病院機能を維持し、さらなる進化を

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医療法人社団鶴友会 鶴田病院 鶴田 豊 院長

鶴田 豊(つるた ゆたか) 2001 久留米大学医学部卒業 熊本大学医学部附属病院第一外科(研修医) 2002 社会保険下関厚生病院外科(研修医・医員) 2004 健康保険人吉総合病院外科(医員)2006 熊本中央病院外科(レジデント) 2008 熊本大学医学部附属病院消化器外科(医員) 2010 医療法人社団鶴友会鶴田病院診療部長兼外科部長 2014 同院長 ■所属学会:日本外科学会、日本消化器外科学会、日本癌治療学会、日本ヘルニア学会、大腸肛門病学会、日本ハイパーサーミア学会、日本内視鏡外科学会

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地域医療の中で、一貫した全人的医療を行っていきたいと語る鶴田豊院長。

―この病院の特徴は

 熊本市東地区のかかりつけの病院としての役割や、化学療法・温熱療法・緩和ケア・がんリハビリテーションを中心としたがん医療を行う病院としての役割、さらにリハビリセンターを中心とした熊本市内の拠点病院と、在宅・介護保険施設の橋渡しを行う医療機関としての役割を担っていると考えております。

 どのような疾患においても、関係する多くの医療機関、さらには施設や在宅でのサービスなどとのしっかりとした連携があって初めて、患者さん・家族への継ぎ目のない医療・介護サービスが可能になると考 えており地域連携・相談支援センターの充実に力を入れております。

―地域のかかりつけ医としての役割とは、具体的にはどのようなものでしょうか

 病気の早期発見・早期治療につなげるべく、検診センターと内視鏡センターを有し、地域の皆さまの健診など予防医療に力を入れています。

 慢性腎不全に対する人工透析治療も含めた生活習慣病や、整形外科疾患・泌尿器疾患の治療にも力を入れております。これらの身近な疾患の外来診療から、必要があれば入院治療まで行います。

―貴院で行われているがん診療の特徴とは

 検診、内視鏡検査での早期がん診断。がん化学療法・温熱療法を外来化学療法センターにて外来で、もしくは入院で行っております。さらに(癌性腹膜炎や肝硬変による)難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)や、緩和ケア病棟でのがんの症状緩和治療を行っております。また術前術後や放射線化学療法で失われた機能回復維持目的、緩和期の機能・QOL維持目的のがんリハビリを行っております。

 がん治療の専門性が深まるにつれ、がんのいろいろなステージにより、がん拠点病院では手術する外科医や、化学療法を行う腫瘍内科医、放射線を行う放射線開始など主治医が変わることも多い現状です。一貫性のある全人的な医療を行うには、医療者間の連携が重要です。地域の中で、がん患者に継ぎ目のない医療を行うために、そのコーディネーター的役割も重要と考えております。

―温熱療法とは

 サーモトロンという機械で体を挟み、電極から8MHzのラジオ波・高周波が出て、中心部を43℃まで加温します。一回大体40〜50分の治療です。状況に応じて多い方で週に2〜3回、少ない方で2週間に1回ほど治療しています。

―温熱療法を導入した理由

 表在リンパ節転移や乳がん、肉腫など、表面にあるがんには単独で効果を認めます。あまり大きな副作用もなく行えますし、放射線治療と抗がん剤治療の補助療法として有用であると考えたからです。さらに抗がん剤が効かなくなり、治療を終了するような状況の中で、何か治療をしたいという方も多く、標準治療ではありませんが、まだ治療をできるという心の支えにもなっていると思います。

―がん患者のリハビリテーションについて教えて下さい

 がんのステージによって、予防的・回復的・維持的・緩和的リハビリがあります。つまり診断された時点から、完治するまで、もしくはお看取りにまで関わる治療です。

 がん患者さんの特徴として、がんの進行による機能障害だけでなく、たとえば手術や放射線などのがんの治療によって起こる機能障害など、障害は多岐にわたるので、ほかのリハビリテーションと異なり、がん患者の場合、機能が一方的に改善するとは限りません。しかし、その中でリハビリが介入することにより、早期の社会復帰・家庭復帰や、抗がん剤などの治療継続も可能となるし、末期がん患者の機能を維持することにより、QOLも向上できます。今後さらに重要となる治療だと考えております。

―鶴田病院の緩和ケア病棟の特徴は

 県下の緩和ケア病棟は比較的在院日数が少ないので、希望があれば在宅医や訪問系のサービスを活用し、緩和ケア病棟からでも退院を促し、できるだけ自宅で過ごしていただけるように努めています。そのため周囲の訪問診療を行う医師や、訪問看護師との連携に力を入れています。専任の理学療法士を配置し、リハビリも行っていますし、音楽療法士による音楽療法も取り入れています。

―前述の中間施設としての役割とは

 多様な疾患の急性期医療を終えた後の、さまざまな機能低下状態に対し、全身治療やリハビリテーションセンターでのリハを行っております。これにより早期社会・在宅復帰、介護施設等への復帰を目指しています。

―今後の取り組みを教えてください

 患者さんには大学病院も日赤も当院もひとつの病院だと考えてくださいと言っています。我々は、患者さんの状態に応じてその時点での最適な医療をどの病院で受けたらいいかを提示するコーディネーターの役割を担っていかなければならないと考えています。

 来年度には精神腫瘍医も就任する予定で、さらにがん診療を充実させたいと考えております。今後もがん患者さんに対して切れ目のない連携のなかで治療を行うことと地域の病院として「かかりつけ医」の役割を果たしていくことが、我々が果たすべき使命だと考えています。その中で訪問診療も当院から行える体制作りを行っていく予定です。


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