市立宇和島病院 梶原 伸介 院長

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「断らない救急」を掲げ地域の急性期医療を担う

【かじわら・しんすけ】 愛媛県立大洲高校卒業 1976 徳島大学医学部卒業 愛媛大学医学部研究生 愛媛県立今治病院 1977 愛媛大学医学部附属病院医員(研修医) 1978 愛媛大学医学部附属病院助手 1979 町立津島病院 1980 市立宇和島病院 1982 愛媛大学医学部助手 1984 市立宇和島病院 1994 同心臓血管外科科長 1997 同外科科長 1999 同副院長 2003 同副院長兼診療部長 2010 同院長

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◎ドクターヘリ運用

 愛媛県は2月1日からドクターヘリの運用を開始しました。当院では、まだ運用実績はありませんが、県の集計では5件(2月28日現在)。今後、増えてくることは間違いありません。

 当院にはヘリポートがあり、以前から防災ヘリで患者の受け入れをしてきました。ですから運用に関する不安はまったくありませんね。またドクターヘリは医療に特化しているので、防災ヘリよりも使い勝手がいいのもメリットです。

 県内でヘリポートを設置している病院は当院のほか、愛媛県立中央病院(松山市)と市立八幡浜総合病院(八幡浜市)です。

 当院は南予地域の急性期の患者さんの受け入れを担っています。救急車だと1時間ぐらいかかる地域の患者さんも、ヘリを使えば10分程度で搬送可能です。

◎災害への備え

 災害拠点病院に指定されています。2009年に病院を新築した時に免震構造を採用し、災害への備えは万全です。免震構造なので、低層階にいると多少の揺れがあっても気付きません。

 唯一の懸念材料は津波対策です。5m以上の高さの津波がくると、電源のある地下部分が浸水してしまいます。もちろん密閉して水が入らないようにしていますが、一抹の不安はありますね。ただ、院内に予備電源をたくさん設置しており、すぐに病院機能が損なわれることはありません。

◎開かれた病院に

 災害時の食料は3日分備蓄しています。当院では毎年10月に健康フェスティバルを開催。そこで、期限切れ間近になった食料300食を地域住民に無料で提供しているのです。

 ほかにも有名人による講演会、DMATの訓練公開、ハワイアンフラダンスの演舞、骨密度測定、血管年齢測定、医療体験企画などバラエティー豊かな催しです。毎年約400人の方々にきていただいています。

 「地域に開かれた病院でありたい」との思いで院長に就任してから始めた取り組みです。今後も続けていきたいですね。

◎病院経営

 ある女性週刊誌が特集した「自治体病院の収益ランキング」で、当院は全国7位になりました。
職員一人ひとりのがんばりの賜物(たまもの)だと思います。
看護師さんも人数が少ないながら、とても頑張ってくれています。
現在、看護体制は10対1ですが、いずれ7対1にしたいですね。そうすれば、さらに収益が上がるでしょう。
ちなみに人件費比率は42%。自治体病院で、この数字は驚異的だと思います。

◎チーム医療

 当院は1910年(明治43)年創設とたいへん歴史がある病院です。長い歴史の中で各職種が助け合う風土が醸成され、ことさら意識せずともチーム医療が構築されていると言えます。

 忙しい毎日ながら、それぞれが業務を分担して協力しあっています。これも職員一人ひとりに「地域の医療の中心を担わなければ」という高い使命感があるからでしょう。

◎きさいやネット

 地域の救急を担い「断らない救急」を掲げています。年間約3500台の救急車を受け入れ、応需率は97.1%です。

 地域住民にとって当院は「空気や水」と同様、あって当然の存在です。

 都会では救急車のたらいまわしの事例があるようですが、この地域では考えられないことですね。

 県内でも松山市内には急性期病院がたくさんあります。しかし、この地域の急性期病院は当院のみです。だから、これまで以上に地域の病院との連携を深めていく必要があります。

 私たちは「きさいやネット」というICTを用いたネットワークシステムを構築しています。

 これは当院の患者さんの電子カルテをかかりつけの先生が閲覧できるシステムです。患者さん、医療者双方にメリットがあり、現在のアクセス数は月に1000件ほど。このシステムのおかげもあってか病診連携が、とてもスムーズですね。

◎魅力を発信

 来年は研修医がフルマッチ。救急でファーストタッチができることが魅力のようです。

 当院について知ってもらうために毎年、愛媛大学医学部の4、5年生を対象にしたバスツアーを開催しています。当院の初期研修医との懇親会や希望診療科の見学などをしており、毎年20数人の学生さんが参加してくれます。

 病院の魅力を積極的に発信していくことこそが人材確保においては重要だと思うのです。

◎外科医として

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 日本で腹腔鏡手術が始まったのが、1990年、当院はその翌年の1991年から始めました。いわば黎明(れいめい)期に腹腔鏡手術に携わったことが、外科医としてのターニングポイントになりました。

 胃がん、食道がん、大腸がんの術式を確立し、数多くの腹腔鏡手術をしてきました。院長になった今でも週に3回手術をしています。昨日も食道がんの手術をしました。明日は大腸がんの手術です。

 院長になる前は毎日手術をしていて、午前9時から午後9時ぐらいまで手術室にいました。手術中は何時間立ちっぱなしでも全く疲れません。アドレナリンが出て、モチベーションが高い状態で手術をしているのでしょうね。

 若い医師には一歩一歩の積み重ねが大事だと言っています。少しずつでもいいので、日々前進することが何よりも大事なのです。

 それを続けていくと10年後、20年後には自分でも気が付かないうちに高みに到達していることでしょう。

市立宇和島病院
愛媛県宇和島市御殿町1-1
TEL:0895-25-1111
http://www.uwajima-mh.jp/

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