神奈川県立がんセンター 大川 伸一 病院長

重粒子線がん治療施設、がんワクチンセンター、漢方サポートセンター...。神奈川県立がんセンターは、手術、放射線治療、化学療法の三大療法に限らず、まさに「あらゆる手段」でがんに挑み、新たな治療法開発のための研究にも取り組んでいる。

がん拠点病院に求められるのは

地域がん診療連携拠点病院を中心とする医療提供体制の整備で「がん医療の均てん化」が進んだが、診療の質を評価する手法はまだ確立されていない。「格差」が生じていることも課題として浮かび上がってきた。医療安全の確保に関する問題点も指摘されており、がんゲノム医療など、一定の集約化が必要な分野もある。

医療者とがんサバイバーが本音で語り合い問題解決の糸口を探る

がん医療に携わる医療者・学生を対象にしたシンポジウム「がん患者・家族(遺族)になって気づいた医療者とのコミュニケーション」が3日、ブリーゼプラザ小ホール(大阪市)で開かれた。主催は近畿がん診療推進ネットワーク。医師や看護師、薬剤師など153人が参加した。

近畿大学医学部消化器内科学教室  工藤 正俊 主任教授

肝がん克服を目指して新規薬剤の開発や「次の標準治療」の確立に向けたプロジェクトを進める工藤正俊主任教授。今年1月にも、世界初となる臨床試験の成果を米国で報告してきたばかりだ。「もうすぐ肝がん治療が大きく変わる」ー。そう確信する理由を探った。