京都府立医科大学附属病院 北脇 城 病院長

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良き伝統を守り150周年を目指して

【きたわき・じょう】 1981 京都府立医科大学卒業 同附属病院 1986米国バッファロー医学財団研究員 1988 京都府立医科大学大学院医学研究科卒業 1993 社会保険京都病院部長 2008 京都府立医科大学大学院医学研究科教授(女性生涯医科学) 2013 京都府立医科大学附属病院副病院長 卒後臨床研修センターセンター長 2015京都府立医科大学学生部長 2017 同附属病院病院長 同副学長

 開院から145年という歴史を持つ京都府立医科大学附属病院。京都府の地域医療を支える役割を担ってきた。2017年4月、北脇城病院長が就任した。新病院長としての思いを聞いた。

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◎良き伝統を守る

 京都府民や地元の企業の寄付を中心にして浄財が集まり、それをもとに、1872(明治5)年に病院ができたことが始まりです。今年は、145周年を迎えるなど、全国屈指の歴史ある病院となります。

 府民が府民のためにつくった病院ということもあり、京都府民の当院への思いは強く、期待も大きい。われわれも、その期待に応えるべく努力しなければならないと考えています。

 当院の理念は、「世界トップレベルの医学・医療を地域へ」。府民のために、最善で最新の医療を提供する役割があります。

 卒業生は近畿地区一円で活躍しており、近畿地区の医師、看護師を養成する役割も担っています。

 当院の特長の一つに、職員が患者さんに大変優しく接していることが挙げられます。患者さんの目線で行動することが、伝統的に受け継がれていると感じます。良い伝統は、これからも守っていかなければなりません。

◎医療の特徴、がんに対する新たな取り組みも

 当院が臨床面で特に力を入れているのが、がんに対する診療です。

 2006年には、厚生労働省の都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、がん征圧センターとして、診療、治療、緩和ケアまでを含めて、統合的ながん診療をしています。

 また、2013年には、全国で15カ所しかない小児がん拠点病院にも指定されました。指定要件は、小児がん診療、研修、研究など、多岐にわたりますが、全体的に高い評価をいただくことができました。2011年に、外来診療棟にできた小児医療センターには、小児がんに特化した病棟もあり、環境面にも気を配っています。院内学級の整備や、患者さんの家族、きょうだいの支援にも力を入れます。

 2014年には、緩和ケア病棟(16床)も開設しました。急性期病院である大学病院に緩和ケア病棟が存在するというのはめずらしいことです。

 本学としては、最新の機器・技術を駆使した治療を行うことはもちろんですが、がんに伴って感じる、身体や心のつらさを和らげ、患者さんとご家族が自分らしく過ごせることが重要と考え、開設に至りました。

 本学の教授で、日本緩和医療学会の理事長を務める細川豊史先生を中心に、緩和ケアに携わる医師を養成するなど充実を図っています。

 新たな取り組みとして、永守記念最先端がん治療研究センターを建設中です。これは、京都府に本社がある世界でもトップクラスのモーターのメーカーである日本電産会長兼社長の永守重信氏からの寄付によって建設される陽子線治療の施設です。京都府内に陽子線による治療施設ができるのは、これが初めてとなります。

 11月には、建物が完成する予定です。その後、陽子線治療装置の検査や、試運転など準備を進め、治療開始は2018年の11月から2019年初めを予定しています。

 当院は小児がん拠点病院でもあります。2046年、小児がんに対する陽子線治療が保険収載されました。

 小児が陽子線治療を受ける際には麻酔が必要となり、どうしても時間がかかってしまうため、新センターは治療装置を2機設けました。これによって患者さんの待ち時間を減らしたいと考えています。

 小児だけでなく、高齢の患者さんの増加もあって、低侵襲な治療である陽子線治療への注目が集まっています。しかし現在は、京都府民の方で、この治療を受けたい場合は、兵庫県、愛知県、遠くは、茨城県に足を運ばれていると聞いています。

 当院のこのような取り組みが、府民のみなさんの選択肢が増えることにつながると考え、完成を楽しみにしています。

◎課題とこれから

 課題は医師の確保と、府内のへき地医療への対策です。「京都」と聞くと、多くの方は京都市内のことをイメージされると思います。

 しかし、京都府は南北の長さが200㌔㍍。日本海側まで、高速道を使っても車で約2時間はかかります。天橋立で知られる京都府北部は、医師が不足している地域でもあります。

 京都市は、医師過剰な地域と言われます。人口10万人当たりの医師数は京都・乙訓医療圏で398人(全国平均232人)。それと対照的に丹後医療圏は163人と、全国平均を下回ります。

 本学の附属北部医療センターが北部の与謝野町にはありますが、若い医師の希望が少ないのが実状です。

 私は、産婦人科の医師です。現場では、特に人手が不足していると感じます。

 京都府の医師の養成は本学の役割でもあります。北部の医師の不足の問題は、今後も行政と一緒に取り組むなど力を入れていきます。

 地域の開業医の方々との連携強化も、私の今年の大きなテーマの一つです。

 開業医の方から、患者さんを紹介いただく際に、電話やファクスでの手続きが煩雑であったり、手続きに手間取ったりすることもありますので、その流れをスムーズにしていこうと考えています。

 また、京都府に本社を置く半導体メーカーのロームなどと、SiC(シリコンカーバイド)を利用した、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に必要な研究施設の開設も考えています。研究では、SiC―BNCT機器の共同開発や、特に肝胆膵を対象とした、BNCT治療の実用化を目指しています。実現すれば、陽子線治療と中性子線治療が、同じ敷地内で可能になるのです。

京都府立医科大学附属病院
京都市上京区河原町通広小路上る 梶井町465
TEL:075-251-5111
http://www.h.kpu-m.ac.jp/


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