独立行政法人 労働者健康福祉機構 浜松労災病院 有井 滋樹 院長

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断らない医療の実現のために

1973 京都大学医学部卒業 同第1外科入局(本庄一夫教授) 1975 村上記念病院外科 1979 京都大学大学院博士課程入学 1982 同医学部第1外科助手 1984 米国ニューヨーク州立ローゼルパークメモリアル研究所留学(Dept ofDiagnostic immunology and Biochemistry) 1985 帰国、京都大学医学部第1外科助手に復職 1993 同講師 1998 同助教授 2000 東京医科歯科大学大学院分子外科治療学分野肝胆膵外科教授(~ 2012.3.31) 2004 輸血部長併任(~2011.12.31) 2010 東京医科歯科大学医学部附属病院病院長補佐兼任 同副病院長兼任(~ 2011.12.31) 2012 独立行政法人労働者健康福祉機構浜松労災病院病院長 東京医科歯科大学名誉教授 現在に至る 

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◆地域密着型の病院へ

 われわれが、もっとも力を入れているのは「断らない医療」です。当院は地域医療支援病院です。地域住民が急病や事故、災害にあったときには、必ず診る。開業医の先生からの紹介を断らない。これが地域医療支援病院の理想の姿です。

 最先端治療も大事ですが、まずは、迅速で適切な対応こそが大事です。当院のような中規模病院が目指すのは地域密着です。今後もそれを徹底的に追求していかなければならないと考えています。

◆顔の見える連携を

 地域密着型の病院にするためには診療所の先生と情報を共有して、顔の見える連携をつくらなければならないと考え、「浜松EAST医療連携セミナー」を始めました。このセミナーでは当院と地域の医師がセッションなどを通じた情報交換をしています。

 紹介状のみの関係ではなく顔の見える関係ができるとスムーズな連携が可能となります。連携セミナーではお互いが情報発信する双方向的セミナーを目指しています。

 順調に紹介患者さんも増えてきているので、成果が出つつあると感じています。

◆高い救急の受入率

 私が病院長に就任する前、救急の受入率は70%ほどでしたが、現在では95%になりました。医師が不足しているなかで、みなさん本当にがんばってくれて感謝しています。

 95%受け入れというのは当院としては、ほぼ100点満点なんです。救急の患者さんを診ているときに新たな患者さんがくる、その場合は、人的に受け入れが不可能です。それが残りの5%です。しかし、それ以外は、まず断りません。

 断らない救急を実現するためにはバックアップしてくれる医師の存在が不可欠です。最前線に立つのは救急の当直医ですが、その背後にサポートする医師が控えていれば救急医も心強いでしょう。

 病院が一丸となり救急を手助けする精神を持つことで、95%受け入れという結果を出すことができました。

◆勤労者医療へのシフト

 当院は労災病院ですが、産業構造の変化に伴い、今では労災関係の患者さんは、全体の1~2%です。今は勤労者医療にシフトしてきていて、勤労者が肉体的にも精神的にもしっかりと社会生活を営めることを心がけています。

 また生活習慣病の予防指導などもわれわれに課せられた役割です。

◆充実した教育環境

 たくさんの初期研修医や若い医師が来てくれる魅力ある病院にしなければならないと思っています。

 初期研修医はプライマリケアを習得することが最も大事です。当院では脳血管障害、心臓疾患など最初の対応を間違えば、命にかかわる患者さんがたくさん救急で運ばれてくるので、プライマリケアを習得するのに恵まれた環境です。

 また上級医からの教育も充実していますので、多くの研修医に来てもらいたいですね。

◆快適な労働環境を提供

 病院長に就任した当初は、患者さん満足度ナンバーワンの病院にすることを目標にしました。しかし、しばらくして職員が自分の病院に誇りを持てるようにしなければ、患者さんの満足を得られないことに気づきました。

 そのためには職場環境を整え、快適な労働環境を提供しなければなりません。精神論を振りかざすだけでは、何もいいことはありません。

◆患者さんのハートをつかむために

 医療従事者が迅速で適切な診療、看護をするのはプロフェッショナルとして当然のことで、常に医学知識、医療技術を磨かなければなりません。私はそこから一歩進んで患者さんのハートをつかむような診療、看護をしてくださいと言っています。患者さんの心に染み入る診療、看護はなにかをそれぞれが考えて答えを見つけてほしいと思います。

 私は大学での勤務が長かった関係から毎年多くの学生、研修医と接してきました。そのなかで思うことは、医師は若い時から病院という特殊な世界で仕事をするため社会的に鍛えられる局面が他職種より少ない。そのため未成熟なまま年を重ねてしまいかねないということです。

 にもかかわらず、一方ではいろいろな患者さんと出会い、その人たちにとって最も大切な命、健康に直接的にかかわります。そこでは患者さんに共感する気持ち、慈しむ心が必要です。その中から患者さんとの信頼関係が形成され、適切に医師としての職責が全うされます。また、一人では仕事はできないので協調性が求められます。これらは私自身も医師であるかぎりはずっと心しないといけないことですが、若い医師に教え、伝えていきたいと思います。

 3日に1回しか病室に来ない医師を患者さんは心から信頼できますか。医師自身が病気になったら、その時、初めて患者さんの気持ちが理解できるというのでは想像力が乏しいと思いますよ。


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