アインシュタインと老婆 稗田尚

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

 寓話を1つ。

 老婆がアインシュタインに言いました。

 「あなたを有名にした特殊相対性理論というものを、私にも分かるように説明してください」

 そこでアインシュタインは可能な限りやさしく、かみ砕いて教えたそうです。

 それを聞いた老婆は深くうなずいて、それからというもの早足で歩くようになり、動作も喜劇王チャップリンみたいに早くなりました。

 彼女は「物体の速度が光速に近づくほど時間経過が遅くなる」を、「速く動いたら長生きする」と理解したわけです。

 教えるには限界があります。教えてもらうにも限界があります。この老婆は、「彼女なりに正しく理解した」ことに問題がありました。わからないままでいれば、フィルム映画を早回しするかのごとくカクカク動くことはなかったんです。

 さて、この寓話の後日談。老婆があまりにも目まぐるしく動くため、家族が困って、どうにかしてくれとアインシュタインに申し出ました。

 そこはさすがアインシュタイン。老婆にこう教えました。「物体の速度が光速に近づくほど質量が増加する」。

 老婆の動きがぴたりと止まりました。「速く動いたら太る」と彼女は理解し、長生きよりも痩身を選んだわけです。

 このようなことは多かれ少なかれ皆がやっていることで、それに気がつかないのは「その人なりに正しく理解している」からです。アインシュタインのつもりで懇切丁寧に教え、この老婆のように正しく理解している毎日です。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る