産業医科大学病院4月に新病院長就任

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産業医科大学 松本 哲朗 病院長

産業医科大学 松本 哲朗 病院長

シリーズ"病院長に聞く"第4回目となる今回は4月に産業医科大学の新病院長に就任した松本病院長にお話を伺った。

話題は4月に開院した若松病院など今後の取り組みについて、北九州の地域連携拠点病院としての役割、先生ご自身の趣味にまで多岐にわたった。

――産業医科大学病院の特徴を教えてください。

産業医科大学の建学の精神は、産業医学の新興と優れた産業医の輩出を大きな柱としています。病院としては、学生の実習から卒業後の教育まで含めて取り組んでいます。また、病院発展のためには地域との密接な連携が非常に重要となります。産業医の養成を中心とした教育と大学病院としての地域貢献に力を入れています。

――北九州市地域連携拠点病院としての役割は

北九州市だけでも100万人、周辺の地域を合わせると150万人以上の方が生活しています。産業医科大学病院はこの地域の中で唯一の大学病院ですから、高度な医療を提供することが求められていると思います。その役割を果たせるように内部でも日々努力しなければなりませんし、外部の先生方ともきちんと連携をとっていかなければなりません。役割分担を明確化し、それぞれの役割をきちんと担うことでこの地域で完結できる医療を市民の皆様に提供できるのだと思います。

我が大学病院の役割はやはり高度医療、高度先進医療を実現させていくことが責務であると考えております。

連携を深めるための取り組みとして、病病連携・病診連携を急速に強化する意味で、病院長直属の機関"医療連携本部"を2年前に設置しました。この組織には2つの部門があり、一つは院外の病病連携・病診連携あるいは患者さんの在宅医療の支援を含めた連携に取り組む部門。二つ目は院内連携の部門。

近年医療は細分化していますのでチームワークが非常に重要になります。スタッフ同士がコミュニケーションを取りやすい環境作りを行っています。

――4月に就任され、これからの取り組みについて聞かせてください。

まずは病院の精神についてです。創立から30年経過し、当初の理念や規則にその時々の状況により様々な事項が加えられてきました。当初のシンプルな理念や規則を守っていくためにも一度初心に帰ることが必要だと考えます。そのために病院のあるべき姿を考え、それをすぐ実行できる組織作りに力を入れたいと思います。病院では決まったことをすぐに実行できる力が必要ですので機能性を重んじた組織への変革に取り組みたいと思います。

次に事業についてですが、取り組むべきことはたくさんあります。

一つ目は4月1日に開院した産業医科大学若松病院です。若松地区で唯一の総合病院ですので、これまで以上に地域の病院との連携を深めながらこれから経営を安定させていかなくてはなりません。産業医科大学病院と若松病院が一体となることが大事ですので毎週1回合同で会議を行いお互いに補助すべきこと、支援すべきことを把握し実行しています。基本的に産業医大病院が高度先進医療、急性期の医療を担い、若松病院では回復期、緩和ケアという点から理念に沿った医療・教育を行っていければと考えています。意識としては同じ病院が長い廊下で結ばれている様な気持ちで一体的、相補的な役割を担うというコンセプトで運営していこうと考えています。

二つ目は救急医療です。我が大学病院の救急集中治療部は人手不足、医師不足の状態です。救急医療をやってみたいと考える医者は多いのですが、残念ながら長く続きません。それはひとりひとりの医師への負担が大きくなる傾向にあるからです。これは根本から作り直す必要があります。現在、残念ながら大学の医学部に救急医療の講座がありませんし、病院でも救急救命医療センターと呼ばれる様な立派な組織にはまだなっておりません。ですからまずはこの2点に力を入れたいと思います。

三つ目は周産期母子医療です。これも医師不足・人手不足が大きく関わっていますので大学が率先して取り組んでいくべき事業であると考え昨年から取り組んでいます。近々、総合周産期母子医療センターの指定を受けることになりました。これは文科省から募集のあった事業で、昨年応募したところ予算を頂き充実した組織作りが出来つつあります。今は県の認可を待っている状態で、既に内定をもらっていますので4月中には正式に認可され、より高度な医療の提供ができると思います。

最後はがんセンターです。院内の連携にも関連してきますが、ひとりの患者さんに対し手術・放射線・化学療法など診療科の枠を超えた医療が必要な場合にスタッフ同士が連携を取り一体化出来る様に昨年から組織として作り上げてきました。それぞれ縦の診療科を横の糸で結ぶ様な組織として稼働させている所です。その目玉としてPET-CTを今月から作動させます。北九州では2台目でニーズが高まっているのですが、今まで西側の地域にはありませんでしたのでそういう意味でも地域に貢献できるのではないかと思います。そしてこれからがんセンター独自の病棟を作り、放射線や化学療法といった専門的な医療を受けられる場所を提供したいと思います。

――最後に先生の趣味を教えてください。

仕事が趣味のようなものです。たまに運動をかねてゴルフをやったり、学会のついでに旅行を楽しんだりしています。

病院長プロフィール

産業医科大学 病院長 松本 哲朗 氏Matsumoto Tetsuro

昭和50年熊本大学医学部卒業。九州大学医学部助手、講師を経て平成9年産業医科大学医学部泌尿器科学教授として活躍。同進路指導部長や産業医科大学病院副院長を兼任し平成23年4月産業医科大学病院長就任。


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