日本赤十字社 京都第一赤十字病院 池田 栄人 院長

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5年後、10年後も輝ける病院に

【いけだ・えいと】 1978 京都府立医科大学卒業 1980 京都第一赤十字病院第一外科 1998 同救急部長 2006 同救命救急センター長 2007 同副院長 医療安全推進室長 教育研修推進室室長 2016 同経営戦略室長 2017 同院長

 1997年の救命救急センター、総合周産期母子医療センター開設以来、京都市内の救急医療を担ってきた京都第一赤十字病院。4月には、開設当初から救命救急医療に尽力してきた池田栄人氏が院長に就任。新院長が描く、5年後、10年後を見据えた病院運営とは。

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◎救急・周産期医療が柱

 1997年、建物の老朽化に伴い、改築工事を開始。昨年9月、A棟、B棟、C棟、すべての建物が完成しました。

 京都市内には、大学病院が二つ、公立病院が二つ、赤十字病院が二つ。そのほか400床規模の民間病院も多く、医療の過密地帯と言われています。

 当院は京都市の南の端にあります。この地域の患者さんの受け入れだけでは病院の経営が成り立ちません。そこで改築の際、救急医療を柱に、患者さんを集めようというプランが持ち上がり、救命救急センターと総合周産期母子医療センターを新設しました。

 救急車を断らないで受け入れてきた結果、業績がアップ。救命救急センターの認可が下り、補助金が出るようになりました。救急医療と周産期医療が両輪となり、病院運営の大きな原動力になったのです。

 昨年度の救急車搬入台数は7527台。京都市乙訓医療圏で最も多い件数です。中丹・南丹医療圏、山城北・南医療圏からの消防ヘリ、ドクターヘリ搬送は68件と、京都府の三次医療機関として機能しています。

 当院は救急、周産期のほかに、透析センター、リウマチ膠原病センター、難病疾患の特殊外来なども備えていますので、合併症があるために他院では対応できない患者さんも数多く搬送されてきます。

 当院では、腎不全、呼吸不全などの合併症にも対応できます。また、妊婦さんの脳出血を診療できる医療機関は、京都市内では当院が唯一です。妊婦さん、赤ちゃんから高齢者まで、患者の最後のとりでとしての役割を担っていると自負しています。

 救急医療に特化している病院だと思われがちですが、がん治療にも力を入れています。特に、血液、消化器、乳腺、婦人科、耳鼻科領域のがんが多いのが特徴です。

 2年後には、緩和ケア病棟をつくるとともに、がん患者さんの就労支援、生活支援、レスパイトケアなど、総合的ながん医療を提供できる体制を整え、がんセンターとしての機能を充実させたいと考えています。

 以前は、"忙しい病院"というイメージが強く、研修医に人気がなかったのですが、新臨床研修医制度が施行され、救急医学が必須になってからは、研修医が数多く集まってくれるようになりました。

 脳卒中、心疾患、外傷など、救急、急性期医療はもとより、がん、難治性疾患の治療に至るまで、幅広い領域をカバーでき、症例数が多いことが当院の特徴です。診療科の垣根がなく、集学的なチーム医療を経験することができます。

 また、毎週火曜、木曜にはカンファレンスを実施。こちらから一方的に指導するだけではなく、研修医が自主的に発表する場も設けています。

◎救急医療は次のステージへ

 京都市は全国的にみても高齢化率が高い地域です。当院は急性期病院ですが、今後は地域包括ケアも視野に入れて、医療を展開していかなければなりません。

 救急医療を窓口にして、患者さんをトリアージし、関連医療機関に紹介するといった仕組みに変わりつつあります。

 回復期や在宅医療を引き受けてくれる医療施設とのネットワークを構築し、地域で統合された医療と介護を提供することが目的です。

 地域連携を強化するには、病院のトップ同士が仲良くするだけではうまくいきません。医師同士、看護師同士の連携が何より重要です。そのためには、病院間の医療・看護の水準をシームレスにすることが求められます。

 転院する患者さんの中には、まだ医療が必要な患者さんもいます。そういう患者さんをちゃんと診るには、当院の医師、看護師が出向いて診療・看護をするシステムが必要になります。

 その他、患者さんの情報の共有、医療材料の統一化を図るなどして、いい医療を提供するためのネットワークをつくることが急務です。

◎5年後・10年後を見据えて

 地域に信頼され、選ばれる高度急性期病院を目指すこと、5年後・10年後も輝ける病院となること、を大きなテーマに掲げています。

 2020年ごろまでは、高齢者の増加が見込まれ、患者数も増えていきます。今からの5年間は、救急医療を中心に、地域包括ケアシステムを構築し、高齢者医療を充実させることで病院も運営していけるでしょう。

 その5年後、2025年からは、高齢者が減少し始めるにつれて、医療需要も減っていくことが予測されます。

 そうなったときでも、地域に選ばれる病院でいるためには、医療環境を整えることが必要です。適切な医療、徹底したセキュリティー、癒やしの空間などを提供しながら、業務の効率化を図っていきたいと考えています。

 効率化を図るには、1000人を超える職員をいかに統率するかが重要になります。

 月に一度、講堂にすべての医師を集めて医師集会を開いています。30分という短い時間ではありますが、その月のメッセージや必要事項などを伝達する会です。また、年に2回、診療科部長・副部長、看護師長、技師長、課長など、病院幹部約140人を集めて、幹部研修会も開いています。

 「働き方改革」も重要です。診療科ごとに就業時間のばらつきがあることも、病院にとっては効率が悪いので、それぞれの業務内容を見直し、バランスよく役割分担するなどして、働き方をマネジメントしたいと思います。

 職員全員が気持ちよく働き、キャリアアップ、自己実現できるような病院に変えていきたい。ワークライフバランスをしっかり整え、適正に働ける環境づくりにも力を入れていきたいと考えています。

日本赤十字社 京都第一赤十字病院
京都市東山区本町15-749
TEL:075-561-1121(代表)
http://www.kyoto1-jrc.org/


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