職員全員の志が遂げられる病院にしたい

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国家公務員共済組合連合会 広島記念病院 宮本 勝也 院長

宮本 勝也(みやもと かつなり)1978 修道高等学校卒業 広島大学医学部入学 1984 広島大学医学部卒業 同第一外科入局1985 県立広島病院小児外科赴任 1987 広島大学医学部第一外科帰局 1992 米国ミネソタ大学留学(短期) 1994 広島記念病院外科着任 2000 同麻酔科医長就任 2006 同手術室医長就任 2008 同消化器外科・内視鏡外科医長就任 2013 同診療部長就任 2014 同副院長就任 2015 同院長就任 ■資格・所属学会:医学博士、広島大学医学部臨床教授、日本外科学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本内視鏡外科学会、日本臨床外科学会、日本クリニカルパス学会、大腸癌研究会、大腸肛門病学会
■研究会:日本クリニカルパス学会評議員、中国四国外科学会評議員、中国四国内視鏡外科研究会世話人、広島クリニカルパス研究会常任幹事

 1947(昭和22)年に戦災者の救護のため開設された後、国家公務員共済組合連合会の直営病院となり現在に至る広島記念病院。

 今年4月から院長を務める宮本勝也院長に抱負を聞いた。

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◆新院長に就任して

 消化器外科医として1994(平成6)年から当院に勤め、21年目の今年4月、院長に就任しました。

 前院長の中井志郎先生からは、手術に対する熱意、先進的な技術も果敢に取り入れる姿勢、若手に手術をする機会を与えてくださる器の大きさなど学ぶことばかりでした。

 医療の世界に入った志を職員全員が達成できるような病院にしていきたいと思っています。

◆運営方針

 中規模の急性期病院は、厳しい現状にあります。2025年問題に向け、政府は7対1看護の基準を厳しくし、急性期病院を減らす政策を展開しています。

 当院も今年度から急性期病棟4病棟の1つを地域包括ケア病棟とせざるをえませんでした。

 政府の方針として「機能分化」「連携」「在宅医療の充実」という3本柱が打ち出されています。

 当院では「消化器なら広島記念病院」と言ってもらえるように専門性を前面に出した医療を提供したい。そのために来年度をめどに消化器センターをつくることができればと考えています。

 また、地域包括ケア病棟を通じ、入院から在宅へ戻るまでの手助けに力を入れ、この2本柱でやっていけたらと思っています。

◆教育環境

 当院は腹腔鏡手術に力を入れており、若い医師にもチャンスを与えています。「手術をたくさん経験できる病院」という点で魅力があるようです。

 昨年の大腸がんの手術症例数は広島市内3番目の160例でしたが、医師1人当たりの手術症例数では最多で、若手が経験を積むには最も恵まれた環境と言えます。

 若手には、先輩の手術を近くで見ながらその心技を「盗む」ことの大切さを感じてほしいです。

 看護師も一生懸命で、学会・研究会の活動や認定看護師の資格取得なども病院が補助金を出し支援しています。

◆伝える力

 高齢者を含め、患者さんに分かるように説明をするということをいつも心がけています。それは、医師として当たり前のことであり、コミュニケーションがとれないと仕事ができません。

 患者さんへの告知について、正直に言えばなかなか厳しいことは言いたくはないのが本音です。でも、伝えなければならないことがあります。数字を伴うことは、できるだけソフトに、でも現実を意識してもらえるように告知ができればと思います。

 病院としても、市民公開講座を開催しています。年6回、さまざまな先生方に講師をお願いし、一般の方に医療や健康の情報を伝えています。

 6月の講座では、「疑問を解決!安全な腹腔鏡手術」と題し、私が講師を務めました。腹腔鏡手術に対する誤解を解き、正しく理解してもらう機会にできたのではと思っています。

◆日本の医療技術

 大腸がんのステージに応じた生存率をみると、手術単独(抗がん剤を上乗せせず)で欧米と比較した場合、日本の方が約10%高い。つまり、手術の技術が違うんです。

 私が1992(平成4)年に、アメリカのミネソタ州に3カ月ほど留学していた時は、大腸がんの手術はリンパ節郭清をしておらず、良性疾患と同じ腸切除しかしていませんでした。日本では大腸がんを含め根こそぎひとかたまりで取り除く。そういう伝統のある手術がずっとされてきているわけです。

 日本人は「紙一枚を触り、その厚さが分かる」いう匠の技もあるように細やかで、そこが手術力にも表れているように思います。

◆地域連携

 開業医の先生方との関わりが強く、紹介していただいた患者さんを手術し、お返しするということをていねいに続けています。

 胃がん・大腸がんの術後の「クリニカルパス」については、当院はずっと前からやっています。前院長の中井先生から「連携パス委員長として、半年後に結果をある程度出しなさい」と命ぜられたのが14年前。パスが全国でもまだあまり始められていなかったころです。

 その年の連合会の中の「共済学会」のシンポジウムのテーマが「クリニカルパス」で、そこに半年分のデータを出したことを、今でも懐かしく覚えています。

◆医師の原点

 患者さんが「自分の親」だったらどうするだろうか、と考える気持ちを忘れてはいけないと思います。それが医者としての原点だと思っています。


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