社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院 院長 富永隆治

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すべては「病む人」のために高度なチーム医療を提供

とみなが・りゅうじ▶1975 九州大学医学部卒、同部附属病院心臓外科入局。九州厚生年金病院、国立療養所福岡東病院、松山赤十字病院などを経て、1987 米クリーブランドクリニック研究所留学。九州大学医学部附属病院心臓外科助手、同講師、国立中央病院心臓血管外科医長、九州大学医学部附属心臓血管研究施設外科部門助教授、北九州市立医療センター心臓血管外科部長、国立病院機構九州医療センター心臓血管外科医長循環器センター長、2005 九州大学大学院医学研究院循環器外科学教授 2008 同部附属病院副院長就任 2015 同大学名誉教授就任、福岡和白病院院長就任、現在に至る。

 1987年7月の開院以来、地域の中核病院として24時間365日の救命救急に対応。高度先進医療の充実を図りながら、患者と共に生きるチーム医療に取り組んできた、福岡和白病院。富永隆治院長に話を聞いた。

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―院長になられて1年、いかがですか。

 私が現場で手術を行う機会は少し減りましたが、それ以外は自分のやりたいと思う仕事ができています。常に心がけているのは「患者さんのための医療」。医者なら誰もがそう思うかもしれませんが、実行するとなると難しいことです。

 当院に赴任してまず驚いたのは、すべての職員が、患者さん中心の医療を自分たちの使命だと捉えて仕事をしていたことです。そのことが徹底されていることに、非常に感激しました。

 当法人のモットーは、救急医療をしっかりやること。1人でも多くの患者さんを救うことです。早朝に来院されたり、深夜に入院されるケースも多い。救急搬送も多く、今年は年間5000件くらいになりそうな勢いで、昨年に比べると増えています。この地域の救急医療を担う拠点病院として、質の高い医療を提供していきたいと思います。

 そのためには、看護師、事務職員、検査技師など、いろいろな職種が協力し合うことが大切です。患者さんのための医療は、医者が1人でできるものでは決してありません。

―優秀な人材の確保が重要になりますね。

 当院では毎年10人、法人全体では30人ぐらいの初期研修医を受け入れています。優秀な人材を確保するためにも、新たに始まる専門医制度については、全科にわたってきちんとしたカリキュラムを作り、働きやすい環境を整えます。

 当院に残ってもらえたり、将来的には帰ってきてもらえたりするような基幹病院であり続けられるよう、しっかりやっていきたいですね。今後も九州各地の大学との連携を強くしながら、やる気のある人材を受け入れたいと思います。

 また、隣接する福岡看護学校との連携も密にしています。実習の段階で現場を見てもらい、きちんとした教育を提供できる体制も整っています。

 看護師をチーム医療の要として考えていますので、看護部が勉強したいと思ったことを医師は全面的にサポートしますし、それを尊重しています。お互いに敬意を払っていることも当院の特色です。

 薬剤師、放射線技師、検査技師、事務、清掃など、すべての職員が一つのチームであるという意識も強いですね。

 昼休みには毎日5〜6人で茶話会をやって、夜は近所の焼き鳥屋さんに10人くらい集まって夜の茶話会をしています。

 その場にはあらゆる職種の人が参加するので、普段は直接話すことのない人たちとも交流することができます。お互いのことをよく知ることができれば、お互いの仕事に敬意を払って働くことができる。レベルの高いチーム医療を行うためには、意義のあることだと思います。

―若い医療人にメッセージをお願いします。

 医師として、医療人として、患者さんの立場に立って考え、患者さんのためにすべてを尽くすこと。人の病を自分のものとしてとらえること、人の痛みを自分のものとして感じることが大切です。なかなか難しいかもしれませんが、そうした気持ちで仕事をしてほしいと思っています。

 人のため、患者さんのために仕事をすることが、結局は自分のためになります。私も、患者さんの容態を心配しながら手術をしますし、その心配は術後もずっと続きます。しかし、患者さんが元気になって退院していく姿を見ると、何物にも代えがたい喜びを感じます。その気持ちをぜひ実感してほしいですね。

 頑張っていれば、お金や名誉は後から必ずついてくる。お金や名誉を第一義にしては、医療はめちゃくちゃになります。自分というものをしっかり持ってやってもらいたいですね。

 そして、指導する立場のわれわれは、彼らが頑張れるように、働きやすいシステムを作っていくことが大事だと思います。

 当直明けに、休む間もなくまた手術につくなどといった過酷な労働環境は、医師本人の健康状態にも影響しますし、医療安全上も良いことではありません。

 当直明けは手術につかない、1週間に1回は休む、週に80時間以上は働かない、といった明確なシステムを整えていくことが必要です。

 私は日本専門医機構の委員もしていますので、専攻医(専門医を目指す初期研修を修了した医師)の労働環境の改善についても提言しています。

―今後の展望を聞かせてください。

 当院は地域支援病院としてはすでに承認されています。2025年に向けて、高度急性期医療を提供できる病院としての体勢を整えていきたいと思います。医療を取り巻く環境は、ますます厳しくなりますし、各病院が担う役割もはっきり分かれてきます。

 そうした状況の中で、この病院では高度急性期病院、がん診療の拠点病院を目指して着々と準備を進めているところです。

 さらに、当法人は、関東方面にも病院を展開しており、ここは人材派遣の拠点でもあります。人を育て、情報やノウハウを発信する基幹病院の役割も担っています。今以上に高いレベルの医療を行い、がん医療も含めて高度先進医療を目指していきたいと思います。


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