世羅中央病院企業団 多幾山 渉 企業長

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高齢化率40%を見据えた経営

【たきやま・わたる】 修道高校卒業 1975 広島大学医学部卒業 同医学部附属病院原医研外科(現:消化器外科)研修医 1976 広島赤十字病院外科 1978 広島大学医学部附属病院原医研外科 1983国立病院四国がんセンター外科 1999 広島市立安佐市民病院外科主任部長 2005 同副院長2010 同院長 安佐医師会副会長 2016世羅中央病院企業団企業長

 世羅中央病院企業団は、世羅郡世羅町と三原市が2007年に設立。公立世羅中央病院と、公立くい診療所の2施設を運営する。昨年4月から同企業団のトップを務める多幾山渉企業長に現状と経営について聞いた。

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◎地域に親しまれる病院、診療所に

 公立世羅中央病院は1953(昭和28)年、45床で開設しました。2011年には、経営統合によって、三原市にある公立くい病院の45床を集約。くい病院を診療所とし、病院と、機能を分担しました。

 世羅中央病院企業団は、公立の経営組織ですから、各市町の議会において年度ごとの収支報告、予算策定の義務があります。

 世羅町と三原市、両方の議会に出ることはできませんので、世羅町から4人、三原市から2人の議員が選出され、公立世羅中央病院において、「世羅中央病院企業団議会」を開いています。

 議長は世羅町から、副議長は三原市から選出され、病院開設者は世羅町長と三原市長です。私は昨年4月から管理者を務めています。

 地域の皆さんに満足してもらえるように、公立世羅中央病院と公立くい診療所の医療機能を充実させていくつもりです。また、診療だけでなく、介護、健康の保持に、世羅町、三原市と共にかかわっていきたいと思います。

 住民の期待を裏切らない医療を提供することで、住民から信頼され、親しまれる病院、診療所を目指しています。

 公立世羅中央病院は、病床数155床(10対1一般124床、地域包括ケア11床、療養20床)で、小規模な病院ではありますが、24時間365日、一次、二次救急を受け入れ、この医療圏の急性期、亜急性期の医療を担っています。

 もし、急患を当院が受け入れなければ、患者は30〜40㌔離れた市立三次中央病院(三次市)、JA尾道総合病院(尾道市)、福山市民病院(福山市)などにまで行くことになりかねません。

 地域医療を守るため、末廣眞一院長が職員の先頭に立って、救急車を断らないという方針のもと、積極的に救急医療に取り組んでいます。その結果として、少ない職員数にもかかわらず、年間約1000台の救急車を受け入れています。

 医師不足は地域では深刻で、当院においても同様です。昨年までは産婦人科の常勤医がいましたが、高齢のため引退され、代わりが見つかりませんでした。そのため今年は1週間に1回、非常勤の医師を大学から派遣していただいています。

 今後は、看護師に研修を受けてもらった上で、大学と協力した妊産婦健診も、できるようにしたいと考えています。

◎3年をめどに仕組みづくり

 当院の経営はうまくいっている方だと思います。昨年はわずかに赤字を計上しましたが、減価償却費を含んだもので、内部留保は増えています。

 高額な手術機材の購入など、設備投資をする際は、損益分岐点がいつなのかを試算することが重要です。そこを見極めながら、患者さんの信頼に応える医療を提供するために必要な機材は、揃えていくべきです。

 今後は、薬剤管理、栄養管理ができるスタッフを揃えるなど、もっと幅広く診療報酬を加算できる仕組みを整える必要があると考えています。

 長期入院の患者さんが多いため、今年度からは、一般病床135床のうち、11床を地域包括ケア病床に転換しました。運用状況を見ながら、20床ぐらいまで増やしたいと考えています。

◎高齢化率39%迫る患者数減少

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 当院が属する尾三2次医療圏(世羅町、三原市、尾道市)は、瀬戸内海沿岸部に医療資源が集中しています。中山間地にあたる世羅町には、有床診療所はいくつかあるものの、病院は当院しかありません。

 世羅町の人口は約1万6000人。年間約200〜300人減少していて、高齢化率は約39%という現状です。

 一般的に、高齢化率40%を超えるあたりが日本全体の患者数のピークと言われ、その後、減少に転じるとみられています。高齢化が早く進むこの地域は、患者数の減少がもうすぐ顕著になるかもしれません。

 このような状況の中、どうすれば地域の方々の日常的な医療を守りながら、長く寄り添って、病院運営を継続していけるのかを考える必要があります。

 その上、核家族化した現代では、独居の高齢者や老老介護の問題が増えています。在宅医療だけではケアしきれない人たちに、いかに適切な医療・介護を提供していくかが大きな課題です。

 さらに、高齢者が寝たきりにならないよう、食生活改善や運動の啓発など、予防にも力を入れる必要があるでしょう。

 現在進行中の地域医療構想において、地域の適切な病床数などの検討が進められています。当院においても、病床機能の再検討や介護療養施設の併設など、ケアミックス病院としての機能を充実させることも視野に入れなければならないと思います。

 企業長は一期4年の特別職です。この4年間で自分に何ができるのかを考え、実行しなければなりません。就任以降、病院の経営状態の一層の改善を目指した仕組みづくりをしています。3年をめどに完成させ、4年目に成果を出す。今はそこを目指しています。

世羅中央病院企業団
広島県世羅郡世羅町本郷918-3
TEL:0847-22-1127
http://www.serachuo-hp.jp/org/


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