九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

患者さんとの出会いが医療人としての原点

徳島赤十字病院 後藤 哲也 院長(ごとう・てつや)1981年徳島大学医学部卒業。米テネシー大学ノックスビル医療センター、JA徳島厚生連農村健康管理センター、徳島赤十字病院第一内科部長などを経て、2019年から現職。  血液内科を専門とし、長年、白血病やリンパ腫の免疫療法に取り組んできた後藤哲也医師。今年4月に徳島赤十字病院の院長に就任した。医師としてのこれまでの歩み、今後の抱負や課題について伺った。 ―造血器腫瘍の免疫療法の研究がご専門ですね。  免疫グロブリンを研究している研究室に入ったのがきっかけです。大学卒業後、2年半ほど留学していたのですが、その際にモノクローナル抗体に出合いました。現在、その技術を応用したさまざまな種類の医薬品がが活用されています。 私は多発性骨髄腫に対する特異的な抗体医薬を作製する研究をしていました。残念ながら私自身の研究は実用化には至りませんでしたが、同じものを目指していた世界中の研究者の努力によって薬が開発され、その薬で患者さんを治療しています。感慨深いものがありますね。 血液内科は、診断から治療まで一貫して携われるところにやりがいがあります。 例えば、白血病の場合、一定の症例は薬での治療が可能です。難しい病気でも、内科医の武器である薬物療法で治すことができる可能性があるのです。 もちろん、患者さんを助けられず、悔しい思いをしたこともあります。特に骨髄移植は、薬で治らない患者さんに希望をつなぐ治療方法なのですが、かつて四国では骨髄移植が可能な病院は愛媛県立中央病院しかありませんでした。 ですから徳島県内で白血病になっても、移植を受けるためには他県に行かなければならなかったのです。そのような状況を解決すべく、当院に造血幹細胞移植チームの立ち上げを行い、県内で治療できるよう体制を整えました。 ―印象に残っていることを教えてください。  大学病院にいた頃、30代の慢性骨髄性白血病の患者さんを診たことがあります。当時、開発が始まっていたインターフェロンを処方したのですが、あまり効かずに、すぐに急性転化期に入りました。 本来なら同時に骨髄移植も考えるべきですが、まだ県内では骨髄移植ができなかった。お子さんのことを気にかけて、他県での移植という決断ができないまま、結局脳出血を起こしてお亡くなりになりました。ご家族はもちろん、私もショックを受け、「何とかしなければならない」と強く思ったのです。 その後、高い効果が期待できる新薬が登場し、ほぼ薬で治療することが可能な時代になりました。ただそれでも、一部の方には薬が効かないことがあるのです。 前回の悲しい結果となった患者さんから13年後。同じ年代の患者さんが急性転化期に移行しました。今回は骨髄移植ができ、その後、寛解して現在も元気でいらっしゃいます。前回救えなかった経験をしていただけに、よく記憶しています。 ―今後は。  救急を軸とした急性期病院である当院には、急性期に特化した機能と、充実した教育研修制度という強みがあります。ただ地域の医師不足は深刻で、院内で医師を抱え込む時代ではありません。県全体の医療に貢献していける医師の育成にも努めます。 当院には「臨床研修看護師制度」という看護師の教育システムがあり、研修医は看護師と一緒にこの研修を受けています。 お互いに名前を覚え、人間関係を構築する中で、多職種がチームとして力を出し合える、フラットな組織をつくっていきたいですね。 現在100床あたりの退院患者数が全国的にも多く、病床稼働率が99%に近い状況にある中で、今後は職員の働き方を変えていかなければなりません。患者さんに優しい病院であるためには、まず職員にとって優しい病院でなければならない。そう思っています。 徳島赤十字病院徳島県小松島市小松島町井利ノ口103☎0885―32―2555(代表)http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/

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より良い未来のために常に変わり続ける

医療法人同愛会 博愛病院 櫃田 豊 院長(ひつだ・ゆたか)1980年鳥取大学医学部卒業。同附属病院、日野病院組合日野病院病院長などを経て、2016年から現職。  医療と介護。双方の機能を持つケアミックス病院として、山陰の商都・米子の地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担う博愛病院。櫃田豊院長に近況と今後の展望、そして「変わり続けること」の重要性について尋ねた。 ―最近の変化について教えてください。  2年前、敷地内に開設した「在宅医療センター」ではリハビリ、看護、居宅介護支援、訪問診療といった事業を展開しています。 その中で、現場から「栄養士が必要だ」という声があり、新たに訪問栄養指導 を始めました。地域包括ケアでは、多職種の協働が欠かせません。地域医療構想と地域包括ケアの2本柱を基本方針に、在宅医療の拡充に努めます。 この4月に開設したのが「博愛こども発達・在宅支援クリニック」。鳥取県と日本財団の共同プロジェクトの一環で、当院の西館を改修しました。難病の子どもや障がいのある子どもとその家族の生活をサポートするのがコンセプト。外来診療と訪問診療を中心に訪問リハビリ、デイサービス、入院診療を行います。 さらに「子どもを支援する人材」を育成することも大切な任務です。未来を担う人材が働く拠点に。そんな期待に応えようと、鳥取県西部のハブ拠点として立ち上がったところです。 ―院長のミッションは。  働き方改革が強く求められています。部門によって事情は異なるものの、医師不足の問題はいまだ解消されていません。対策として医師の再雇用を進めているところです。 一般病院に勤務する医師の時間外労働の上限が「年960時間」と提示されました。達成は十分可能という認識です。タスクシェアリングを引き続き進めていきます。今後のポイントの一つは、複数主治医制への移行でしょう。 もっと広い視点で見れば、若い年代に地域医療の魅力を発信していくことが大切です。患者さんの人生に深く関わる全人的医療。その魅力とやりがいを、次世代に伝えていきたいと考えています。 今年の9月に米子市で開催される「第16回日本医療マネジメント学会鳥取支部学術集会」で会長を務めます。地域包括ケアが進む中で病院の役割が拡大し、今回の集会のテーマである入退院支援も欠かせないものになりました。 しかし、現場では「家族と過ごす時間がない」「スタッフが不足している」といった多くの課題も浮き彫りとなっています。集会ではさまざまな入退院支援の現状と課題を投げかける場になればと思います。 都市部と郡部では課題は異なるでしょうし、あらためて地域連携の必要性も浮かび上がるのではないかと思います。多くの関係者で共有し、解決のためのヒントを探りたいですね。 一般病院に勤務する医師の時間外労働の上限が「年960時間」と提示されました。達成は十分可能という認識です。タスクシェアリングを引き続き進めていきます。今後のポイントの一つは、複数主治医制への移行でしょう。 もっと広い視点で見れば、若い年代に地域医療の魅力を発信していくことが大切です。患者さんの人生に深く関わる全人的医療。その魅力とやりがいを、次世代に伝えていきたいと考えています。 今年の9月に米子市で開催される「第16回日本医療マネジメント学会鳥取支部学術集会」で会長を務めます。地域包括ケアが進む中で病院の役割が拡大し、今回の集会のテーマである入退院支援も欠かせないものになりました。 しかし、現場では「家族と過ごす時間がない」「スタッフが不足している」といった多くの課題も浮き彫りとなっています。集会ではさまざまな入退院支援の現状と課題を投げかける場になればと思います。 都市部と郡部では課題は異なるでしょうし、あらためて地域連携の必要性も浮かび上がるのではないかと思います。多くの関係者で共有し、解決のためのヒントを探りたいですね。 ―今後の展望を。  山陰地方においては、やはり人口減少が大きなファクターです。病院の規模はいずれ縮小に向かわざるを得ないでしょう そこで、職員のモチベーションを維持するために必要なのは、新しい事業だと思います。いま具体的に動き出しているわけではありませんが、公的に意味のある事業が望ましいとイメージしています。 私は常々、ダーウィンの「変化に適応できる種が生き残る」という言葉を思い浮かべながら「変わるのが普通のことである」と職員たちに伝えています。 今の状況に満足してしまっては、停滞どころか後退してしまう。常に変わり続けないと病院を存続させることはできません。私が新しい事業を展開することに対して関心を寄せているのは、そんな価値観に基づいているからです。 公的に意義の大きな事業を模索する。同時にこれからの3年間をメドに、社会医療法人への移行を目標としたいと思います。 医療法人同愛会 博愛病院鳥取県米子市両三柳1880☎0859─29─1100(代表)http://www.hakuai-hp.jp/

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整形外科を柱に展開 シームレスな医療・介護を

独立行政法人地域医療機能推進機構 宇和島病院 渡部 昌平 院長(わたなべ・しょうへい)1982年秋田大学医学部卒業。米メイヨー・クリニック(文部科学省長期在外研究員)、愛媛大学大学院医学系研究科准教授などを経て、2014年から現職。  約11万4000人を擁する宇和島医療圏。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)宇和島病院は地域医療、地域包括ケアの要としての役割を担う。脊椎、人工関節などを中心に、整形外科手術は年間約900例。整形外科、リハビリテーション科の専門医として在宅復帰を支援する渡部昌平院長が目指すのは、シームレスな医療体制だ。 ―宇和島市には公立、民間と病院が複数ありますが。  急性期、回復期、慢性期などと、それぞれの病院の特徴を生かして、お互いにうまくすみ分けをしながら地域での役割を果たしていると思います。病院に隣接して附属の介護老人保健施設などもありますので、予防医学をはじめ、急性期、回復期、そして在宅と、医療や介護サービスをシームレスに提供したいと考えています。 当院の特徴の一つは整形外科分野です。高齢者の増加に伴って症例数は増加傾向にあり、脊椎、人工関節などを中心に、年間およそ900例の手術を実施しています。整形外科の常勤医は、私も含めて5人。充実した医療を提供できていると思います。患者さんは宇和島市以外、例えば高知県など遠方からもお越しになっています。広く地域の開業医の先生方との連携が構築できている結果ではないかと考えています。 ―リハビリにも注力。  私自身もリハビリテーション医学会専門医を取得しており、現在、専門医は2人体制です。リハビリのスタッフは理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)がそろっており、総勢50人近くです。在宅復帰後の患者さんを対象に訪問リハビリを実施しています。 また、院内に室内プールが完成した2002年からはリハビリに活用しています。指導の中心はPTが担っています。プールでのリハビリは脳卒中など、脳血管疾患後の患者さんを中心に取り入れるようにしています。当院では、主に入院患者さんが活用しています。 水中では泳ぐというよりも、歩いたり手を動かしたりといった訓練を重視しています。集団での運動といったこともできます。通常では歩行ができない人も、水中では水の浮力の効果で体に負担なく歩くこともできますので、治療効果も少なくありません。プールでリハビリに励む患者さんの楽しそうな様子を見ると、精神的にも効果があると感じます。 ―地域の課題は。  医師不足です。地域の医療機関はどこも厳しい状況にありますから、地域連携が不可欠です。 そこで、特に整形外科医が不足している宇和島市内の医療機関に週1回、診療支援として当院の医師を派遣しています。当院の整形外科が高い専門性を保ち、手術実績を維持し続けることが、地域に医師を呼び込むことにつながると考えています。当院の運営にも貢献するでしょう。 また、JCHO独自の研修プログラムもあり、それを希望する方もいます。これによって、2年ほど前から、JCHO本部からの派遣も受け入れられるようになりました。最近ではグループの方針で医師だけではなく、病院の活性化を狙って、病院間の職員の異動を積極的に実施しています。各部門のトップは、大体1回は別の病院での勤務を経験し、そこで実績を重ねます。外で経験を積んだ人が着任すると、さまざまな面で組織にいい刺激を与えると感じています。 また、患者さんや地域で活動する人にお越しいただいて意見を伺う場を設ける「地域協議会」を年に2回ほど開いています。参加者の方の提案を病院として採用したこともあります。患者さんの声が直接聞けるまたとない貴重なチャンスでもあります。 独立行政法人地域医療機能推進機構 宇和島病院愛媛県宇和島市賀古町2―1―37☎0985―22―5616(代表)https://uwajima.jcho.go.jp/

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地域に求められるのは総合力を持つ産婦人科医

金沢大学医薬保健研究域医学系 産科婦人科学教室 藤原 浩 教授(ふじわら・ひろし)1983年京都大学医学部卒業。日本赤十字社和歌山医療センター産婦人科、京都大学大学院医学研究科准教授などを経て、2013年から現職。  1885年に誕生した金沢大学の産科婦人科学教室。134年の歴史ある教室として「北陸全体を見ていく立場でもある」と12代目の藤原浩教授。地域に根差した産婦人科医の養成に力を注ぐ。 ―産婦人科医療の現状は。  かつて北陸には医学部が金沢大学しかありませんでしたので、本学は福井県、富山県まで地域全体を一手に引き受けるという時代がありました。その名残からでしょう。産科婦人科学教室の関連病院は今も北陸全体に広がっています。 教室員の3分の2以上が北陸以外の出身で占められているのも特徴でしょう。逆に本学出身者だけではないので、風通し良く、また教室の良い点などを客観的に捉えてくれていると思います。 地方の場合、医師不足、特に産婦人科医の不足は厳しさを増しています。 2022年度末には北陸新幹線の金沢、敦賀間が開業予定で、金沢市は首都圏や関西圏とのアクセスがより容易になります。患者さんの流失のみならず医師の流失、ひいては医療過疎にもなりかねないと危惧しています。 また、石川県の特徴として、昔から産婦人科医院がお産を担うというケースが少なくありません。能登半島などもあってエリアが広く集約化が難しかったこともあるでしょう。現在も一般病院であっても多くて産婦人科医師2人程度。しかも、現状では医師の高齢化が進んでいます。ローリスクのお産ではありますが、60歳以上の医師が年間数千件のお産に対応しているというデータもあります。 もちろんそういうベテランの産婦人科医は、経験豊富ですのであらゆるお産に対応できます。しかし、5年、10年後に地域で核となって分娩を支える次の世代の医師が育っていないのが実情です。 2014年の厚労科研費の研究では、10年後の分娩施設の医師数の増減を試算した数値が示されました。 それによると石川県は10%以上医師数が低下すると推測される自治体の一つでした。これを防ぐためには東京や大阪に負けない研修システムを構築していく必要があると考えています。 ―育成する医師像は。  産科、婦人科をバランスよく担っていける総合的な力を持つ産婦人科医です。 東京であれば、婦人科、腫瘍、周産期などとそれぞれが専門分野に分かれていても病院の運営は可能でしょう。しかし、地方の基幹病院ではそれだけではなく、お産もできるけれども、ある程度全体も理解しているような医師が必要とされています。 地域によっては、分娩数が年間約100件というところもありますが、地域の医療体制を守ることは私たち大学医学部の使命の一つです。その地方にとって必要な医師像というものがありますので、それに応えられる医師を育てなければなりません。 また、内視鏡手術についても力を入れています。産科救急への対応レベルを全体的に向上するため、産科担当医にも婦人科での腹腔鏡による悪性腫瘍の手術に参加する教育プログラムを作成。術者の手術中の画像を録画し、振り返りながら、より正確な手技や効率的な進行方法を学びます。手術のビデオ画像は多数ありますので、勉強したいと思えばいくらでも学べる環境をつくっています。 産婦人科医の魅力は、卵から周産期、思春期、腫瘍、更年期と、生命の誕生から次世代への継承まで人の一生にわたって携われることではないでしょうか。特に当教室は、バランスを大事にしています。 私が教授に就任後は、認定医、専門医の取得も増えて各分野満遍なくそろいました。指導者の立場の医師も「北陸の医療は自分たちが守る」という気概を持って指導に当たってくれていますので、これからが楽しみです。 金沢大学医薬保健研究域医学系 産科婦人科学教室金沢市宝町13―1☎076―265―2000(代表)http://obgyn.w3.kanazawa-u.ac.jp/

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アプリと”直電“で迅速処置が可能に

独立行政法人労働者健康安全機構 長崎労災病院 脳神経外科北川 直毅 部長(きたがわ・なおき)1988年長崎大学医学部卒業、同脳神経外科入局。長崎労災病院、長崎大学病院講師、済生会長崎病院救急センターセンター長などを経て、2016年から現職。  長崎労災病院は、佐世保市北部を中心に長崎県北部から佐賀県西部までカバーする地域の中核病院だ。同院の脳神経外科は、県下でもより高度な治療を行う医療機関として「地域脳卒中センター」に認定。近年の脳卒中治療で重要視される「時間的制約」に、さまざまなシステム導入で立ち向かう。 ―脳神経外科ダイレクトコールとは。  脳卒中医療は、まさに時間との闘い。3~5分で1%ずつ状態が悪化すると言われています。これまでは患者さんが運び込まれた後、専門医に連絡が届くまで1時間以上かかっていました。血栓溶解薬は搬送から1時間以内に投与しなければならないというのが当院の指標ですが、まったく間に合っていなかった。  そこで、「脳神経外科ダイレクトコール」の運用を開始しました。これは脳卒中が疑われる患者さんの搬送時に、救急隊から脳神経外科医に直接連絡を入れることができるシステムで、搬送から治療開始までにかかる時間が格段に短縮されました。  前もって病状が知らされるので、スタッフや機器を確保し、患者さんの到着後にすばやい処置を施せるのです。当院では、ドクターヘリからのものも含め、月約15件のダイレクトコールに対応しています。  また、医療関係者同士でCT、MRI、心電図などの医用画像を共有でき、チャット機能も備えているスマートフォン用アプリ「Join」を導入しました。  例えば、すでに帰宅した医師に病院から画像が送られてくると、当直の先生へ治療の指示を、自宅から出すことができます。  大都市の病院は専門医が常に待機できる体制だと思いますが、当院では4人で回しているのが現状です。 佐世保のような医師不足の地方都市では、このようなシステムが今後ますます必要になるでしょう。 ―脳卒中はリハビリも重要です。貴院の取り組みは。  当院は、開院当初からリハビリに力を入れています。超早期から訓練を行うのが特徴で、足が動かない状態から装具を使って立ったり、歩いたりするところから始めます。  食事もなるべく経口摂取を指導しています。そうすることで、退院後のQOLがかなり改善します。病院独自のプログラムというものはなく、1週間に1度リハビリの先生たちとミーティングを行い、患者さんそれぞれの症状や家庭環境に合わせたゴールを設定しています。 ―医療職への脳卒中教育に力を入れていますね。  ISLS(Immediate Stroke Life Support)委員会のプログラムにのっとって、専門医以外の医療従事者が脳卒中の初期診療が行えるようにトレーニングするコースを実施しています。  長崎では私がコースディレクターとしてとりしきり、これまで40回ほど開催しています。看護師や他のスタッフにも知識を持っていただくことにより、処置をすばやく行うことができるというメリットがあります。他にも外部から講師を招き、心肺蘇生、災害医療、外傷、やけどなど救急医療の勉強会を開いています。  若い医師の教育も大切ですね。手術は体力と気力が必要なので、若い人の方が向いているというのが私の実感。症例をどんどんこなし、経験を積んでもらいたいですね。  外科医にとって不可欠なのは「心」です。外科医は、手術が思い通りにいかないことが必ずある。そこで心が折れてしまうと、メスを握れなくなります。  日々、反省をしつつも、今度はこうしようと考え、心を鍛えないといけません。手先の器用さはそれなりでいい。リラックスして手術に臨み、いい仕事をしてほしいと考えています。  そのために、私たちも「勝手に見て育て」というのではなく、ハードとソフト両面でしっかりサポートし、若手を育てていきたいと思っています。 独立行政法人 労働者健康安全機構 長崎労災病院長崎県佐世保市瀬戸越2―12―5☎0956―49―2191(代表)http://nagasakih.johas.go.jp/

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