生き残りをかけて

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尾道市立総合医療センター 尾道市立市民病院 土本 正治 院長

■経歴 1969 広島大学附属福山高校卒業 1975 岡山大学医学部卒業 1976 同脳神経外科入局 1977 姫路中央病院脳神経外科 1978 岡山大学医学部脳神経外科 1980国立循環器病センター脳神経外科レジデント 1981 岡山大学医学部脳神経外科 1982 公立周桑病院脳神経外科医長 1985 尾道市立市民病院脳神経外科医長 2003尾道市立市民病院副院長 2015 尾道市立市民病院長
■資格 日本脳神経外科学会専門医・代議員、日本脳神経外科コングレス評議員、日本静脈経腸栄養学会専門医、NPO 備後脳卒中ネットワーク理事

 この4月に就任した尾道市立市民病院の土本正治院長。11年にわたり副院長を務め、この病院の変遷を見つめてきた。新院長となり、その思いは。話を聞いた。

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―副院長から院長になって3カ月です。

 当院は1983(昭和58)年に当地に新築移転し、すでに32年になりますが、副院長から院内昇格で院長になったのは私で2人目。外部から院長が来るかもしれなかったので、来たらしっかりサポートしようと思っていました。

 仮に、誰も来ないのならば私になるだろうから、これまでの病院管理の経験を生かしてやっていこうと。2月半ばに内示が出て、やるしかないと、決意を新たにしましたね。

 今は院長職と脳神経外科医としての仕事を並行でやっています。院長としては号令をかければ後は周りが動いてくれますし、脳神経外科の方は後進がしっかり育っているので、手術ではほとんど助手ですよ。

―目指す病院の姿は。

 まずは、生き残らなければなりません。この地区には総合病院が2つ。救急にしても、その他の診療にしても、どちらがなくなっても困るんです。

 当院は、ここ数年黒字経営で来ていましたが、昨年から赤字になっています。売上が上がっているのに、赤字部分が増えている。消費税増税などの影響があり、厳しいですね。でも、それが分かっていて院長を引き受けました。何とかしたいと思っています。

 一番大切なことは、やはり医師の確保でしょう。研修医制度が変わり、医局制度も崩壊。医師は都会、県庁所在地に偏るようになってしまいました。

 本来、病院内の医師の数は、若い医師が多く、年齢が高くなるにつれてだんだんと減っていくピラミッド型が理想です。でも当院の現状は逆三角形。今いる医師の三分の一は10年以内に定年退職でいなくなってしまうと予想され、さらにその分の人材を補充できない恐れもあります。

 診療科を減らすことは考えていません。いらない診療科はない。なくすわけにはいかないんです。非常勤でもいいので医師を確保し、科を維持していくことが必要でしょうね。

 医師の定年制をどうするかという問題もありますし、大学とのルートを見つけながら、女性医師の獲得も模索していきたいと考えています。

 また母体が同じである公立みつぎ総合病院とは、今後、すみ分けを進めなければいけないでしょう。人事交流も検討すべきだと思います。

―看護師など他のスタッフ確保にも苦労していますか。

 医師以外の確保には苦労していないんです。産休、育休の制度がきちんとして、24時間対応の院内保育所もある。定年退職で辞める人の分も十分採用できています。

 しかも皆さん勉強熱心で、離職率も低い。誇りです。

―全国で「地域包括ケア」が盛んに言われています。

 尾道市医師会が在宅を一生懸命やろうと取り組みを始めたのが1990年代。当院も、一緒にやってきました。それが、全国的にも知られている「尾道方式」です。

 私たちは、なるべく早く患者さんを在宅に返す。でも、自宅や施設で急変した場合にはきちんと受け入れる。開業医の先生と病院とが一緒になって取り組むチーム医療が出来上がっているんです。狭いエリアの中にコンパクトな医師会があり、病院との連携も役割分担もできています。風通しもよく、とてもやりやすい環境です。

―生活習慣病の予防にも力を入れていると。

 当院には、生活習慣病のリスクが高い患者さんを総合的に診る血管診療センターがあります。

 狭心症、脳卒中、糖尿病、閉塞性動脈硬化症などの生活習慣病を防ぐために、循環器科、脳神経外科、内科が連携し、医師や看護師だけでなく管理栄養士なども一緒にカンファレンスや指導をしています。

 すでに生活習慣病がある人も、別の病気を予防できますし、臓器別で診療するより見落としもなくなります。今後は行政と組んで、検診での生活習慣病予備軍の拾い上げや、データを共有できる体制づくりを進めていけたらと思っています。


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