がん治療〝総合力〟でどこにも負けない病院に

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九州がんセンター 藤 也寸志 新院長

1984 年九州大学医学部卒業。同附属病院第二外科、九州大学医学部ウイルス学教室助手を経て、1992 年M.D.Anderson Canser Center留学。帰国後、九州大学医学部第二外科助手、同大学生体防御医学研究所腫瘍外科助手の後、1997 年10 月より国立病院(現・国立病院機構) 九州がんセンター勤務。2011 年同副院長、2015 年7月から院長。日本食道学会理事、食道癌診療ガイドライン検討委員、厚労省がん臨床研究事業研究班員なども務める。

 1972(昭和47)年、九州唯一のがん専門診療施設として開設された九州がんセンター。藤也寸志・新院長が誕生し、来年3月には新病院がオープンする。9月の「がん征圧月間」を前に、藤院長をたずね、同センターの取り組みや展望を聞いた。

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エネルギッシュさの秘訣は、という問いに「エネルギッシュですか?」とはにかみながら、ジョギング、音楽鑑賞などを挙げた藤也寸志院長。「クラシックも歌謡曲も、何でも聞きます」

 九州唯一のがん専門診療施設とは言え、がん治療自体は他の病院でもやっています。その中で、当院はがん治療の「総合力」が高い、どこにも負けない病院であるべきだと考えています。

 まず、分かりやすいのが個々の診療科のレベル、5年生存率といった治療成績です。これはデータをしっかりと出して学会で発表し、批判も含めた評価を受けることで一流になっていけると思います。

 しかし、がん治療はそれだけではありません。患者さんへの接し方、心のケア、療養中の就労サポートなど、数値で表せない部分も多くあります。それらを含めて、他の病院のモデルとなりたい。今はまだ、完璧からほど遠いですが、全国から認められる病院を目指しています。

 そのために必要なのが本当の意味でのパートナーシップの構築です。医師と看護師、医師と患者さん、病院と地域の医療者...。どちらが上でも下でもなく対等に、「がんの克服」「患者さんとご家族の満足」を目標に歩んでいかなければならないと思っています。

■講座、講習会を開催

 がんに関する市民、国民の知識を増やすこともわれわれの使命です。

 年1回の市民公開講座は今年で5回目。9月12日(土)午後2時からエルガーラホール(福岡市中央区)で「がんとともに生きる女性のために」をテーマに開きます。「親と子の『がん遺伝子』夏の講習会」も毎年開催。今秋には、図書館での講演会も初めて開く予定です。草の根活動ですね。

 このほか医療従事者対象の「がん患者のQOL推進事業講習会」、地域医療者にがんの最新情報を提供する「病診・病病連携の会」もしています。

■あらゆる患者、家族のために

 臨床心理士を中心に、親が、がんにかかった子どものための「キッズフェス」を3年前から始めました。

 がん患者の子ども(小中学生)を集めて一緒に遊ぶ。それだけでも子どもは、「親が、がんなのは自分だけじゃない、特別じゃない」と分かると思うんです。子どもも、患者さんの家族です。家族へのサポートの一環として必要だと思っています。

 患者さんと家族のためのがん教室も月に1度のペースで実施しています。

 当センターは県内に2カ所ある福岡県がん連携拠点病院の一つです。要件であるがん相談支援センターで、がん専門相談員として研修を受けた看護師や医療ソーシャルワーカーが、患者や家族などからの相談に対面や電話で応じています。

 また、ハローワークからは毎月、相談員が支援センターに出張してきて、治療をしながらの就労の相談に乗っています。

 これらはどれも、九州がんセンターで治療されている患者さんや家族以外の方にも参加、利用していただけます。積極的に広報し、多くの方に知っていただかなければと考えています。

 そのほか、院内にはがん看護専門外来を設けていますし、がんと診断された早期の段階から、患者さんに仕事や家族、趣味や治療など大切にしたいことを確認するACP(アドバンス・ケア・プランニング)にも取り組んでいます。

■早期発見、治療、さらには予防も

 難治がんの早期発見、早期治療のため、3年前に「肝胆膵がんドック」を始めました。これらのがんは、通常の人間ドックや集団検診を受けても早期発見は難しく、見つかった時には進行した状態ということが多いんです。肝胆膵に特化したドックで、早い段階でがんを見つけ、治療することは、当センターの使命だと考えます。

 また、遺伝性のがんの相談外来も設けており、必要な方には遺伝子検査を実施しています。家族性腫瘍のリスク低減治療として、卵巣や大腸の予防的切除も、今後、実施する方向で検討しています。

 私は食道外科が専門です。食道がんは難治がんの一つで手術後に再発する人も多い。QOL、患者さんの気持ちに直面する中で何とかしなければと思うようになり、放射線、抗がん剤、あの手この手でがんに挑むようになりました。

 7月から院長になりましたが、これからも可能な限り患者さんに接していたいと思っています。


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