独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 後藤 一也 病院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

公共性の高い医療を担う 矜持を胸に未来へ歩む

経歴:大分県竹田市生まれ。1982 年宮崎医科大学医学部卒業、大分医科大学小児科入局。1992 年同講師、1995年文部省在外研究員(米国)、2001 年国立療養所西別府病院小児科医長、2004 年国立病院機構西別府病院小児科部長などを経て、2015 年から現職。小児科、小児神経、てんかん専門医。日本小児科学会代議員、日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本重症心身障害学会評議員

k14-1-1.jpg

クロスバイク(自転車)、音楽鑑賞、読書が趣味の後藤一也病院長。「(自転車で走る)別大国道は景色が非常にきれいです」とほほ笑む。

■慢性期医療を担う

 当院は国立病院機構の一員で、もともとは国立療養所でした。

 結核病棟があった関係で、以前は別府市の中心部から離れたところに位置する格好でしたが、市街地の広がりなどに伴い、現在は周辺に住宅や公園、学校などがある閑静な住宅街の中になりました。別府インターからも近く、交通の便のいい、非常にいい立地になっています。

 別府市の人口はおよそ12万人。当院のほかに、別府医療センター、新別府病院、厚生連鶴見病院、九州大学別府病院という公的病院があり、病床数は合わせて約1000床、病床数からみて過剰地域と言えます。

 その中で、当院は慢性期を担っています。特徴ある医療を提供し、関係する医療圏も県下に広がっています。

■セーフティーネット系の医療を軸に

 現在は、筋ジストロフィーや神経難病、重症心身障害、結核など、いわゆるセーフティーネット系の医療を軸としています。

 セーフティーネット系医療は、経験・採算・人材の面で、なかなかアプローチできない病院が多い分野です。神経難病も結核も、当院が大分県唯一の最終拠点病院となっていますし、筋ジストロフィーの病棟も県内では当院にしかありません。

 また院内では、呼吸器が100台前後稼働しています。それに加え、胃ろうを中心とする栄養管理、姿勢管理、褥瘡予防、リハビリテーションなどの日常ケアは、医療管理と合わせて当院の業務の中心となっています。

 さらに、障害者医療の中心となる神経内科、小児科だけでなく、血液内科、呼吸器科、循環器科、小児精神科など幅広い診療科を擁しているのも、当院の特徴です。

 患者さんにはいろいろな合併症があり、さまざまな科が一緒になって診療しないといけない場合も多くあります。できる限り診療科の幅を持たせたいと思っています。

■「人」を育てる

 これから最も力を入れていくことは人材育成とチーム医療の推進です。これによってもたらされる効果は3つ。1つ目は、医療の質の向上と医療安全の確保です。

 さらに2つ目はセーフティーネット系医療の充実。国の施策もあり、今後、在宅で生活する患者さんが増えてきます。セーフティーネット系医療は、これまでもこれからも入所・入院の患者さんを診ることが中心ですが、当院としても、ノウハウを生かして在宅医療に貢献したい。地域連携を通じて、情報を受信したり、発信したりしたいと考えています。

 3つ目は特色ある診療機能の拡充です。当院には、「九州リンパ浮腫センター」や「スポーツ医学センター」などがあります。リンパ浮腫センターは、入院して集中的にリンパ浮腫の治療ができる施設で、全国的にも珍しい。関東方面からも患者さんが来ています。

 また、スポーツ医学センターは、整形外科的な面からだけでなく、内科的な面からのアプローチも行い、総合的なスポーツ診療をしているのが特徴です。

 センター長は、かつてサッカーのなでしこジャパンのチームドクターを務めた婦人科・生殖遺伝科の松田貴雄先生。スポーツ歯科の保科早苗先生がスポーツマウスガードを作っています。リハビリ、検査、栄養などさまざまなスタッフがチームとなり、共同して選手のサポートをしています。これらをさらに充実させるためにも、医師をはじめとするスタッフを確保し、育てることが必要です。

■目標は病院建て替え

 現在、収支状況は非常に環境が厳しくなっています。人件費、医療材料・設備費の支出が増えているのは、当院だけではないでしょう。

 2013年完成の東病棟と療育支援棟を除く当院の建物は、築40年を経過しています。収益を確保し、建て替えをするということが、病院にとって最も大きな取り組むべき課題と言えます。

■障害者医療の維持を

 障害児、障害者を入所施設で手厚くケアするという、日本の障害者医療は、世界に類を見ません。日本でしか行われていない医療なんですね。

 今、国の財政は厳しい状況にあると思います。しかし、この障害者医療は、今後も維持されてほしいし、維持されないといけない。翻ってみれば、この医療が維持できるかどうかが、国の余裕、財政的余裕のバロメーターであるとも思うのです。

 当院にいる患者さんの多くは寝たきりです。今後、高齢化によって寝たきりの方はさらに増えると思います。私たちの医療は、「先取り医療」とも言えるのです。世間の方にもう少しPRし、理解してもらう努力をしなければと考えています。

 私たちは「国立」病院機構という名前を掲げていますが、国の税金の投入はされていない、独立行政法人です。それでも、なおかつ、この名前を掲げているということは、公共性の高い医療を担っているのだという矜持(きょうじ)の証のように思います。

独立行政法人国立病院機構 西別府病院
病床数:一般病床100 床 重症心身障害児(者)・筋ジストロフィー病床200 床 結核病床50 床計350 床
〒874-0840 大分県別府市大字鶴見4548 番地TEL:0977-24-1221


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年7月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 82.さいごまで「自分らしく」あるためにホスピスの現場から
さいごまで「自分らしく」あるためにホスピスの現場から

Twitter


ページ上部へ戻る