すべてを1人でこなさず、分業で。

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医療法人 堺整形外科医院 理事長 堺 研二

堺 研二 1962 年生まれ。51 歳。産業医科大学卒業。2年間の研修を経て、関節鏡のパイオニアである陳永振博士に5 年間(1993 年~ 1998 年)師事する。その後福岡で3年間の勤務医を経て、2001 年に堺整形外科医院を開業。2006 年新たに福岡スポーツクリニックを開業し365 日診療を始める。2011 年から日祝以外は昼休みなしで診療。

 堺整形外科は大きなグループだという印象がある。1日200人ほどの外来が訪れるそうである。19床のクリニックになぜそれほどの人が訪れるのか。その秘訣を堺理事長に聞いた。

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医療法人 堺整形外科医院 理事長 堺 研二

 産業医大を卒業して2年は内科の研修を受けていました。その後東京に行って関節鏡のパイオニアである陳永振先生と知り合いまして、弟子入りし、整形外科医を志しました。でも5年ほどして母の体調が悪くなったので、一番面白い盛りだったのですが九州に帰郷しました。東京では開業なんか考えもしませんでしたし、この時に帰らなければ、まったく別の人生だったでしょうね。

 帰ってきて3年は勤務医でしたが、平成13年にビルクリニックを開業しました。8年前に今の建物を建てました。私の兄は25年ほど前から、福岡市南区で整骨や鍼灸などを経営しています。私が管理しているのは、堺整形外科医院(福岡市南区)と、今年香椎(福岡県東区)にオープンしたクリニックだけです。

南区の立体駐車場は兄の施設と合同で使っていて、駐車場全体では100台ほど駐車できます。

 堺整形外科医院は19床で、働いているのは140人くらいです。緊急のために2床ほど空けていますので、平均して17床が常に使われています。残念ながら母にこの医院を見せることは出来ませんでしたが、見たらきっと驚いたでしょうね。

 医院を建てた時、手術室にはこだわりました。当初、医師は私1人の予定でしたが、手術室は2室。次の手術の準備を隣の部屋で行なえるわけです。東京で師事した先生は1人で開業されていましたが、手術室を3室お持ちでした。私もそれが理想だとは思いましたが、2室でも無駄は少なくできます。

 当院で手術しているのは主に膝から下と、肘から先だけです。

 今の場所に移ってからは年中無休で開院しています。今は人員がいますから、日祝以外は昼休みの時間も開けています。

 当初は私一人でやり、まったく休んでいませんでした。気合だけでやっていましたから、3か月でさすがにダウンしました。ちょうどそのころ、幸いにも常勤医を雇うことが出来て続けられました。今はスタッフが増えましたから、ドクターも含めて全スタッフ週40時間制が守られています。

 当院では特別なことや、新しいことをやっているわけではありません。ただ、考えられることは何でもやっている。他院がやっている良いことは、何でも取り入れる。すぐに出来ないことでも、意識しておく。医療はサービス業ですから、患者さん本位のサービスをなるべくたくさん提供することを考えていたら、次第に患者さんが増えてきたというところです。2年ほど前から、スタッフ教育はシステマティックにやるようになりました。その効果も出ていると思います。

 10年ほど前、私より10歳以上若い事務長を雇った時、相当な覚悟で腹をくくりました。彼が定年するまで面倒を見なければならないと思ったからです。そうした時、私が仮にいなくなっても医院が運営可能な組織を作らないといけないと思いました。それで組織を大きくせざるを得なかったのです。

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写真上=右は堺整形外科医院、正面奥が立体駐車場。左側は理事長の兄が経営する整骨院の敷地。
下=理事長補佐の荒木さんは、元々は理事長の兄のスタッフで柔道整復師。秘書は別にいるが、医療や現場を知る荒木さんが事務を行なうことも、理事長の強みの一つ。理事長のメニュー(糖質制限)で、過去に半年で30kg 以上の減量に成功もしているそうだ。

 私が短時間で今の規模の組織が作れた理由の1つは、自分の役割を減らしていったからだと考えています。極力医師としての仕事に専念できる体制作りです。医学的緊急性のある問題以外は、直接私には話してはいけないことになっています。それぞれの部署の責任者が判断できることは判断して、私に話さなければならない内容だけを話してもらっています。何でも私が判断するのでは非効率ですから。外部の人が直接私に話をすることはできません。今回の取材依頼も、理事長補佐の荒木がまず受けるかどうかを判断しています。開業医は一人で何役もこなす人が多いですが、分業の方が効率的です。

 これから開業する方に言いたいのは、医師一人ではやらないこと。同じ地域に同じ診療科の医師が別々に開業するよりも、その2人が一緒に開業した方が地域の方には便利です。2人が交互に診れば、365日診療することや、診療時間を長くすることも可能だと思います。当院の経験では、常勤医2人、週1日の非常勤医師が5、6人、看護師は常勤10人非常勤10人、放射線技師常勤3人、理学療法士は常勤4人。このくらいの人数がいれば、19床のクリニックは無理なく回ります。ようやく、無理や無駄のないスタッフの配置や人員募集の仕方などのノウハウが分かってきました。私の開業のシステムを日本中に広げることが夢です。

 スタッフのほとんどは30代以下で、20代が一番多いですね。みんな仲良く、サッカーが好きなスタッフが多いです。元川崎フロンターレのチームドクターも勤務しています。

 兄が経営する整骨院や鍼灸院と合同で、毎年グランドハイアット福岡で忘年会をやります。競い合っていますから、忘年会の余興はみんな気合を入れていて燃えています。当院の整形外科の部署は、お盆前から練習しているんですよ。今年は全体で450人を超えて参加すると思います。


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