病の苦しみに共感できる医療者に

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特定医療法人 原土井病院 病院長 小柳 左門

 1966 福岡県立修猷館高校卒、1973 九州大学医学部卒。九州大学医学部循環器内科助教授、国立病院九州医療センター臨床研究部長、国立療養所福岡東病院副院長、独立行政法人 国立病院機構都城病院院長などを経て2013 年から現職。

 2012年10月号で、都城病院院長として取材した際に小柳院長は、患者がどう生きるか、その価値観にも目を向けるべきだと話した。今回はそれも踏まえ、新任地の原土井病院でのことや、若い医療者への期待を語ってもらった。

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特定医療法人 原土井病院 病院長 小柳 左門

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―都城病院におられた時、人は最後まで希望が大事だと言われていました。

 そうですね。それは今からの大きな問題ですね。

 原土井病院の原寛理事長は、「新老人の会」福岡支部の代表世話人です。この会は、聖路加国際メディカルセンター理事長の日野原重明先生(山口県出身)が立ち上げられた全国組織です。

 働いている間は会社や家族のために懸命になるわけですが、それ以降、希望を失い、やるべきことを失った時、本当の老人になってしまう。

 老後は、今までやれなかったことをやれるチャンスだと、とらえたほうがいいと思います。高齢者には技術も経験もありますから、「幼老共生」も含めて地域にたくさん貢献できます。

 いろんなところに老人の果たすべき役割がありますから、活躍できる場をもっと広げていけば、老いて病気が増えるのは事実だとしても、元気な期間が長くなります。

―原土井病院の院長としてどう腕を振るいますか。

 特別に新しいことはありませんが、まずは職員の元気と和を大切にしたいですね。

今年の春の診療報酬改定を始めとして社会環境が大きく変わる中で、病院の機能を根本から見直すことが求められています。

 急性期病院と退院後の受け皿について不満もたくさんありましたから、今般の改訂は、患者さんのためにはいい流れだと思っています。

 当院はケアミックスと言って、急性期、回復期、療養、緩和ケア、そして介護付きの療養病棟が全部そろっています(一般病棟86床、地域包括ケア44床、医療保険対応療養178床、特殊疾患56床、回復期リハビリテーション104床、介護保険対応療養58床、緩和ケア30床)。この556床をうまく活かし、高齢者が急性期から看取りまで安心できる受け皿が用意されています。

 福岡市のような都市部の病院では、急性期ががあまりにも大きく膨らんで、地域包括ケアのほうに舵を切るにしても、解決すべきいろんな問題もあるようです。医師も看護師も病院経営者も、さあこれからどうしようかというところではないでしょうか。今後は看護師が足りない状況になってはいけませんから、処遇や配置についてバランスの見直しも必要になってくるでしょうね。

―医療連携で、可能なことと要望について。

 東区は地域と合同でいろいろやってきた実績があります。当院も私が来る前から、理事長や院長たちが地域をにらんだ活動を積極的にやり、在宅医の信頼に応えられるような体制づくりと交流を深めてきました。クリニックの先生だけで在宅をすべてやれるかといえば、なかなかできないんですよね。互いに補いながらやるのが大切で、原土井病院がその受け皿を担えれば、と思っています。

―看護職と医師に在宅への温度差がありますか。

 今やっていることで手一杯で、在宅まで目が届かないという状況はあるかもしれません。でも、病院に行くのさえ大変な人が地域にいっぱいいるわけですから、その実態を知って、現場に行ける環境さえあれば、医師はなんとかしようとして動いてくれると思います。

―原土井病院の進む方向は。

 私個人としても法人としても、高齢者を総合的に診ていこうという姿勢です。特養や老健も含むグループ施設全体として、局所ではなく心身全体を診ることがすごく大事になってきます。

 高齢者が増えてきますと、生活の中に医療がなければいけない。健康増進の教育や健康祭りなども併せて、病院の役割は大きくなってくると思います。

―若い医療者に助言があれば。

 一番は、悩み苦しんでいる人に共感する気持ちだと思うんですよ。でも、医学部の教育にしても看護学の教育にしても、そのもっとも基本の情操の部分が大切にされないままに医療者になっているような気がします。

 その気持ちがあっても、知識や技術が中心になっている。そんな状況で医師や看護師になったところで、痛みや悲しみを感じてあげる力が鈍いんです。特に、自分には知識があるという目で世の中を見ている医師は、専門以外のところではぼうっとしていますね。

 経験を重ねれば分かってくるとは思いますが、医療者になるにあたって、もっとも望まれるのは病の苦しみに共感してあげることです。目の前の患者さんは、肉体、精神、そして家族、孤独、社会にも問題を抱えながら生きているという実感を感じながら医療に望んでほしい。その感覚は、医療者になってからでは遅く、子供の時から養っていかなければならないと思います。


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