全国屈指の医療環境を誇る腎臓病治療

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第39回福腎協大会が5月15日福岡市・パピヨン24ガスホールにて開催された。大会には会員や家族関係者らが約500人参加し、講演、意見交換の他、アトラクションとして九州大学落語研究会の漫才と落語「笑って免疫力アップ」も行われ、会場は大盛り上がりだった。開催を記念して福岡腎臓病患者連絡協議会会長塩屋利且会長に副腎協発足から現在に至るまでの歴史、今後の展望についてお話を伺った。

福岡県腎臓病患者連絡協議会 塩屋 利且 会長 に聞く

福岡県腎臓病患者連絡協議会 塩屋 利且 会長

――福岡県腎臓病患者連絡協議会発足までの経緯を教えてください。

日本で初めて発足されたのは全国腎臓病協議会(全腎協)で昭和46年に立ち上がりました。福岡県腎臓病患者連絡協議会(福腎協)はその2年後の48年発足しました。現在では全国各地に団体がありますが、福岡は比較的早くから取り組んできた県であり、初代会長の村川光栄先生とともに積極的に取り組んできました。その取り組みの中で、福岡に患者会を作ろうという動きが生まれ、現在に至ります。

――各医療機関との提携、協力体制について教えてください。

福岡は全国的に見ても医療環境の優れている地域です。それは透析医療という基本的な考え方が徹底されている為です。透析治療というのは長時間にわたりゆっくりゆっくり毒素を抜いていく、ということが重要です。その長時間の治療という方針に早くから取り組んでこられたのは福岡腎臓内科クリニックの藤見先生です。その精神が受け継がれ、今でも福岡は腎臓病、透析治療においては進んでいる地域であると言えるでしょう。

関東の方でよく見られますが、都会で働きながら治療している患者さんは病気を治す事よりも、仕事を優先し長時間の治療を積極的に受けている人は少ない様に感じます。ですが、身体の事を考えると時間をかけてでもじっくり治療していく方が有効ですので、福岡ではそれを徹底する様に指導しています。

また、福岡市、北九州市、久留米市など各地域ごとにも腎臓病に積極的に取り組む病院が多いのも優れた環境と言える理由の一つです。

医師の間でも全国各地に透析医会があります。福岡の透析医会には約130の透析施設が登録していますが、透析医会と福腎協は毎年、年に1回懇親会を開催しています。そこで透析医療について時代とともに治療法も進歩していきますので、最新の情報を医師と患者の間に立って行っています。透析医会とは協力体制がしっかりできていますので普段からメールなどでも情報交換しています。このように活発に協力しあえる環境にあるのはおそらく福岡だけではないかと思います。

保健の面でも福岡の行政と交流を持ち様々な対策や疾患の予防対策についても話し合っています。福岡県では一昨年にCKD(慢性腎臓病予防対策委員会)が立ち上がりましたが、患者会からも委員として参加してほしいということで1名特別にメンバーに入っております。

このように様々な機関にもご理解ご協力を頂きながら日々活動しているところです。

――特に力を入れている取り組みについて聞かせてください。

まず第一に腎臓病患者の皆様の福利厚生です。昭和42年に健康保険が適用になりましたが、透析器の台数が少なく、費用も高額ということで治療を受けられない透析患者がたくさんいました。そこで全腎協や福腎協など患者の会が各地に結成され昭和47年に内部障害者と認定され透析に医療更生医療が適用、49年に福岡県重度障害者医療費助制度が新設され医療費が無料になりました。いつでも安心して治療が受けられる環境づくりが出来ました。このように現在透析患者は福祉制度や医療費の軽減措置などたくさんの制度に守られています。しかし病気にならないとそういった仕組みはわかりづらく、不安に感じている患者さんも多数いらっしゃいますので、相談にのったり様々な支援を行っています。

もう一つは会員同士の交流を深める事です。患者さんの中には間違った知識を持ってしまう方もいらっしゃいます。透析は週に3回行いますから自分で調べる時間もなかなかとれないのが現状でした。そこで、私たちが正しい知識を広める為の学習会などを行っています。福岡県を北九州、福岡、筑豊、筑後の4つの地区に分けて地区ごとに教育を行っています。

――東日本大震災の影響で東北地方の透析患者の受け入れも行っているそうですが

世界の地震史上4番目の規模という国内未曾有の大震災の中で、高齢者や病人は災害弱者となってしまいました。その中でも透析患者は1日おきに長時間の透析を課せられます。電気、水道が途絶えると即、死につながりますので、ライフラインが不安定な被災地の患者さん達は不安でいっぱいだったと思います。実際に福島や東京から福岡に透析避難している患者さんもいらっしゃいます。

福岡県透析医会からインターネットの「日本透析医会情報ネットワーク」を通じて全国の患者受け入れ情報を発信されました。同時に3月22日被災した透析患者が福岡に避難してきた際の住宅等の滞在場所確保についてのお願いを福岡市医師会に提出しています。県下の転入患者受け入れ可能状況はその時点で981名、うち入院可能は262名となっていました。

福腎協では県あてに県営住宅の長期貸与を要望するなど転入患者の受け入れに力を尽くしています。備えは万全です。想像を超える大震災でしたから、こういうときこそ力を合わせることが大切だと思います。

――今後の取り組みや展望について教えてください。

やはりこれからも積極的に患者さん同士、家族、医師と交流の場を設けていきたいと思います。医師と患者が食事しながら意見交換するようなリラックスして交流できるイベントも企画している最中です。


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