【福岡】早良区野芥 にのさかクリニックで発起人会
「校舎が完成するまでの2年間と学生がそろうまでの4年間、合計6年ほど支援し、その後は現地で運営する」。
4月22日、にのさかクリニック(二ノ坂保喜院長=福岡市早良区野芥)に医師や看護関係者、地域住民など25人が集まり、バングラデシュに看護学校を建設するプロジェクトが正式発足した=写真。今後6年間をメドに寄付金8千万円を集め、現地訪問やイベント活動なども続ける。
活動の主体となるのは福岡市早良区西新に事務所を置くNPO法人「バングラデシュと手をつなぐ会」(二ノ坂保喜代表)。
同会は1989年に、バングラデシュ西部カラムディ村の小学校支援がきっかけで発足、現地NGOと協力して1995年母子保健センター(現在はションダニ病院)を建設し、現在も運営を支えている。現地NGOはさらに、隣のガンニ市に学校を建設、小学校、中学校、高校と拡大し、国の将来をになう人材育成を目指している。
4年制の看護学校を作る意義について二ノ坂代表は、「バングラデシュの人口は日本より多いのに医者は日本の1/5、看護師は1/50に満たず、カラムディ村のある県には看護学校が1校もない。プロジェクトによって女性の仕事が増え、自立することができれば、家族の中で女性が自己決定できるようになる」と話す。
バングラデシュでは女性の地位が低く、農村部での児童婚(18歳未満)は7割ほどだという。
22日の発起人会では福岡県立大学看護学部の山崎律子准教授と糸島医師会病院の医療ソーシャルワーカー小畑麻乙さんが現地の状況を説明、参加者からバングラデシュの看護師認定制度や教育方法について質問があり、 太宰府市の大学で社会学講師を務めるバングラデシュ人、ラフマン・モクレスールさんが返答した。
会の副代表で、グループホームを営む春日市の平山正明さんは「大きな支援団体はないが、皆さんの好意で実現すると思う。会報の発送やイベントの補助など、自分にできることで多くの人に参加してほしい」と話している。
TEL:092(872)1136(看護学校建設プロジェクト)
TEL:092(844)1369(バングラデシュと手をつなぐ会)
■募金は
西日本シティ銀行西新中央支店(普通)011・1959529名義=特定非営利活動法人バングラデシュと手をつなぐ会 看護学校プロジェクト
5階建て校舎で毎年25人の看護師とメディカルアシスタント75人を養成
- 人口:1億4千800万人
- 平均寿命:男61.46才
女 61.2才 - 識字率 52.5%(15歳以上)
- 就学率 85.5%
- 医師51,993人
- 登録看護師25,018人
(内、助産師23472人を含む) - 看護師教育機関
国立系専門学校:38校
私立系専門学校:5校 - 5歳未満の死亡率(出生1000人当たり)
バングラデシュ52人 日本3人 - 妊産婦死亡率(10万人当たり)
バングラデシュ340人 日本6人 - 児童婚(2000−2009)
20~24歳の女性のうち18歳より前に結婚、 もしくは事実婚状態になった比率
全体66% (都市53%,農村70%)
婚姻状態にある15~19歳女子の割合46% - 出産前のケアが行われている比率(%)
最低1回:51% 最低4回:21% - 出産時ケアが行われている比率(%)
専門技能者が付き添う出産 24%
保健施設での出産 15%
帝王切開 8% - カラムディ村のあるメヘルプール県の看護師数
◎個人経営の診療所・病院の病床数計260床に対して正看護師はたった16人!⇒あと156人の正看護師が必要
◎国立病院100床に対して正看護師43人⇒あと36人の正看護師が必要