患者の為に、医療者に余裕を持たせる

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県立広島病院 院長  桑原 正雄

◆経歴
1965 修道高校卒  1972 昭和大学卒 広島大学附属病院研修医 1979 広島大学医学部大学院細菌学教室修了 県立広島病院第四内科副部長 1990 同呼吸器内科部長 1996 同総合診療科部長兼呼吸器内科部長 2009 同病院長 2013 広島県感染症・疾病管理センター長(兼務)1986 ~ 2000 広島大学非常勤講師(第二内科) 2003 ~ 2009 広島大学臨床教授(分子内科学) 2011 ~ 2012 広島大学非常勤講師(総合内科学)

◆学会日本感染症学会(専門医、ICD、評議員、西日本地方会理事) 日本呼吸器学会(専門医、代議員) 日本化学療法学会(評議員) 日本内科学会(中国四国支部代議員、認定医) 日本臨床内科医会(学術部専門分科会感染症部門医員) 日本クリニカルパス学会(評議員) など

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病院には1200 人の職員がおり、今は診療はせずにマネジメントに集中しているそうだ。

 取材の日、広島駅で市電の乗り場を高齢の女性に訊ねた。女性も県立広島病院に向かうということだったので、一緒に向かった。博多出身らしく、記者の言葉に懐かしさを感じたのかも知れない。女性は開業医から紹介され受診しているということで、病診連携の確かさを感じさせた。そして自分の主治医の前田先生は名医だ、と述べた。患者に「名医」という安心感を与えられる医師はそう多くはなかろうと思い、そういう医師のいる病院の取材が楽しみになった。院長に伺ったところ、前田医師は現在、広島大学の臨床教授なのだという。

―第86回日本感染症学会総会で長崎に来ていましたね。

 昭和47年に昭和大学を卒業し、地元広島に帰ってきて、広島大学で呼吸器を専門とする第二内科に入局しました。大学院に入り感染症をやることになりましたので、呼吸器の感染症が一番の専門です。そういう縁で、長崎大学で呼吸器感染症を専門にされている河野茂教授とも会いました。私が平成21年に当院の院長になった時、同時に河野教授も長崎大学附属病院の院長に就任されましたから、長崎大学まで挨拶に伺いました。そういうお付き合いです。

 今では開業医の先生にお任せして、当院で喘息を診ることは少なくなりましたが、以前当院には喘息で有名な城智彦先生がおられ、私はその下にいたんです。喘息では全国でも指折りの病院だったんですよ。

 以前は広島県の健康福祉局健康対策課という所が、県の感染症の行政的なことを担っていたのですが、今年の4月からその中の感染症グループが独立した組織に改編されまして、広島県感染症・疾病管理センター、通称「ひろしまCDC」が出来ました。今私がそこのセンター長を兼務しています。私が県医師会の副会長であることも、行政としては都合が良かったのでしょう。

 もしパンデミックになったらこの組織が司令塔ですから、病院を空けないといけません。それで私の代行が出来るよう、当院の副院長の権限を強化しました。

―県に5つしかない救命救急センターのひとつですね。

 救命救急センターでは多発外傷を含め、多発的なことが起きています。そうすると当然ヘリコプターが必要です。当院のヘリポートは立て替えた時に作り、15年くらいが経ちました。

 5月1日からドクターヘリが広島県で運行することになり、現在広島西飛行場にヘリがいます。週のうち4日間は広島大学、3日間は当院と担当を決めて、日中は医師と看護師を飛行場に待機させ、すぐ飛び立てるようにしています。一時的に治療をしたあと判断して、適切な病院に搬送するという格好です。軽いから近くでいいんじゃないか、というときには近くにしたり。

 県の政策医療をやらなければならないので、高度救命救急センターと同じように、基幹災害起点病院になっています。何か起きた時は当院から指示を出すという事になっており、DMATも持っています。よく医師が異動しますから、全チームが常時稼働できる状態ではありませんが、少なくとも2チームは常に動けます。

―成育医療センターも特長ですね。

 私の前の院長で病院事業管理者の大濱紘三先生が産婦人科の教授で、スタッフを熱心に集められたのが始まりです。良く集まったなと、一つの自慢ですね。

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明治10年創立。独自にバーチャルプライベートネットワークで地域医療ネットワークを構築し、カルテを近隣の開業医が見れる仕組みを作っている。現在は60ほどの医院だが、年度内には150以上との連携を目指している。癌の放射線治療は年間400例以上。院長補佐福島典之主任部長が率いる耳鼻咽喉科・頭頚部外科は、鼓室形成術では全国でも5指に入る症例数だ。/p>

 生殖医療科という、生殖医療、人工授精の科が総合病院にあるのは珍しいことです。民間の一般の医療機関でもできることですが、当院では妊娠しやすいように手術もするわけです。そうなると総合病院でないと。

 NICUも9床。県内にはそんなにないですね。平成24年度は、NICUに262名入院して、亡くなったのが2名。入院したのは、499g以下が5人、750g以下が9人、1千g以下が20人くらいと、超低体重の未熟児がいるのに死亡率が極めて低い。数年に1度統計を出すんですが、前回は周産期の死亡率で日本一でした。

 当院には小児感覚器科というのもあります。特に耳が聞こえない子供を診ている科です。また小児腎臓科というのもあり、これも珍しい。

―他に特長は。

 全国に先駆けて作った緩和ケア病棟があり、広島県の緩和医療を推進する意味で教育をしています。専従の緩和ケアチームと、緩和病棟20床があります。外来化学療法も早いうちからやっていました。

 5月から病棟を再編して、単科の縦割りにせず、医者とか看護師全部が集まる格好にしようとしている最中です。集学的な医療を担う病棟を目指しています。

 心ゆとりある医療を作っていきたいと考えています。医療者が余裕を持った医療をすれば、患者さんは良い医療を受けていると思えるでしょう。どうしても、どんどん収益を上げないといけない、となると難しいですけどね。


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