大阪府済生会千里病院 木内 利明 院長

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地域での役割を果たし真に求められる病院へ

【きのうち・としあき】
1976年大阪大学医学部卒業。大阪府立成人病センター(現:大阪国際がんセンター)、大阪府済生会千里病院副院長兼泌尿器科部長などを経て、2013年から現職。

 大阪府済生会千里病院は地域における急性期医療の要だ。3次救急指定医療機関、大阪府がん診療拠点病院、災害拠点病院、地域医療支援病院。さまざまな機能を担い、済生会の設立理念である「生活困窮者の救済」にも努める。木内利明院長に、病院の使命と未来像を聞いた。

―病院の特徴を。

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 済生会は、明治天皇が生活に困窮して医療を受けられない人を救おうと呼び掛けられたことから生まれました。当院も現在、無料低額診療事業に取り組んでいます。吹田、豊中の両市で実施しているのは、当院と済生会吹田病院だけです。

 大阪府内にある済生会の病院と連携して、生活困窮者支援事業「なでしこプラン」も進めています。

 日雇い労働者の多い釡ケ崎地区(西成区あいりん地区)や、元受刑者が生活する施設などに医師、看護師、社会福祉士を派遣。健診を実施しています。釡ケ崎地区では年1回の約4日間で、およそ800人が受診します。

 戦後の日本経済が急激な成長を遂げていく中、「日本初の大規模ニュータウン構想」として整備された「千里ニュータウン」。誕生からすでに50年余りが経過し、住民の高齢化が進んでいます。

 独居、高齢夫婦のみの世帯では、医療費は大きな負担です。そうした方々に対して、医療機関にもできることがある。それを多くの人に知ってもらうことで、支援を広げていけたらと思っています。

―救急医療も強み。

 併設の「千里救命救急センター」は、1979年開設の大阪府立千里救命救急センターが前身です。

 2006年に当院と統合し、スタッフや設備をさらに充実させ、1次から3次まで幅広く救急患者を受け入れています。

 24時間365日体制で稼働しているドクターカーの出動件数は、月に平均して250件ほど。年間の出動件数は全国でも有数です。

 救急コールが入ると「胸痛」「意識なし」などのキーワードに基づき、該当する場合は速やかに出動します。早期診断・早期治療による救命率の向上を目指しています。

 災害拠点病院の役割としては、年に数回、豊能2次医療圏で大規模な災害訓練を実施しています。

 2018年6月、震度6弱を観測した「大阪府北部地震」が発生しました。その後の台風では、関西国際空港が甚大な被害を受けるなど、立て続けに自然災害に見舞われました。

 こうした経験を踏まえて、私たちは改めて災害に対する備えについて考えました。有事の際、医師や看護師は病院に来て勤務することができるのか。アクセスは確保できるのか。情報を収集する仕組みを強化する必要があると感じました。

 当院の初期臨床研修プログラムでは、2011年の東日本大震災以降、慢性期医療も含めた地域医療の研修を、岩手県の医療機関で実施しています。被災地の空気を実際に感じることで、さまざまな学びを得てほしいと思っています。

―これから力を入れていくことは。

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 半径5キロ圏内に大阪大学医学部附属病院、国立循環器病研究センターなどがあり、機能分化の必要性が高まっています。

 その中で当院がしっかりと役割を果たしていくために大切なのは、高度急性期医療を軸足としつつ、「困っている人がいれば助ける」という基本姿勢を忘れないことだと思います。そして、他の医療機関や行政とのつながりを欠かすことはできません。

 年間を通じて、当院ではさまざまな講演会や研究会を開いています。その一つである「千里在宅医療・緩和を考える会」には、医療従事者や訪問看護関係者、行政の担当者ら150人ほどが出席します。当院が目指す「心のこもった医療」の実現に向けて、連携の取り組みを進めていきます。

大阪府済生会千里病院
大阪府吹田市津雲台1-1-6
TEL:06-6871-0121(代表)
http://www.senri.saiseikai.or.jp/


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