医療法人社団緑成会 横浜総合病院 平元 周 理事長・院長

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"よりよく生きる"をともに考える病院に

【ひらもと・まこと】 1979 弘前大学医学部卒業 聖路加国際病院レジデント 1982 北品川病院脳神経外科 1989 横浜総合病院脳神経外科副部長 1992 同脳神経外科部長・救急部長 2004 同院長 2006 医療法人社団緑成会理事長

 「患者さんとの出会いを大事にしたい」。自身の生い立ちから、医者の存在意義について思いを巡らせてきた平元周院長。地域住民の安心を守る中核病院として、人生の最期についても話し合える病院でありたいと語る。

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―院長として15年目を迎えました。

 ここへ来て30年、紆余曲折がありました。救急専門医、脳外科専門医として断らない医療を進めようとしても、なかなか難しい。思い余って辞職を決意するも結局、残ることに...。再編のさなか、院長も副院長も去りました。結果、いきなり院長の役目を負うことになったのです。

 私は北海道の利尻の出身。無医地区で育ち、「医者はとてもありがたいもの」という感覚がありました。医者になって利尻に戻るつもりが、道立病院が閉鎖となり、かなわなかった。それなら、縁あって行く場所で、地域のためにできる限りのことをしたいと思ったのです。

 それからは、思い描いた医療を少しずつ実践しました。患者さんの願いは、症状をコントロールしてほしい、十分な説明をしてほしい、親切なもてなしを受けたい、ということ。まずそこから始めようと職員と協力しました。

 救急も積極的に取りました。今は365日24時間体制で、脳外科と循環器、整形と内科は毎日、外科は2日に1日、当直を置いています。産婦人科には内視鏡の技術認定医が4人在籍。当院ぐらいの規模としては、まれなケースでしょう。

 もう一つのトピックは認知症。ここ青葉区は、男性の平均寿命が日本一、女性も8位という長寿地域。そんな土地柄もあり3年前に認知症専門医を招いて専門医療を進めてきました。2年前には、駅前に検診部門をオープン。自分の両親が認知症で、気付くのが遅れて苦労したので、早めの発見、適切な治療につなげられたらと思っています。

―チーム医療で重視していることは。

 それぞれの専門力を引き出すことです。例えば、病棟内では薬剤師の役割を大きくしています。抗生剤に関しては医師より詳しいことも多いので、感染対策は薬剤師に任せる。医師に意見を言い、指示の代行もします。リハビリも同じ。入院したらまずリハビリスタッフにつないでいます。

 地域医療総合支援センターを核に、地元に根付く努力も続けてきました。高齢者世帯が多く占める時代。慣れた場所で安心して住み続けるために、専門職の必要性はより増してきます。医師や栄養士、薬剤師にも地域に積極的に出るようにしてもらっています。

―これからの医療でかなえたいことは。

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 気になるのは、「亡くなる場所」と「亡くなり方」の問題。現在、国内では年間130万人ほどが亡くなっていますが、160万人になったときにどうなるのか。例えば脳卒中の患者さんが食事を取れないとなると、病院は在院日数短縮のため胃ろうなどをつくって退院、転院させることが多い。本当にそれでいいのでしょうか。

 私が患者さんの家族に言うのは、「患者さんがこの状態で幸せだと思っているでしょうか。ご家族が患者さんの立場なら幸せでしょうか。ご家族がこの状態を見て幸せそうだと思えるでしょうか。この三つを満たすなら何でもやりましょう」。逆に本人も家族も延命を望まないときは、点滴や経管を減らすことを考える。ケアだけして、治療をしない病院があってもいいと思うのです。

 横浜市では「人生の最終段階の医療に関する体制整備検討委員会」で話し合いが進んでいます。私も委員です。自分がどんな治療を受けたいか家族と話し合っておくことはますます大事になってきます。どう生きるか、どう最期を迎えるか―。地域の方々と一緒に考えていきたいテーマです。

医療法人社団緑成会 横浜総合病院
横浜市青葉区鉄町2201-5
TEL:045-902-0001(代表)
https://yokoso.or.jp/


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