、治療だけでなく緩和ケアも増加しています。その対応ができるようにと、4、5年前から取り組みを始めたんです。認定看護師もそろえ、在宅についてもがん患者さんが希望すれば、家で過ごせるような体制を取っています。

―緩和ケア病棟に入所する人に反発はないのですか。

 最初そのような方はおられますが、外来で充分説明して、部屋を見学してもらい、納得した上で入院してもらいますので、喜ばれることの方が多いです。

 がんと診断されても時間は残っているわけです。その間に自分の人生を見つめ直したり、いろんな人と関わって、互いに感謝しながら最期を迎えられる人は多いです。

 記念日にはいろんなイベントをやって、感動的な場面はよくあります。

 緩和ケア病棟の職員たちは明るいです。人は誰でもいずれ亡くなるわけで、家族やスタッフからは大切にされながら最期を迎えるという環境や雰囲気づくりをやっていますから、そこからやる気が生まれているんじゃないでしょうか。

―長田病院の強みとこれからの課題は何でしょう。

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 病院に入院できる人数は限られています。できるだけ在宅で過ごしてもらうための対応を広げていく必要性は認識しています。

 開業医との連携はありますが、住民のニーズに応える形としては不十分な面があり、行政や医師会との関わりも含めて模索しているところです。

 「地域応援病院」という言葉をキャッチコピーとして、住民の要望にどこまで答えられるかです。地域の中核的な病院が動かなければ進んでいかない場合が増えてくると思います。行政頼みではなく、どんなアクションを起こせばいいかと考えているところですが、もっと広い目で地域を見る必要があるでしょう。

―職員のモチベーションをどう高めていますか。

 病院で働いている人は大なり小なり志を持っています。人に貢献する気持ちを発揮できる環境を整えるのが私の仕事だと思っています。

 職員が人に尽くすために、プロの本領を発揮することで、自分と患者さんの幸せにつながるということです。

 新人には新人なりの大変さがあり、中堅には慣れによる停滞感もあります。研修に行ったり、資格に挑戦するほかに、当院は人事考課制度を採用していますから、上司との頻回な面接でフォローし、メンタルヘルスケアも外注に委託して対応してもらっています。ストレスマネジメントについては最近やりやすくなっています。

―仕事を通して得たものはありますか。

 そればっかりですね。患者さんをうまく治療できなかったことは心に残るんですよ。ずーっと何年も残ります。それを改善するにはどうすればいいかと考え、それが今に至っているわけです。

 反省が改善を促進することは、ほかの医師にもいっぱいあると思います。

 当院は日本医療機能評価機構の認定病院で、ほかにも経営品質賞に取り組んで、日本版医療MB賞(JHQC)のクオリティクラスSクラスの認証を受けています。日本にはそんなにありません。また、研究発表会などいくつかの仕組みを作り、イノベーションを進めています。

―気分転換に趣味などは。

 音楽が好きなので、院内で時々演奏会をやります。クリスマスの時とか私はフルートを吹き、バイオリンを弾く人もいますので、何人かで楽団を作って演奏します。

―その時の写真を紙面に載せませんか。

 いえ、それはちょっと。トナカイのかぶり物をしていますから...。患者さんにやってくれと頼まれたら断れませんからね。翌年にはおられないこともあるので、よろこんでやります。

―医師として将来の構想はありますか、老後とか。

 大学の時に師匠だった教授は、退職したあとアフリカに行ったんですよ、JICAで。貧しい国に2年くらい行かれたのかな。そこまではできないにしても、気力と体力があるあいだは、必要とされるところで役に立てればいいと思いますね。

―1階の相談窓口でとてもていねいに応対していた職員がいました。傾聴の研修を受けているのですか。

 アドボカシー医療と当院では言っているんですけど、相手の擁護者になるという立場に立っています。アドボカシー室は別室にありますが、来院された方の目にとまるように、病院の玄関を入ったところで相談を受けているんです。


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