医療法人社団広仁会 広瀬病院 古賀 稔啓 理事長・院長

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乳がんを中心に心が通う「がん専門病院」

【こが・としひろ】 久留米大学附設高校卒業1982 久留米大学医学部卒業 第一外科講座入局 1987 久留米大学医学部外科学(乳腺内分泌班) 1990 久留米大学医学部外科学助手(乳腺内分泌外科医長) 1996 久留米大学医学部外科学講師 2001 医療法人社団広仁会広瀬病院院長

 今年、開院から55年を迎えた広瀬病院。乳がんの専門医である古賀稔啓院長は、乳がんの総合治療に意欲的に取り組んできた。一方で、2016年4月から「がん専門病院」「終末期医療」「健診」という三つの柱を強化して、未来に向けた病院づくりを進めている。

―2016年から新たな病院づくりを進められていると聞きました。

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 当院は地元に根付き、長年、救急医療に携わってきましたが、2016年3月末で救急指定を取り下げました。

 正直なところ、大きな病院のようにフル設備をそろえるのは難しく、365日24時間対応するための体制づくりにも多大な労力がかかっていました。全力で取り組んできた救急医療の役目は終え、これからは当院の将来を見据えて歩もうと決断しました。

 方向転換ではなく、もともとあった柱を強化しています。当院の特徴は大きく三つあります。

 一つ目は、乳がんを主とした「がん専門病院」であること。私自身が乳がんの専門医であり、これまで手がけた手術は1000件を超えます。さらに、さまざまな医療機器を導入。特に乳房MRIは乳がんの広がりを3Dで画像処理できるため、患者さんにわかりやすく説明できます。

 今は1カ月に800人ほどを診察。専門医と専門のナース、検査技師、薬剤師でチームとなり、診断から手術、化学療法にあたります。これまでの経験と実績をもとに、さらに勉強を重ねて、世界標準の診察と治療を提供していきます。

 二つ目の柱は「終末期医療」です。2年の準備期間を経て、当院では2010年に緩和ケア病棟を開設しました。何よりも患者さんとの心のつながりを大切にして、終末期の医療を行っています。緩和ケア病棟には、専門のスタッフを配置しています。

 そして三つ目は「健診」。人間ドックや健康診断などを実施し、消化器・糖尿病・循環器の専門医による診断もしています。また、当院は福岡県乳がん検診実施登録医療機関として、乳がん検診も数多く行ってきました。

―乳がんに関しては、タレントの北斗晶さんや小林麻央さんの報道で注目が高まりましたね。

 北斗さんのニュースが流れてから、当院の受診者は3倍以上に増えました。乳がんは早期に発見すれば、7割以上の方が回復する病気です。

 日本乳癌(がん)検診学会では、40歳以上の女性に対して2年に1回の検診を呼びかけ、国の無料クーポンも配布されています。しかし、福岡市の40歳以上の女性の検診率は19%にとどまっています。もっと検診が広まるように呼びかけていくことが、私たちの使命だと考えています。

 また、子どものうちからがんについて正しい知識を得ることも必要だと思っています。今は「がん」イコール「死」と捉えている人が多いようですが、がんは何よりも早期発見が重要であり、必要以上に怖がらなくてもいいこと、いろんな治療法があることなど、正しい情報を伝える場を広げていきたいですね。

―がんでも仕事を続ける人が増えています。

 少しずつ社会的に受け入れられるようになってきたと感じています。当院にも、働きながら治療をされている方はたくさん来ています。患者さんの意向を第一に考えて、身体的にも精神的にもサポートしています。

 乳がん患者の会「患者様のつどい」も開いています。一般的な患者の会は、患者さん自身が主催されていることが多いのですが、この会は私が会長を務めています。患者さんたちにいつまでも元気で長生きしてほしいと考え、医学教育などに病院を挙げて取り組んでいます。

 毎年10月に開催している「患者様のつどい」は、今年11回目を迎えました。毎年100人ほどが集まります。つどいの前になると「あの方はどうされているかなあ」と思いながら、患者さんに案内の手紙を差し上げます。毎年楽しみにしてくださって、ご夫婦で参加される方もいます。イベントの後は、患者さん同士でお食事に行かれるなど、交流の場にもなっているようです。

 がんというと暗い話になりがちです。しかし、乳がんを通じて夫婦や家族の絆が強まった、交友関係が広がったという方も多くいます。

 40・50代で乳がんになると、お子さんが中高生や大学生くらいのことも多いのですが、お子さんが変わったという声もよく聞きます。学校を休みがちだった子がきちんと通うようになったり、しっかり勉強するようになったり。みんなお母さんにいいところを見せようと頑張るのです。家族の力は大きいですね。

―病院として、どんなことを大切にされているのでしょうか。

 当院のロゴマークは、ピンクのリボンでハートを描き、「心」を表しています。そして、病院の理念を「心-ハート・トゥ・ハート-私達は、患者様との心のつながりを大切にします」とし、その一部をロゴマークにも掲げています。

 医療は、医療関係者と患者さんが信頼関係に基づいて協働して作り上げていくものであり、患者さん自身が理解して納得して受け入れなければ、決して前に進めません。そのために私たちは、病気や検査、治療、見通しなどについて、患者さんにわかりやすく十分に説明するように心がけています。これが当院の根幹ですね。

―今後の展望について聞かせてください。

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 来年度には「がんサロン」を開設予定。治療費、症状、生活、仕事など、がんに関するあらゆる悩みの相談窓口を作ります。がんを経験した方にもスタッフとして入ってもらい、患者さんの悩みに寄り添える存在でありたいと思っています。

 また、昨年8月には地域包括ケア病床を開設しました。在宅のがん患者さんをサポートできるような仕組みを作りたいと考えています。私たちはこれまでの経験を生かして、患者さんとの心のつながりを大切にしながら、がん専門病院として進化していきます。

医療法人社団広仁会広瀬病院
福岡市中央区渡辺通1-12-11
TEL:092-731-2345
http://www.hirose-hp.or.jp/


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