年頭所感
あけましておめでとうございます。皆さまには健やかに新しい年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
また、日ごろから本県の保健医療介護の向上に日夜ご尽力いただいておりますことに感謝申し上げます。
さて、年末から寒い日が続いていますが、昨年の夏は記録的な猛暑となり、高齢者を中心に熱中症による救急搬送が急増しました。また、百歳を越える高齢者の所在不明が各地で問題となるなど、高齢化の進む社会にあって高齢者を守っていくことの重要性をあらためて思い知る一年でした。
高齢社会が抱える新たな課題として、認知症への対応があります。認知症は、早期に発見・対応することで重症化を防止でき、また周囲の支援により穏やかに暮らしていくことも可能になります。
このため、早期診断の推進と適切な医療の提供、認知症ケアの質の確保・向上、地域における支援体制の構築など、幅広い観点から具体的な検討を進めたいと考えています。
高齢化の進展や社会保障費の増大などにより、社会保障を取り巻く状況は大きな変革期を迎えています。
厚生労働省は昨年末に「社会保障検討本部」を設置し、社会保障改革の具体案作りに着手しています。また、政府・与党は今年の6月に税と社会保障の一体改革案を公表することを決めています。
さらに、高齢者医療制度の見直しとそれに続く国民健康保険全体の改革について議論を進めており、都道府県には、これまで以上に重要な役割を担うことが求められています。県としても、しっかりとした医療制度が確立されるよう、国に対し積極的な働きかけを行っています。
このような大きな変化への対応とともに、県では、着実に保健医療介護のサービスの確保、質の向上を図ることが重要と考えています。
医療体制では、県民の安全で安心な生活を守るため、地域における救急医療等を担う医師の確保に取り組むとともに、小児医療、へき地医療など地域医療の体制強化や災害医療の核となる災害拠点病院の耐震化などを積極的に進めています。
また、躍進目覚ましいアジアの成長エネルギーを取り入れ、わが国を牽引する新成長拠点を目指す「福岡・アジア国際戦略特区」を推進しています。医療分野においてもアジアからの外国人患者の受け入れを促進して、福岡県がアジアの高度医療の拠点となることを目指してまいります。
医療保険では、国民皆保険を将来にわたって持続可能なものとすることが重要です。本県の一人当たりの高齢者医療費は全国で最も高い状況が続いています。特定健康診査や特定保健指導の推進、ジェネリック医薬品の普及促進など、皆さまとともに今後も医療費の適正化に取り組んでまいります。
さらに新型インフルエンザ、難病や肝炎、うつやひきこもりなどの精神保健への対応など、多くの課題を抱えている保健医療介護分野でありますが、これらの課題は行政だけで解決するものではなく、多くの保健医療介護の関係者の協力を必要としています。引き続き本県の保健医療介護分野の充実強化にご協力をよろしくお願いいたします。
最後になりましたが、本年も皆さまにとり良い年でありますようにお祈り申し上げます。