がん医療に関わる人材の育成に取り組む「近畿がん診療推進ネットワーク」は3月3日(土)、医療者向けの講演会「がん患者・家族(遺族)になって気づいた医療者とのコミュニケーション」を、大阪市のブリーゼプラザで開く。
「がん患者の"本音"を知り、診療に生かしてほしい」との狙いで、2014年に始まり、5回目。患者や遺族など計4人が講演し、質疑にも応じる。
書籍「不仲の母を介護し看取(みと)って気づいた人生でいちばん大切なこと」を出版するなど、がんにまつわる家族間のコミュニケーションに注目した活動に取り組んできたライターで翻訳家の川上澄江さんは、「母を介護し看取って感じた医療者とのコミュニケーション」というテーマで講演。
名古屋市を拠点に活動する患者会「若年がんサバイバー&ケアギバー集いの場 くまの間」の代表、加藤那津さんは「遺伝性乳がんと診断されて」と題して話す。
31歳で乳がんと告知され、再発や遠隔転移の後、遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)と診断された加藤さんは、AYA(思春期・若年)世代のがん患者代表として「医師に遠慮せずに気持ちを伝えることで、コミュニケーションがうまくとれるようになった経験などを話したい」という。
そのほかの講師は、進行食道がんの患者で緩和ケア医の行田泰明さん、NPO法人「肺がん患者の会ワンステップ」代表の長谷川一男さん。
同ネットワークの中川和彦理事長は、「医療者は普段、患者さんに遠慮したり気を使ったりして、質問できないことも多い。今回参加する患者や遺族は、いろいろな質問をさせてほしいと依頼し、了承を得ている人たちばかり。聞いてみたいと思っていたことや疑問をぶつけられる良い機会になると思う」と話している。
「がん患者・家族(遺族)になって気づいた医療者とのコミュニケーション」
日時
3月3日(土)午後3時~同5時20分(同2時30分開場)
会場
ブリーゼプラザ小ホール(大阪市北区梅田2―4―9)
プログラム
【講演】
①母を介護し看取って感じた医療者とのコミュニケーション
川上 澄江(ライター、翻訳家/がん患者遺族)
②緩和ケア医が進行食道がんになって気づいたこと
行田 泰明(医療法人社団淳友会 わたクリニック診療部長)
③遺伝性乳がんと診断されて
加藤 那津(若年がんサバイバー&ケアギバー集いの場 くまの間代表)
④肺がん患者になって気づいた医療者とのコミュニケーション
長谷川 一男(NPO法人肺がん患者の会ワンステップ代表)
参加費
無料
募集人員
330人
申込方法
専用ページ(bit.ly/0303kp-net)、メール(0303kp-net@cancernet.jp)ファクス(06-6886-3387)のいずれかで。メール、ファクスの場合は、「3月3日シンポジウム申し込み」と明記した上で、①氏名(フリガナ)②所属(大学・病院など)③職種(医師・看護師・薬剤師など)④連絡先(メールor電話orファクス)⑤シンポジウム終了後の懇親会参加の有無を記載し送信を。
締め切り
定員になり次第。定員に達していない場合は当日参加も可能
問い合わせ先
TEL:06-6886-3388(認定NPO法人キャンサーネットジャパン)