今年3月に全面完成 安芸太田病院 新本館 建設中

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安芸太田病院 院長 武澤 厳

■経歴/ 1978 広島大学医学部を卒業し同第一外科入局 1979 あかね会土谷病院 1980 広島記念病院 1982 広島大学医学部附属病院医局員 1984 米国コックスハート研究所に留学 広島大学医学部附属病院医局員 1985 加計町国民健康保険病院 2002 同 病院長 2004 安芸太田町加計病院 病院長 2008 安芸太田病院 病院長 ■賞/総務省自治功労者 広島県自治功労者 厚生労働省厚生労働大臣表彰ほか

―病院の建て替えのきっかけは。

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 老朽化が進んでいたのと耐震構造にしなければ、という理由です。患者さんの声としても古いという声が上がっていましたし、将来的に改修を繰り返すよりも、建て直しに踏み切りました。県や町からの支援もあり、最初の予算の三分の二の金額で建設できるめどが立ちました。

 以前病院が建っていたところを壊して、かなり広めの駐車場にし、バスが正面玄関まで乗り入れできるようにします。現在進入路が狭く、今ある病院前のバス停から病院まで、実際にはかなり歩かなくてはなりませんから。

―一部稼働中の新病院は雰囲気がたいへん明るいですね。

 照明がLEDなので、とても明るいんですよ。古い病院から知っている方はその変わり様にびっくりされますね。診察室だって以前はカーテン一枚で、話し声がつつぬけでしたからね。

 広島県北は高齢化が特に進んでいる地域です。北西部にある入院施設のある、救急対応できる病院はここしかありません。ここは昭和23年に国民健康保険組合直営の殿賀村診療所として開設しました。平成16年、旧加計町、旧筒賀村、旧戸河内町の三町村が合併し、安芸太田町が発足しました。合併で二つになった国保病院は病院と診療所に再編され、病院名も加計病院から安芸太田町加計病院へ、さらに現在の安芸太田病院へと名称変更をして7年経ちました。

―へき地医療拠点病院ですが。

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安芸太田病院  完成予想図

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駐車場

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玄関

診療科目/内科、外科、整形外科、精神科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、脳神経外科、リハビリテーション科、婦人科、泌尿器科、麻酔科総病床数/ 149 床(一般病床53 床 療養病床52 床 認知症治療病床44 床)

 安芸太田病院は広島県西北部唯一のへき地支援病院で、地域の中核病院としての役割を担っています。廿日市市、広島市、北広島町の一部地域、そして安芸太田町をカバーする公的病院です。どこの病院もそうだと思いますが、医師、看護師、医療スタッフの確保は非常に重要な課題です。若い人が入ってきて回転していくことが少ないですから、きびしい面があります。公的病院のスタッフは地方公務員になります。継続して勤める方が多く、人件費比率が高い、という問題もあります。みんな年をとってきていますし、医局からのローテーションはなかなかまわってこなくなってきています。

 それから地域に対する使命の問題もあります。例えば透析の患者数は少なく、採算が合わないのですが、設備として必ず必要なものです。医療に妥協は許されません。診療設備は計画的に充実を進めてきました。独立採算の部分以外の、採算がとれない部分は公的な補助が出ますが、そこは病院と町との折衝になり、この交渉もなかなか大変ですね。

 ここ最近特に患者さんの高齢化が深刻で、80歳代から90歳代に上がってきています。病院で待つやり方では間に合わなくなっています。患者さんが病院に来れずに、悪化してしまうので、啓発も含めた対応をしなくてはなりません。疾病予防やアフターケアなどに関しても、リハビリして退院した後に、せっかく良くなったのに帰ってしばらく経つとまた戻ってきてしまう。誤嚥性の肺炎などもそうです。診断をすること以上に、適切な指導をして原因は何か患者さんに知らせることが必要です。現在はチーム医療で、連携して処置していきますから、ソーシャルワーカーや理学療法士、栄養管理士などで共通認識を強化して在宅への調整をしています。コミュニケーションが非常に大切ですね。2025年問題はすでにこの地域ではもう始まっています。

―病院としての取り組みについて。

 地域医療はその人の病気を診るだけでなく、生活環境の改善や生活全体に関わりを持ち、元気になってもらうことが最終目的です。職員、スタッフを育てることによって、ドクターが少なくても適切な医療を提供していくことができると考えています。専門医が少なくても、意志の疎通を上手に図り、助けあっていけば対応できます。医師が全てやらなければならないとなると、とても診きれません。安全対策にしても感染対策にしても、スタッフとのコミュニケーションで意見を言える病院、対等な立場で話ができる病院が期待されています。そのための人材育成の機会として、スタッフには教育、研修、学会への参加を積極的に支援しています。「田舎でも質の高い医療を」を合言葉に病院全体で向上しつづけることを求めています。

 地域を支える病院としてこの場所でしか得られないことも多いです。効率優先の日本社会に挑戦する情熱とエネルギーを待っています。一緒にやろうという強い志を持つ挑戦者よ、ともに未来を創りましょう。


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