広がるICT医療現場へ

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 超高齢社会、在宅移行、医師の偏在、限られた医療人材の有効活用など、さまざまな側面からICT(情報通信技術)を活用した遠隔医療への関心が高まってきた。

 今、多様なシステムの開発が進んでいる。

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バイタルデータ測定中

 高齢者の見守りサービスを展開する福岡市の企業「ワーコンプロジェクト」は2016年7月、24時間対応の看護サービス「ウォッチコンシェルジュ」を始めた。

 対象は在宅の高齢者。室内に生体センサーを設置、そこから発信される波動によって、胸部の動きから呼吸を、静脈の動きから脈拍を測定する。

 医師や看護師がその都度、行かなくても計測でき、データは提携の医療機関や家族のパソコン、携帯端末から確認可能。利用者の健康状態や活動状況を遠方からも把握できる。もし異常があれば、即座にデータがウォッチコンシェルジュ看護(みまも)りセンターに送信され、医師や訪問看護師が駆けつける。

 「1人暮らしの高齢者の健康状態が把握できるシステムで、家族の介護離職や『孤独死』を防ぐことにもつながる」と同社の青木比登美社長。「本当に医療が必要なタイミングが把握できるため、訪問する医師や看護師の負担の軽減が期待できる」と話している。

 福岡県大野城市の医療法人芙蓉会は、在宅患者のバイタルデータを測定することで状態悪化の兆候をとらえる遠隔健康管理システム「まいにち安診ネット」を開発、改良を重ねている。

 このシステムの最も特徴的な点は、血圧などのバイタルデータを自動でコンピューターに取り込み、高齢者の健康状態の変化をいち早く検知、医師が診断しやすい表にグラフ化できるところ。対象は施設で、計測した血圧や体温、脈拍などのデータが提携医療機関に送信される。日常の平均バイタルデータと異なる数値が検知されれば、施設などのパソコンと提携医療機関側のパソコン双方に警報を表示する。

 提携医療機関の医師は、データを見た上で、電話などで家族や介護職員から状況をヒアリングしたり、薬などの指示を出したりする。医師が連日通わなくても健康管理ができるほか、急変時などに、即座に対応できるというメリットもある。同法人の伊達豊理事長・院長は、「まいにち安診ネットは高齢者の熱中症予防などにも応用できる」と話している。

 年間約300人の在宅患者を診ている「にのさかクリニック」(福岡市)の二ノ坂保喜院長は、「ICTを使った遠隔医療について、例えば、訪問診療を受けている患者さんと在宅診療日以外にもこまめに画面を通して会話できるようになると顔色、表情も知ることができてメリットは大きい」と歓迎。「遠隔診療を使えば、患者さんが外来に来る頻度を減らすことができ、負担も軽減できる」とする。

 一方で「いわゆるICTを使った在宅患者の見守りは、監視につながる恐れがあり、住み慣れた自宅で自由に過ごしたいという患者さんの願いに逆行する可能性もある」と指摘。「頻繁に患者さんに会うことで兆候をとらえ、即座に対応できる体制を整えておくことの重要性を忘れてはならない」と強調した。


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