振り返ってもらえる母校に

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「気品」「知性」「奉仕」 純真学園大学 福田 庸之助 学長

1991 慶應義塾大学経済学部卒業 1994 同大学院経済学研究科修士課程修了 1998 同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学 2000 学校法人純真学園理事長

 昭和31年の創設以来、五十有余年の歴史を持つ純真学園は、平成23年度に九州地区で初めての保健医療系4学科(看護学科、放射線技術科学科、検査科学科、医療工学科)を有する純真学園大学を開学した。この春、一期生221人が卒業して社会に出る。卒業式を前に、思いを福田庸之助学長に聞いた。加藤亮二保健医療学部学部長が同席した。

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 保健医療学部をつくった時は4年後だと思っていましたが、あっという間の4年間でした。

 ひたすら、その時々に一生懸命でしたから、一期生の卒業というのは二期生や三期生とはたぶん違うんでしょうね。

 いま思えば、あれもできたんじゃないか、これもやれたんじゃないかと思いは多分にあります。だから一期生と一緒につくってきたとも言えるかもしれません。それも合わせて万感胸に迫る思いがするといったところでしょうか。彼らがいたからあとの学生が続いてくれたわけですから。

 純真学園大学の校風はこうあってほしいという思いがあっても、学生がつくりあげるものを我々にはコントロールできません。そして、それでいいと思っているんです。ここで学んで国家試験を受けて、社会人として世の中にどう貢献していくのかを一人一人が考え、たまに後輩にいろんな経験を話してくれることもあるでしょう。その先輩のがんばっている姿が後輩を育てるのかもしれません。

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3月9日に第1回学位授与式が行なわれ、4学科それぞれの代表に学位記が手渡された。

 医療系大学の教員は現場から来る人が多く、自分の後輩を育てるという気持ちが強いですから、事細かな指導をするわけです。当大学にも、自分のいた現場のためにいい学生を育てようという気概に燃えている教員がたくさんいます。そして、そのような教員の後ろ姿を見て、学生もあんなふうになりたいと思う、そんな感じがしています。そこに学園訓である「気品」「知性」「奉仕」をことあるごとに伝えていく中で、十年二十年の歳月を経て、母校として円熟していくのだと思います。

 教員たちは、専門化・高度化する医療を支えるメディカルスタッフの重要性を高めるために、常に視線を高くしておこうという気持ちが強いと思います。その意味から、教員すべてに確認したわけではないですが、学生をかわいがりながらも厳しく教えているようです。

 いろんな大学があって同じような分野の大学もいっぱいある中で、うちが差別化できるところは、学園訓として定めている建学の精神です。誰しも生き方に迷うことはあるわけで、その時に「あのとき先輩がああ言っていた、先生はこう言っていたな」と帰って来られる場所、心のホームのようなところになれたらと思います。

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提供=純真学園大学

 学園祖である福田昌子(産婦人科医・1912-1975)は「気品、知性、奉仕」としか言っていません。それは彼女の人生をたどった時に見えてくるもので、我々とは違った解釈をしていたかもしれません。だから学生はもっと自由に解釈し、それぞれに立ち返る。そのような学生に育ってくれたらと思います。経験から生まれる言葉はそれぞれ違いますからね。

 学科によって多少異なりますが、3年から4年生の時期に、臨地(床)実習という社会勉強が半年くらいあるんです。その時の現場の指導者から「純真の学生はみんな素直すぎるが、協調性があり、よく動く」との評価が多いです。豊かな人間性というものは人として当たり前なことで、そんな人材が育ってくれて、医療の面から社会に貢献してくれればと思います。

 人はどこかで壁にぶち当たります。その時に立ち返る言葉があるのはありがたいものです。

 しかし現場には必ず世代ギャップがあります。さらにチーム医療としての現場と、いま学んでいる学生と、それを教えている先生のあいだにも、幾ばくかのギャップがあります。そこをわからなければ人としての幅は備わりません。

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提供=純真学園大学

 そのために看護学科だけでなく、検査科学科や放射線技術科学科、あるいは医療工学科が互いの立場を尊重しながら、いろんなことに目を向け、それを自分の仕事に戻して、振り返る。それが協調性や人間性、あるいはコミュニケーション能力につながればと思います。そしてそういったことの積み重ねが、やがて伝統となるでしょう。

 最終的には我々ではなく、卒業生がその学校を語るんです。そのことを、教職員を含めて我々が理解することでしょう。ただ教えるべきことはしっかり教えなければならない。その中で我々も学び、成長するんです。

 医療を目指すのはやさしい人が多いですから、うちの学校を選んでくれた学生にも、人によろこんでもらうためにこの道を選んでよかったと思ってほしい。そのために患者さんから感謝される人を輩出し、「医療系なら純真学園だよね」と言われる時代が来るようにがんばろうと思っています。

純真学園で学術講演会

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 「先端医療の研究開発と将来展望」と題した学術講演会が2月21日、純真学園大学で開かれ、学生や教員、医療関係者など480人が参加した。同大学が毎年行なっているもの。

 講師は東京大学大学院創傷看護学分野の真田弘美教授(右)と、熊本大学発生医学研究所の江良択実教授。真田教授は褥瘡ケアの体系化を目指した経験から、看護技術の可視化が重要だと話した。江良教授はiPS細胞への期待を語り、会場からの質問にていねいに答えた。

 総合司会を井手口忠光放射線技術科学科教授が務めた。


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