光市立大和総合病院 猪口 博臣 院長

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地域に密着し信頼される病院としてチーム医療で地域を支える

いのぐち・ひろおみ▶1983 年山口大学医学部卒業、同産婦人科教室 1985 年 済生会下関総合病院 1988 年 宇部興産病院㈱中央病院 1989 年 山口大学医学部大学院修了 1992 年 町立大和総合病院 2004 年 光市立大和総合病院産婦人科部長 2010 年 同病院院長 日本産婦人科学会専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本産科婦人科内視鏡学会

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■病院の特徴について

 1949年、大和地域に唯一の医療機関として、国保直診という形態で創設されました。その後、診療科や病床数の増加を図り、また医療機能の転換も行い、現在では18診療科・243床(一般病床40床・療養病床159床・回復期リハ病床44床)の総合病院となりました。

 以前からこの地域には開業医院がないため、当院は、かかりつけ医院としての役割を担っています。また、公立病院として高度・先進医療、救急医療、小児・周産期医療も行ってきました。

 しかし、地域密着型の病院で患者さんが多い半面、各診療科が独立しており、院内の連携があまり取れてない時期もありました。

 そのような折、山口大学から内野文彌学部長が院長として赴任され、病院の中を改革した結果、非常に風通しの良い病院になりました。

 さらに大学との連携も深まり、医局員の数も20数人にまで増え、1999年には山口県では2番目に病院機能評価の認定を受けました。

 また、同年、増改築工事を行い、一般病床220床・療養病床60床となり、地域の中核病院として質の高い医療を提供してきました。

 しかしながら、2004年に当院が所在する大和町が光市と合併することによって、市立病院が2つ存在することになったこと、また、医師不足や医療費抑制政策などの公立病院を取り巻く環境の変化が著しくなったことなどから、「光市病院事業あり方検討委員会」が発足され、2つの病院の方向性について協議がなされました。

 そして、2008年、光総合病院を急性期を担う病院、当院を慢性期を担う病院とし、2つの病院を1つの病院として捉え、2つの病院の医療機能を分化することで、光市に必要な医療提供体制の充実を図ることになりました。

 医療機能を主に慢性期へと転換したことで、院内では若干の混乱がありました。急激な方向性の転換により、患者数の減少や医療従事者の減少が起こり、経営的にも非常に困難な状況となったのです。

 とはいえ、創立以来培ってきた地域に根ざした、地域に求められる医療を提供して行くことに変わりはなく、時代に即した慢性期医療への取り組みを模索し、新たな基本方針や理念を定めました。

 現在では、外来ではかかりつけ医院の機能を維持し、入院では急性期病院からの患者さんの受け入れを行い、住み慣れた地域やご家庭で安心して療養ができるよう在宅医療にも力を入れているところです。

■2つの構造改革で赤字経営から脱却

 黒字転換できた要因の1つは、地域医療連携室を強化したことです。副院長を室長に据え、看護師2人、事務員1人を配置しました。

 他院からの入院依頼をスムーズに受けられるように構造改革したことで、現在、療養病床はほぼ満床、全体の病床利用率も96%と安定しました。

 もう1つは、病院全体で経費節減に取り組んだことです。当院では年に1回、「職員学会」を開催しています。この学会は今年で37回目ですが、各部署の職員が研究発表をしたり、外部からゲストを招いて特別講演をしたりするものです。

 2012年には職員学会の宿題報告で、各部署が経費節減方法について発表しました。安全性や医療の質は落とさずに、きちんと見直して、質を保ち、経営を正常化させることを目的に、職員全員で取り組みました。

きた分だけが、その年の黒字幅となりました。実際に数字が見えると非常に達成感があって、職員たちは充実していました。みんなにご褒美をあげたいぐらい感謝しています。

■地域のかかりつけ医院としての取り組み

 昨年から訪問看護を始め、今年からは訪問リハビリを始めました。この地域を将来的にみると、高齢者が多く、在宅看護やリハビリなどの在宅医療の充実が必要です。住み慣れた地域やご家庭でその人らしく過ごせるよう、在宅生活の支援にも取り組んでいるところです。

を身近に感じていただくために、毎年、病院祭やクリスマス会などの催しを企画しています。地元の小学校の吹奏楽部や合唱団など、住民のみなさんもボランティアで参加してくださっています。私自身も歌や仮装を頼まれたりと大変ですが、楽しんでやっています。

 当院はとにかく家庭的で、遠慮がなく、横のつながりが強い病院です。お互いを気遣い合って、優しく声をかけてくれる。そういう環境で仕事ができるのはありがたいことです。

 病院の医療というのは、チーム医療です。医師だけが頑張っても、周りがついてこなければ医療にはなりません。医師、看護師、検査部、薬剤部、事務部などが関わって一つの医療ができます。

 みんなが同じ方向を向いて、心身ともに良い状態で患者さんに向き合うことがもっとも良い医療の形だと思います。

 そのためにも、私はできるだけ定時に帰り、休みも取るようにしています。家族を大事にしているので、自分の生活は大切にしたいし、職員にもそうして欲しい。「無理せんでええよ」と言いたいですね。リフレッシュしないと仕事がつらくなったり、ミスが増えたりしますからね。

 当院はもともと地域に育ててもらった病院です。これからもこの地域の方々を大事に思い、安心してこの地で暮らしていただけるよう、職員みんなでサポートしていきたいと思います。


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