日本尊厳死協会 理事長 岩尾總一郎

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

「よい終末期」を時代が求めている

k8-3-1.jpg

 新年あけましておめでとうございます。

 正月早々、全国紙3紙に載った出版大手、宝島社の2頁見開き広告が話題になりました。女優、樹木希林さんが草花に囲まれた小川に横たわり、不思議な笑みを見せるビジュアルが圧巻でした。

 キャッチコピーはひと言、「死ぬときぐらい好きにさせてよ」。

 平均寿命が伸びるなかで「いかに長生きするか」が注目される日本で、「いかに死ぬか」という死生観の尊重を、が広告のテーマということでした。

 日本尊厳死協会は今年、設立40年を迎えました。終末期医療に備えた意思表明書であるリビングウイル(LW=尊厳死の宣言書)を発行して40年の節目の年にこうした広告が掲載されるのも、時代が求めるものを企業の感性がとらえたのだと感じました。

 協会が発足した1976年は、自宅で亡くなる人と病院死亡者の割合が逆転した年でした。かつて生老病死という出来事は、家庭や家族のいる生活空間で当たり前に起こっていたのです。病院死が増えるにつれて、本人が望む平穏な死が遠のくようになり、終末期医療のあり方が長年議論されてきました。

 いま、10年後の日本を見据えた「よい終末期」の実現が社会の課題になっています。

 団塊世代がすべて75歳入りする2025年は高齢者人口が約3500万人とピークに達し、年間死亡者は現在より40万人増の160万人と予測されています。10年後の日本は「超高齢多死社会」のなかにあるのです。

 死が避けられないなら、最適の医療を受けながらも無用な延命措置を排除し、納得、満足のいく最期を迎えたい。そのスタートラインにあるのがLWです。

 認知症者や独り住まい高齢者が増え、終末期の備えにも新たな視点が必要です。病院でも、介護施設でも、自宅でもよい終末期を迎えることができる環境が整えられる社会をと願っています。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る