VOL.5 駐在生活は歯が命!健康な歯を維持せよ
前号まで、海外での駐在生活においての病気やケガの際の医療費は会社が負担してくれるからお金の問題はノープロブレム!と、さも金銭的には天国のような紹介をしていましたが、実は地獄もあるのです...。
そう、それは歯! 駐在員&家族にとって歯科診療だけは避けて通りたい道なのです。その恐怖&実情を今回お話しさせていただきます。
バンコクでは、日系の歯科医院やクリニックが多数開院していて、日系フリーペーパーを開けば広告だらけ。選択肢も多く、クリニック選びには難儀しません。
また、ほとんどの日系歯科医院では、日本語通訳のスタッフが常駐。治療時はタイ人先生の傍らで治療状況を通訳してくれ、安心して通院できるのです。ここまでは何の問題もありません。が、治療後が恐怖なのです。
まず、わが家で最初にその恐ろしさを体験したのは、夫でした。海外駐在4年目にして突如痛みだした奥歯。近所のクリニックへ2カ月ほど週1回通院していました。
私はその時すでに予感がありました。治療費の自己負担の恐怖が!
海外に滞在中の病気やケガの場合は会社の海外医療保険で対応してくれますが、歯科治療だけは会社の負担3割ほど(※治療内容により負担の割合は異なる)しか補助がありません。
しかも、海外での受診は自由診療。いくら会社が3割負担とはいえ、自腹の支払いは日本では考えられないほどの高額なのです。
2カ月の通院が終わって夫が貰ってきた請求額は...トータル約20万円!
「なんでそんなに!?」と訊ねると、「神経治療が2本、初期虫歯の治療1本、で親知らずもついでに抜いた」と夫。「親知らず?そんなの日本で抜いとかんかーい!」と、夫の歯の完治を喜ぶより、自己負担額約16万円に対する驚きと悲しみが一気に押し寄せたのでした。
ところが、その1年後に私の奥歯にも激痛が!
前回の恐怖の請求をふまえ、すぐに違う歯科を受診しました。
幸い神経治療まではいかず中期虫歯治療だったのですが、それでもいくら請求されるのかビビっていたら、お会計はなんと6千円。さらに現金払いや日本人会会員で10%割引できますよ、とお得なサービスもあり、なんとも拍子抜け。
日本でも虫歯の進行状況により治療費は異なりますが、海外は治療費の差が激しいのだなと改めて勉強になりました。とはいえ、やはり自己負担は辛すぎるので、海外で虫歯にはぜったいなるまい!と固く心に誓った私でした。
山崎千代美...フリーエディター。福岡で情報誌の編集に携わり2012 年に渡タイ。現在は在タイ日本人親子向けのフリーペーパーで子育て情報を発信中(https://www.facebook.com/nico2labo)。9 月に福岡~バンコク間のLCC の路線が廃止になったのを受け、復活を目指し勝手に福岡親善大使としてがんばっています。