医療法人尚和会宝塚リハビリテーション病院 田口 潤智 院長

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回復期リハビリの充実で地域の高齢者を支える

【たぐち・じゅんじ】 1982 愛媛大学医学部卒業大阪大学脳神経外科入局 1991 ドイツマックスプランク神経学研究所 1997 医療法人尚和会宝塚第一病院脳神経外科部長 2001 同副院長 2008 医療法人尚和会宝塚リハビリテーション病院院長

 兵庫県宝塚市では初めての回復期リハビリテーション病院として2008年に開設された宝塚リハビリテーション病院。

 最新のリハビリ機器を積極的に導入するなど、地域のリハビリ医療をけん引し続ける。

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◎回復期リハ病院の重要性から開設に至る

 宝塚市の人口は約22万5千人で、高齢化率は27.7%。兵庫県内の市町村の高齢化率の平均を若干上回るなど高齢化が進んでいます。

 当院は、「医療法人尚和会」のグループ病院です。もともとは1967年に宝塚市に開設された急性期医療を担う宝塚第一病院が、当グループの発祥の病院。

 高齢化が進む中、高齢の方を受け入れる施設が地域に少なかったこともあり、2001年には老人保健施設を核とした複合型施設「ケアヴィラ伊丹」(兵庫県伊丹市)、2005年には「ケアヴィラ宝塚」(兵庫県宝塚市)を開設しました。

 急性期の治療後のリハビリテーションによって在宅復帰率に差が生じることが分かってきたことから、グループとして、もっと急性期後の治療に力を入れようという方針を掲げ、宝塚リハビリテーション病院の設立に至ったのです。

 開院した2008年の11月には日本リハビリテーション医学会の研修施設として認定を受けることができました。

 病床数も開院当初は135床でしたが、翌2008年には156床、現在は162床に増床しました。

◎地元宝塚市以外から入院する患者さんも

 開設から現在まで、約6000人の患者さんが入院しました。ほとんどが、宝塚市と周辺に住んでいる方ですが、最近では北海道から沖縄までさまざまな地域から入院を希望される方が増えています。東日本大震災が起こった2011年には、震災を逃れて当院に入院した方もいました。

 遠隔地から入院する患者さんの多くがホームページなどで情報を得て来られる方です。六甲山系に囲まれた宝塚市という静かな環境にあって、在宅復帰率が約80%と高いことや、敷地内に湧く温泉を利用したリハビリなどが魅力になっているようです。

 屋上にはリハビリ庭園を設けていますので、景色を眺めながらの歩行訓練などもできます。

 病棟はすべて回復期リハビリテーション病棟で、2階から4階まで3フロアあります。3フロアすべてにリハビリ室を設けています。各フロアとも中心部にリハビリ室を配し、周りを取り囲むように病室があります。

 ワンフロアの中で入院生活が完結できるよう工夫を凝らしました。病室からリハビリ室までの距離が大変近く、入院している他の患者さんのリハビリを見る機会も多いため、自然にリハビリへのモチベーションも上がります。

 また、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を同一のフロアの同じ部屋に配置することで、フロアごとの情報の共有化がスムーズにいくようにしました。

◎ 90人を超えるスタッフ体制

 回復期リハビリテーション病棟は脳血管疾患や大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折などの入院が中心です。在宅復帰を目的としているため、患者さんのADL(日常生活動作)の能力を向上させ集中的にリハビリをします。

 スタッフの充実は欠かせません。医師は日本リハビリテーション医学会、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本整形外科学会の専門医。さらに、日本内科学会の認定医が常駐し、急性期治療を終えた後の入院患者の病態管理などに対応しています。

 セラピストの確保にも力を入れており、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士合わせて90人余りが24時間365日リハビリに対応します。

 併せて当院では、従来から実施されてきた運動療法、作業療法、言語療法といったアプローチによるリハビリに加えて、ニューロリハビリテーション分野にも力を入れています。

 ニューロリハビリとは、神経科学と連携したリハビリという意味。脳機能の損傷後の、神経機能の回復促進が大きな狙いです。

 最新のリハビリ機器の導入にも力を入れています。これまでにロボットスーツHAL、上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGo-J」を活用。さらに頭蓋骨外から磁気刺激を与える経頭蓋磁気刺激療法なども導入しています。

 当院の中谷知生・理学療法士は川村義肢とともに、リハビリ機器「T-Support」の開発も手がけました。

 これは、脳卒中による片まひの患者さんが、下肢に装具を装着して歩行の訓練をする際に、歩行補助具として一緒に装着するもの。体幹機能をサポートし、下肢を支える力を強化しますので、訓練の効果がより高まります。

 療法士は若い人が比較的多いので教育面も大切にしています。私は、療法士たちに「われわれの仕事は社会貢献という意味がある」ことをよく伝えています。患者さんが自分たちのリハビリによって回復していくという喜びによって、仕事のやりがい、そして満足感を感じてくれていると思います。

◎住民が安心して地域で過ごすために

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 国は地域包括ケアシステムの構築を目指しています。

 当院も、地域医療連携を進めていこうと、「脳卒中地域連携パス」や「大腿骨頸部骨折地域連携パス」にも参加しています。

 それによって、開業医の先生、ケアマネジャーの方などと共に地域で顔の見える関係を作りたいと考えています。

 われわれとしては、急性期の病院から早期に患者さんを受け入れ、リハビリを提供し、在宅につなげられるような切れ目のない連携を目指していきます。

 当院を退院後は、リハビリを受ける機会がなかったという方や「入院中の後半が機能的に一番良い時期でした」と言われる方もいます。

 そのような患者さんのことを知ると、当院としては地域の在宅支援にもっと深く関わらなければという思いを強くしています。

 現在は、退院後の患者さんに対する訪問リハビリを行っていますが、これに加えて、通所リハビリを開設する準備を進めています。

 当院の理念は「回復から復帰へ"その人らしさ"の生活を再建します」というもの。患者さんが安心して最善のリハビリテーションを受けることができ、住み慣れた地域での充実した生活を送ることができるよう、今後も力を尽くしていきます。「地域にとってかけがえのない大切な病院になること」を、職員とともに目指していきたいですね。

医療法人尚和会 宝塚リハビリテーション病院
兵庫県宝塚市鶴の荘22-2
TEL:0797-81-2345
http://www.takara-reha.com/


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