《高知県看護協会》
4月19日、高知県での取材の折に「公益社団法人高知県看護協会」をたずねた。目的は、宮井千恵会長にお会いして、同協会が高知県と連携して進める「地域災害支援ナース」について話を聞きたかったのだ。
5日前の14日、熊本地震が発生。私が住む福岡市でも「震度4」とかなり揺れた。「まさか熊本で...」。九州人なら、そう感じた人も少なくなかっただろう。地震への心構えがほとんどなかった事を反省もした。
一方、南海トラフ大地震などへの対策として、「地域災害支援ナース」の育成に、2013年から取り組んでいるのが高知県看護協会だ。
日本看護協会にも「災害支援ナース」のシステムがあるが、こちらは全国展開となっており、被災地に派遣されるもの。
一方、地域災害支援ナースとは、高知県との、災害時医療救護活動に関する協定書に基づき、県で災害が発生した際、勤務地に出勤できない看護職が、地元や最寄りにある救護病院、救護所、避難所などで、健康・医療支援といった活動を行う。育成のための独自の研修プログラムがあり、受講すれば、受講内容証明書を発行し、地域災害支援ナースとして登録することができ、登録証と腕章、ポケットマニュアルが発行される。
なぜ、高知県にこのシステムが生まれたのかを尋ねると、「高知県は災害が起きると陸の孤島。しかも4県の中でも一番南端にあるため、自分たちで何とかしなければという自助の意識が強いのかもしれません」と宮井会長。現在は、受講者632人、登録者292人だが、「受講者1 千名、登録者500名」を目指しているのだそうだ。
短時間しか話はできなかったが「自助」という言葉が心に残る。災害時だけでなく、日常でも意識したい精神かもしれない。