長崎和食とワインの出会い

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シニアソムリエ 久保井 剛

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「ワイン展示会in長崎」のあと輸入元と長崎港で。

 ミラノ国際博覧会が5月1日から始まり、日本館では日本の食文化の情報を発信しています。和食が海外からの注目を集める点からも、ワインとの相性が楽しみなところです。

 そもそも日本でワインが飲まれるようになったのはいつからでしょう。

 一説によるとポルトガルとの貿易を開始した長崎の人々が最初に口にしたのだろうと言われていますし、オランダから西洋料理が伝わった時にワインの文化も入ってきたのではと言われています。

 ところで16世紀中ごろ、さまざまな食材や調理法がこの長崎に伝来しました。トマト、玉ねぎ、人参、じゃがいもなどもまず長崎に入り、そこから各地を行き来する商人によって全国に広まり、その地方に根付いていきました。

 日本初の西洋料理店は明治11年に開店した「自由亭」。当時は現在の伊良林にあったそうで、メニューの一部には牛のスープや「フルカデル」といわれる肉饅頭(今のハンバーグの原型)などがあり、長崎和食にも何らかの影響があったと思います。

 長崎港が開港して多くの異国人が往来するに伴い、膳で食事をするスタイルから卓(テーブル)を囲む食卓へと変化しました。その長崎ならではのスタイルが卓袱(しっぽく)料理です。

 卓袱とは中国風のテーブルを指し、卓袱料理は別名「和華蘭料理」とも言って、その名の通り日本と中国とオランダなどの文化がうまい具合に織り交ぜられています。各々の膳ではなく、皆でテーブルを囲んでの食事はさぞかし斬新だったでしょう。

 今や和食に欠かせない「ポン酢」もオランダの柑橘系の果汁を意味する「PONC ポンス」が由来と言われています。ポンスとは元々「5種類の物を混ぜ合わせた」という意味で、ワインやブランデーにレモン果汁や砂糖を加えた、現在のフルーツパンチ的なものでした。

 このように西洋の食文化が組みあわさった長崎和食とワインは当然ながら良く合います。

 ポルトガルから伝わった「天ぷら」には、ハーブ香のしっかりしたソーヴィニョンブラン種の爽快な辛口白ワインがベストです。

 また、牛挽肉を和風だしで煮込んだ肉料理「長崎牛カン」は同様の物がトルコ、ドイツ、中国にもあり、醤油と砂糖で味付けされた甘濃い風味は、タンニン(渋み)の穏やかなブルゴーニュのピノノワール種やイタリアはトスカーナ地方のサンジョヴェーゼ種と相性が良いです。

 あらゆる「食」の発祥ともいわれる長崎は、食の窓口として、他の地方よりもいち早く変化し、発展したのです。現在の日本の食文化のパイオニアですね。


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