医療法人 養生園TAOKAこころの医療センター 橋本 台 院長

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急性期、慢性期、社会復帰まですべての精神疾患を診る

【はしもと・だい】 東京都立日比谷高校卒業 1984 徳島大学医学部卒業 同神経精神医学教室入局 徳島赤十字病院精神科神経科 1986 徳島大学附属病院精神科神経科助手 1987 田岡東病院(現:TAOKAこころの医療センター) 1999 同院院長

 1960(昭和35)年の開設以来、半世紀に渡り地域の精神救急を支えてきた田岡東病院。昨年10月、TAOKAこころの医療センターに名称変更し、さらに機能を充実させた。同院の橋本台院長に、精神医療にかける思いを聞いた。

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◎スーパー救急からレスパイトまで

 昨年3月、三つの4階建ての建物に分かれていた旧病院の機能を集約し、7階建ての病院1棟に建て替えました。

 1階は外来、2階は精神科救急入院料病棟(スーパー救急)、3階は高齢者・認知症、4階は精神療養・身体合併症、5階は慢性期・ストレスケアユニットと病床機能をはっきり分けました。

 新病院の特徴は二つ。一つ目は、昨年9月に24時間患者を受け入れる「スーパー救急」の認可を取得したことです。統合失調症、気分障害、自殺企図者などを24時間365日、いつでも受け入れる体制が整っています。

 通常、精神科病棟は看護基準が15対1、急性期治療病棟でも13対1です。スーパー救急病棟は10対1と、一般病院と同じくらいの数の看護師が必要です。

 また、3カ月以内に医療施設に入院歴がない新規の入院患者を常に6割以上維持しなければならない、家族の同意の下での非自発的入院が6割以上を占めていなければいけない、といった条件があります。

 このように要件が厳しいことから、この病棟があるのは、徳島県では当院が唯一。四国地区でも3施設だけです。

 二つ目は、休息入院が必要な方向けの「ストレスケアユニット」を新たに造ったことです。

 患者さんやそのご家族は、精神科に対して抵抗感を持っておられます。「精神科=怖い・暗い・汚い」といったイメージを払拭(ふっしょく)するために、ホテル並みのアメニティーを備えた「ストレスケアユニット」を7室造りました。料理や器にもこだわり、コンシェルジュがついています。

 窓からは、吉野川、阿波しらさぎ大橋、眉山などが眺望できるので、ゆっくり休養していただけますし、入退室は自由。散歩することもできます。

 職場で適応障害やうつになられた方も、入院を希望されます。今後は徳島県だけでなく、関西圏も視野に入れて、広報活動に力を入れていきたいと思います。

 新病院建設に合わせて、「田岡東病院」から「TAOKAこころの医療センター」に名称を変更しました。医療センターというからには、精神科の医療全般に対応できなければなりません。

 そこで、それまで当院にはなかった小児の精神疾患を扱う小児神経内科の開設を決意。自閉症、不登校、発達障害などを専門にしている徳島大学小児科学教室から医師を派遣していただき、月に一度、外来を診てもらうことにしました。

 こうして、子どもから高齢者まで、急性期、慢性期、社会復帰のすべての段階の精神医療が提供できる体制が整ったのです。

◎増える認知症

 認知症がある方の入院も増えています。以前は入院患者の約10%でしたが、今は約24%に増えました。徘徊(はいかい)、せん妄、幻覚、妄想、暴力といった周辺症状(BPSD)は対応が難しく、外来で診ている地域の開業医の先生からの入院依頼が多いのです。地域との連携が密にできているということでもあると思います。

 3年前、医療認知症デイケア「ソナタ」を開設しました。認知症の患者さんが退院された後、家族が仕事をしていて介護できない状況にある場合、われわれが患者さんを送迎し、午前8時半〜午後3時半まで、リハビリや創作活動、レクリエーションなどをしています。

 認知症治療は薬物療法だけでは十分ではありません。人とコミュニケーションを取ることも重要です。私たちは、患者さんに対して積極的にかかわりを持つようにしています。

 医師や看護師がすぐに対応できる環境が整っているので、入院しているのと変わらない医療サービスを受けることができます。木曜日と日曜日以外は利用可能で、定員は21人。平均すると1日17人ほどの利用があります。

 デイケア施設は全国に230施設ほど。徳島県には3施設しかありません。医療保険を使うデイケアは、利用回数に制限がなく、利用者の負担も1割で済むというメリットもあります。

◎地域に開かれた病院

 ひと昔前までは、精神科の病院というと、閉鎖的で、地域の人からも遠ざけられている、というイメージがあったと思います。

 今から15年ほど前、日本医療機能評価機構の受審に向けて取り組み始めたとき、地域に開かれた病院でなければいけないという思いが強くなりました。そこで、運動場を開放した夏祭りを、毎年8月の最終土曜日に開催することにしたのです。

 たこ焼きや金魚すくいなどの店を15軒ほど出したり、ステージを造って近所の学校の吹奏楽部に演奏してもらったり、漫才師を呼んだりしました。初めは500〜600人程度だった参加者が、回を重ねるごとに増えていき、今は1300人にまでなりました。

 精神科に対する偏見が強かった時代、まだ子どもだった人たちが30〜40代になり、自分たちの子どもを連れて当院に遊びに来られるようになった。そればかりか「今年はいつ夏祭りをするのですか?」と問い合わせの電話もしてくれるようになったのです。これには私も感動しました。

 以前は、地元を離れて遠くの精神科病院に入院する人が多かったのですが、夏祭りを開催したことで、近所の方の入院・外来が増えました。

 病院名が変わり、「こころ」が名称に入ったからでしょうか。「悩みがあるから聞いてもらいたい」などと、気軽にカウンセリングを受ける新規の患者さんも増加しています。今では、口コミで患者さんが集まってくるようになりました。

◎新たな取り組みも

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 現在、当院の敷地内に、認知症のグループホーム建設を計画中です。2階建てで定員約40人。今秋着工予定で、来年3月の竣工(しゅんこう)を目指します。

 徳島県内にはかつて、精神科病棟を持ち、身体合併症も診ることができる総合病院が4施設ありました。今は徳島大学病院、徳島県立中央病院の2施設です。

 当グループ内の田岡病院(徳島市)は身体科の救急、急性期を中心にしています。同病院と連携することで、精神疾患がある患者さんの身体合併症にも対応できることは、今後、より大きな当院の強みになっていくでしょう。

 未治療や治療を中断している精神障害の方の自宅に出向き、外来治療につなげる「アウトリーチ活動」にも取り組んでいきたいと考えています。

医療法人 養生園 TAOKAこころの医療センター
徳島市城東町2-7-9
TEL:088-622-5556
http://www.taoka-higashi.or.jp/


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