久留米大学病院専攻医研修委員会 福本 義弘 委員長 久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科部門主任教授

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専門医と医学博士 双方取得で羽ばたいて

【ふくもと・よしひろ】 1991 九州大学医学部卒業 1998 米ハーバード大学ブリガム・ウィメンズ病院研究員 2004 九州大学病院循環器内科講師 2011 東北大学大学院医学系研究科循環器内科学准教授 2013 久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科部門主任教授 2017 同大学病院副院長兼任

 新専門医制度のスタートから1カ月余りが過ぎた。「医療・医学は永遠に進んでいく領域。わかっていないことを明らかにする力を持ち、進歩の時計の針を進められるような人材を育成したい」と久留米大学病院の福本義弘・専攻医研修委員会委員長は語る。

能動的に考える医療・医学の未来のために

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―久留米大学病院の専門医プログラムの特徴を。

 大学病院の特性を生かし、専門医と医学博士、両方の取得を目指すという点です。専門医の資格は、「現在、適切とされる医療をきちんと提供できる」ことを示すもの。医学博士を取るための勉強は「未来を創造する能力を養う」ためのものだと考えています。

 大学には、数十年先の指導者、医学の各分野を引っ張っていくリーダーを育てる義務がある。だからこそ、それぞれの希望や適性に合わせて専門医も医学博士も取れる選択可能なプログラムを用意しています。

 医学部の学生教育というのは基本的に「受け身」です。初期研修医や後期研修医も、高度な技術を要する診療をしていますが、それでもやはり、「先輩から習った」医療なのです。

 原因がわかっていなかったり、治療法が解明されていなかったりする病気については、誰からも教わることができません。若い人たちが今後、能動的に考え、新しい診断法、治療法を開発していかなければならないのです。そして、その「考える」習慣をつけるために必要なのが、医学博士取得に向けた基礎研究や臨床研究だと考えています。

 若いころは、教育を受けたり学んだりする重要性に気が付きません。私もまったくわかっていませんでした。でも、今は「教授に言われた通りに歩んできてよかった」と思う。だからこそ、後輩たちを良い方向に導けたらと思っています。

 これからは、AIの力を借りて医療をする時代に向かっていきます。5年、10年という近い時期には、AIを活用した医療が身近なものになっているかもしれませんね。

 決まったことを正確に実施する、もしくは学習していくということに関して言えば、コンピューターが人間に勝る。では、医師は何をするのか。「考える」ということが、人であるわれわれの大事な役割の一つになるはずです。

制度の変化 現場は混乱 明快な説明を

―2018年の久留米大学病院の採用・登録状況を教えてください。

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 全19領域合わせて71人。今年は新専門医制度初年度ですので、単純に過去と比較することはできませんが、昨年度、久留米大学の入局者が99人いたことを考えると、3割弱減っています。

 定員に対する充足率で言うと、整形外科が最も高く87.5%。産婦人科と総合診療が66.7%、救急科が60%。私の専門である内科は定員40人に対して23人で、充足率は57.5%です。

―数字をご覧になって受け止めは。

 私は久留米大学に来る前の2006年4月から2013年の6月まで、東北大学に勤務していました。東北大学は当時、1学年の研修医が毎年10人ほど。かなりの人員不足を経験してきました。

 それを考えると、今年度、かなり減少したとはいえ、「久留米大学はまだ恵まれている」という感覚があります。

 そうは言ってもやはり、内科と外科(7人)は少ないですね。原因は、おそらく新制度、特に内科と外科のシステムの難解さだと思います。

「考える」ということが人であるわれわれ医師の大事な役割の一つになるはずです

九州・沖縄エリアの専攻医採用・登録者数

県名 専攻医採用・登録者数
福岡 446
佐賀 59
長崎 83
熊本 102
大分 64
宮崎 37
鹿児島 95
沖縄 107
合計 993

出典:日本専門医機構「専攻医の採用状況について」 2018年3月15日現在

 制度は、内科、外科など基本領域の専門医取得後、サブスペシャルティ専門医を取る「2階建て」構造が基本。内科で言えば、実際は、1階部分である内科専門研修と連動して、2階部分の循環器専門医などのサブスペシャルティ研修を受けられる「従来とほぼ変わらない制度」です。

 しかし、議論の段階では初期研修後3年間で内科の専門医を取り、さらに経験を積んでサブスペシャルティを得る、という方向性が出された時期もあった。「自分が専門としたい科の勉強ができるようになるまで時間がかかる」というイメージがついてしまったのです。そのもどかしさは、若い人ほど感じるでしょう。

 さらに、これまで「3階部分」として取得していた不整脈専門医などの資格を、従来通り「3階」とするのか、基本構造を崩さず3階以上はつくらないのかも、今はまだ不透明です。

 不確定要素があれば、若い人は不安になります。内科と外科に限って言えば、制度の2階部分の詳細が決まらない限り、この状況が来年度以降も続く可能性が高いと思います。

 対策として、今、われわれは医学部の学生に、専門医取得の流れについて説明を続けています。研修方法をクリアカットに解説していくということに尽きるでしょう。この学生たちが専攻医になるころには、だいぶ理解が進んでいると思います。同時に、制度の熟成を待ちたいですね。

久留米大学病院
福岡県久留米市旭町67
TEL:0942-35-3311(代表)
https://www.hosp.kurume-u.ac.jp/


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