高知大学医学部附属病院 第2病棟
本紙でも既報の通り、昨年11月に高知大学医学部附属病院の第2病棟が完成した。同病院は4月1日の運用開始に向け、去る3月7日、新病棟の完成記念式典と祝賀会を開催、地域住民向けの内覧会も行なわれた。
【高 知】同病院では、2011年に開院30周年を迎え、再開発プロジェクトを本格的に始動させた。プロジェクトには総工費約160億円を計上し、9年間を3ステージに分けて実施、2019年の完成を目指す。
新病棟(第2病棟)建設計画は、プロジェクトの第1ステージとして2011年に実施設計が始まり、2012年1月に着工。
災害拠点病院として免震構造を備え、従来より設備していた自家発電装置に加えて予備の自家発電装置も配備した、延べ床面積1万8514㎡の7階建に264床を置く。
新病棟には災害に備えた屋上ヘリポートも新設している。ヘリポートから地上までを結ぶスロープは被災者運搬を想定した。また、急性期医療や周産期医療に備えた設備も充実させており、手術室を広げて最新の大型機器を導入、高度な手術にも対応する。
今までの3倍の広さで重症患者の搬入に備えた集中治療室(ICU)は、ベッド数を12床に増床。入院患者の利便性にも配慮し、102室の病室のうち61室を個室として高度医療に備えた。
完成記念式典では、来賓として文部科学省・森政之整備計画室長と尾﨑正直高知県知事が参列。あいさつに立った横山彰仁病院長は、新病棟のミッションとして、①周産期を含めた急性期医療の充実。ヘリポート設置。ICU、NICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児回復治療室)の増床、②患者さんのニーズに応えた利便性の向上(一人あたりの床面積増、個室増)、③教育・研究の向上、④大規模災害への備え、の4点をあげ、さまざまなニーズに配慮した次世代型病棟であることをアピールした。
さらに、新病棟完成が高知大学病院の再開発事業の一端であることにも言及し、「再開発の第一ステージが終了した。2018年度の事業終了は高知大学医学部附属病院の再スタートとなる」と述べた。
横山病院長は本紙3月号において、県や市に対して周辺地域の整備を要請していることを明らかにしている。大学病院を中心とした医療関係者が居住する住宅街が実現すれば、災害に強い病院としての機能がさらに強化されることが期待される。