地球上の生き物で人間がもっとも残酷で愚かなのではないか。13日夜(日本時間14日早朝)のパリ同時テロ。129人が亡くなり、負傷者はそれを上回った。過激組織ISの犯行だという。
フェイスブックではたくさんの人が哀悼の意を表明し、イスラム教徒も「私はムスリムだがテロリストではない」と悲しんだ。
神の名を叫べば人を殺せる―そのような者が集団化し、国家や宗教を振りかざしているだけなのではないか。妄想を実現させようとしてサリンをまいたオウム真理教を思い出した。
国や宗教や文化を問わず、圧倒的多数の人は、武力行使も戦争もない平和な地球に暮らすことを望んでいる。恐怖に萎縮してはいけない。今こそ痛みを分かち合い連帯すべきだ。
ジョン・レノンは自作曲「イマジン」で、国家や宗教や所有欲から起こる対立や憎悪を乗り越えて一つになろうと、30年以上も前に呼びかけた。そして「ハッピークリスマス―戦争は終わった」では、クリスマスには戦争が終わり、新しい年が来ると歌う。その言葉をかみしめたい。