実践的な内容の学会にしたい|10月7日〜10日「第25回日本耳科学総会学術講演会」開催

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長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 / 耳鼻咽喉・頭頸部外科学領域 髙橋 晴雄 教授

1971 灘高等学校卒業 京都大学医学部医学科医学進学課程入学  1973 同修了 同医学部医学科専門課程進学 1977 同卒業 同医学部附属病院(研修医) 1978 田附興風会医学研究所北野病院(耳鼻咽喉科委員) 1984 京都大学医学部附属病院(耳鼻咽喉科助手) 1987 アメリカ合衆国ピッツバーグ大学医学部(耳鼻咽喉科学教室側頭骨病理学部門研究医員) 1990 同耳鼻咽喉科研究助教授就任 1992 京都大学医学部附属病院(耳鼻咽喉科助手) 同耳鼻咽喉科講師 2002 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学領域(教授) 

 10月7日(水)から10日(土)の4日間、長崎市の長崎ブリックホールで「第25回日本耳科学総会学術講演会」が開催される。

 学会長を務める長崎大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学領域の髙橋晴雄教授に学会への意気込みを聞いた。

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■学会の3つの特徴

 歴史ある本学会の会長を務めることに対して名誉であるとともに責任を感じております。

 昔の学会は、成果を披露する場のような雰囲気でしたが、最近は教育的な色調が強くなっています。今学会でも教育的なプログラムを多くして、若い先生方にとって実り多い学会にしたいと考えています。

 この学会には3つの特徴があります。1つ目の特徴は海外から6人の著名な講師を招き、講演だけではなく手術手技の映像をモニターで流すなど、より実践的な内容にします。

 次にプログラムが盛りだくさんだとスケジュールが重複して見ることができない講演などが出てきます。

 そこで2つ目として大事なプログラムの裏では、なるべく一般演題などをやらないようスケジューリングに工夫をこらしています

 3つ目に関しては実現できるかどうかは分かりませんが、経済的な理由で参加できない人を少しでも減らしたいので、学会の参加費を従来より少しでも安くしたいと考えています。

 今学会では多くの講師やインストラクターのボランティアに集まっていただけました。みなさん進んで手を挙げてくれたので非常に助かりましたね。

 耳鼻咽喉科の中でも、耳に特化した専門的な学会ですが、多くの演題が集まり、多くの先生が協力してくれる予定です。私だけではこれだけの規模の学会を運営できません。みなさんの協力に感謝しています。

 医療を取り巻く環境は年々厳しくなっています。処置をひとつ間違えば、すぐ訴訟沙汰になってしまいます。そのような時代背景において、若い医師はミスを恐れて一歩を踏み出せない状況に陥っています。

 「百聞は一見にしかず」と言いますが、手術の場合は、100回見たところで、技術は身に付きません。自分の手を動かして手術の実習をやることが大切です。

 本学会ではスライドを見て聞くだけではない、より実践的な内容にしたいと考えています。

■ドイツとの交流

 学会に引き続き10月10日(土)、11日(日)に長崎大学耳鼻咽喉科主催の「第6回シーボルト記念シンポジウム」を開催します。

 これは長崎大学耳鼻咽喉科とドイツミュンヘン大学耳鼻咽喉科との間で定期的に行われている人工聴覚器に関する国際シンポジウムで、世界の人工内耳や人工中耳などの最新の話題を提供する予定です。

 このシンポジウムを始めたきっかけは、京都大学にいたころに、ドイツのベルツブルグ大学の教授と出会ったことです。

 来日して講演をされた後に一緒に食事をさせてもらう機会がありました。話をしているうちに意気投合して「今度はベルツブルグにぜひ来てください」と言っていただき、ドイツで講演させていただきました。

 今回の日本耳科学会で講演していただくミュンヘン大学のミュラー氏は、ベルツブルグ大学の教授のもとで学んでいた人です。ミュラー氏とも懇意にさせてもらっていて近年では、毎年日本とドイツでそれぞれシンポジウムを開いています。

■聴覚の重要性

 人間にとって聴覚はとても大事な感覚です。生まれつきの難聴や高度難聴の子供さんと、高度の視覚障害の子供さんの発達度合を比較すると、聴覚障害の子供さんの方が圧倒的に遅れるんです。

 普通に考えると逆だと思うでしょう。おそらく視覚というのは、見ている対象しか入ってこないんです。たとえば今、テレビがついていたとします。たとえ視線をテレビに向けていなくても、音声の情報は入ってきますよね。

 会話でも5分話したら、原稿用紙何枚分かの量になります。コミュニケーションの効率がとても優れているのが会話であり音なんです。

 だから、先天的に聴こえない、あるいは生まれてすぐに聴こえなくなった難聴は、すごく深刻です。早く治してあげないといけません。

 お年寄りが難聴になると誰とも話さなくなり、家に引きこもってしまうケースもあります。その結果、認知症になるリスクを高めてしまうと考えられています。

 補聴器や人工内耳を使って聴覚を取り戻してあげることが、幼小児と、高齢者にとってはとりわけ大事なことです。

 私が医者になったころは、高度難聴の人がコミュニケーションをとるには手話か筆談しかありませんでした。

 人工内耳や人工中耳の登場で、高度難聴の人も通常のコミュニケーションが取れる時代になりました。この分野は、これからの耳科学のひとつの主流になっていくと思っています。

■みんなが聴こえる社会

 難聴の人向けに、テレビのニュースで手話を表示していますね。親切な取り組みで難聴の方はとても助かっていると思いますが、将来的には必要ない社会にしたいですね。「みんなが聴こえる社会」が私の理想です。

 高度難聴や内耳を損傷した場合、昔は不治の病と言われてましたが、そんな時代は終わりました。しかし、PR不足なのか今だに不治の病だと思っている人が多いですね。

 本学会や市民公開講座などを通じて、少しでも多くの人に難聴についての理解を深めてもらうのが、私に課せられた使命だと考えています。


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