社会福祉法人 四天王寺福祉事業団 四天王寺病院 髙田 興 院長

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地域医療を支え続ける存在に

【たかだ・こう】 大阪府立大手前高校卒業 1984 大阪医科大学卒業 同第二内科 2003社会福祉法人四天王寺福祉事業団四天王寺病院消化器内科部長 2005 同診療部長 2009 同院長

 593年に聖徳太子が建立した四天王寺。隣接する四天王寺病院は、聖徳太子の教えを今に伝える歴史ある病院だ。髙田興院長に病院の運営方針などを聞いた。

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◎聖徳太子の教えを引き継ぐ

 日本仏法の最初の官寺として知られる四天王寺は、寺を運営する宗教法人、大阪府下に22の医療・福祉施設を持つ社会福祉法人・四天王寺福祉事業団、そして小・中・高校、大学などを持つ学校法人四天王寺学園の三つの法人を擁しています。

 これらの法人の起源は、聖徳太子が、四天王寺建立と同年につくった四箇院(敬田院、悲田院、施薬院、療病院)といわれる四つの施設です。

 敬田院は「人々に信仰心を起こさせ、悪を絶ち善を行う教え」を伝えるもの。つまり教育についての教えで、これが学校法人の源となりました。

 悲田院は、「生活に困っている人々を住まわせその人々の福祉を図る」もの。現在、事業団が運営する、母子の生活支援施設や保育園そして高齢者福祉施設となりました。

 そして、施薬院と療病院は、薬を調合し人々に施したり、病人を寄宿させ治療、回復させることを目的として始められたものであり、薬局や病院の起源と言えるものです。この施薬院・療病院創設時の理念が、現在の四天王寺病院に引き継がれています。

 1400年以上も前に、この地で病院や福祉施設、そして学校という概念を、具体化していたことに多くの方が驚かれます。

◎厳しかった病院運営

 境内にあった施設は、隣接する場所に移され、四天王寺施薬療病院として、1931年に開設されました。

 1948年に、天王寺病院と改称。1991年には、四天王寺病院に再び改称し、1995年には新病院を建設して現在のような形になりました。

 地域では「四天王寺さんの病院」として、長く親しまれてきましたが、実際の医療には宗教的な要素はありません。

 私が院長になった2009年は、救急医療での患者たらい回しや小児科、産科の閉鎖などが社会問題化し、医療崩壊が叫ばれた時代です。

 当院も、医師や看護師の不足が顕著で、私も医師集めが一番の仕事でした。

 しかも当地区には、1000床、500床クラスの大病院が多く、別名「病院銀座」と呼ばれるほどです。同じように急性期で張り合ってもたちうちできない状況で、どう生き残りを図るかが課題でした。

 そのような時、他病院で血液内科の専門病棟が閉鎖されたため、この周辺地域で血液疾患患者さんの病床が不足しているとの情報が入りました。

 さっそく近隣の大阪市立大学の血液内科学教室を訪ね、当院での血液内科開設へむけての体制づくりに取り掛かりました。こうして、条件が整い、2010年4月に、血液内科がスタートしたのです。

 通常、新しい診療科が開設されても、軌道に乗るまでにはかなりの時間を要するものですが、大学病院の全面的なバックアップと血液内科スタッフの懸命の努力のおかげで、あっという間に入院患者さんの半分近くを血液疾患患者さんが占めるようになりました。

 今では大学病院以外のいろいろな医療機関からも患者さんの紹介があります。

◎地域を支える病院に

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 血液疾患診療と並んで、当院の特徴のひとつに、高齢者とくに85歳以上の超高齢者の利用が多いという事があげられます。

 このような高齢の患者さんは、若い方と違って、原疾患以外にもさまざまな合併症や、あわせて社会的問題をかかえている方が多く、そのために在宅での医療も、超急性期病院への入院も困難となるようなケースが、実際には、多くあります。当院はまさにそのような患者さんにも利用していただける病院であると考えています。

 近隣の開業医の先生方や、大病院の先生方にも情報提供をして、お互いの得意な分野をいかして、すみわけができればいいなと思っています。

 当院は1999年に、開放型病院となり、登録医の先生方は、現在270人となりました。定期的に開催される登録医総会では、学術講演会も行われ、そこでは登録医の先生方にも、症例報告などに参加していただいて、活発なディスカッションをしています。

 また、2015年には、「地域医療連携室」を新たに立ち上げ、私が室長となり、医師会をはじめ、近隣の先生方との連携を強めています。最近では、天王寺区医師会の在宅医療推進委員会にも参加し、委員会のみなさんと一緒に活動をしています。 当院には、関連法人の職員やご利用者を含めると6千人もの関係者がいます。

 当院は本来、この6千人の、かかりつけ病院たる立場でなければならないのですが、実際にはその役割を十分果たせているとは言い難い状況です。今後は、グループ職員の健康診断など、職員や、ご利用者の方々の健康管理の中心的役割を担う病院になれるような体制づくりを考えていきたいと思っています。

 また、病院のすべての職員が、働きやすい職場、安心して生活できる環境を提供できるよう、経営に力を入れていきたいと思います。そのためにも、職員が気軽に相談できるような院長でありたいですね。

◎宗教法人との連携

 毎年、聖徳太子孝養像奉賛法要が院内でとり行われており、関係者以外にも近隣の方々など、多くの方がお集まりになります。

 その際には、四天王寺の僧侶もお越しになって、大変興味深い法話を聞くことができます。

 このような連携もありますので、将来的には、例えば、緩和ケアの一環として、僧侶の方にも参加していただくなど、「四天王寺の病院」ならではのアプローチも考えていきたいと思います。

社会福祉法人 四天王寺福祉事業団 四天王寺病院
大阪市天王寺区大道1-4-41
TEL:06-6779-1401(代表)
http://www.shitennoji-fukushi.jp/shitennoji-hospital/


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